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営業も裁量労働制が適応になるの?

営業も裁量労働制が適応になるの?

働き方法案の厚労省要綱が提示されたことで、色々な意見が飛び交っていますね。

どんな内容なのか興味のある方はこちら⇒「労働基準法等の一部を改正する法律案の概要」を見てください。厚生労働省が第189回国会(常会)提出した法律案にリンクを貼ってあります。

さて、その中で特に気になるのが、企画業務型裁量労働制の対象業務に「課題解決型提案営業」を追加するというもの。

たしかに営業は勤務時間を把握しにくい職種ではありますが、裁量労働制の対象になると長時間労働が横行しそうな気がしますよね。

もちろん「対象者の健康確保措置の充実」も行うと書いてありますが…ほんとうかなぁ。

ということで、この記事では裁量労働制がどういうもので、営業に適応されるとどうなるのかを考えていきます。

 

裁量労働制とは

裁量労働制を簡単に言うと次の通り。労働者が自分の意思で効率的に働き、成果で評価される制度のことです。

  • 仕事の進め方、出退勤の時間を労働者に任せる
  • 労働協定で決めた「みなし労働時間」だけ賃金を支払う
  • 深夜・休日出勤以外、残業代は支払われない

「フレックスタイム制」や「みなし残業制」とは違います。

「フレックスタイム制」は、出退勤時間は自由ですが、労働時間は実労働時間になります。「みなし残業制」は残業時間を「毎月〇時間残業した」と事前にみなして残業代を支払う制度です。

「裁量労働制」は「月に〇時間働いた」と労働時間全てを事前にみなして賃金を支払う制度です。

ちょっとややこしいですね。

例えば裁量労働制で月20日出勤×8時間=160時間働いたとみなせば、極端な話40時間しか働かなくても160時間分の給与が貰えます。逆に200時間働いても160時間しかもらえません。

また、所定労働日の労働時間を一定時間とみなす制度なので、当然ですが休日はあります。

 

ここまで見ると、出退勤の時間を労働者が決められて、しかも労働時間が短くても給与がきちんともらえる良い制度だと思えますよね。

では次に、裁量労働制の問題点を書いていきます。

 

裁量労働制の問題点

裁量労働制にはいくつか問題点があります。今回厚労省が働き方法案の厚労省要綱を掲示したことで問題になっているのも、そのためです。

裁量労働制で一番の問題になるのは「長時間労働」です。

どういうことかというと…

  • 実体とみなし労働時間がかけ離れている
  • 長時間労働が蔓延しやすい
  • 出退勤時間を決める会社がある
  • 休日出勤がおおい

裁量労働制は、労働者が自分の意思で効率的に働き、成果を出すことで評価される制度です。

ですが、労使協定を結ぶ際に実態をきちんと把握しなかったため、実労働時間とみなし労働時間がかけ離れてしまうことがあります。

また、「成果」を出すために自主的に残業をしたり、休日出勤をしたりと労働時間が長くなってしまうという面もあります。

酷いところでは、労働者に任せるべき出退勤時間を会社が決めていて、「残業は労働者の自由」だと身勝手な解釈で運用されていることもあります。

 

営業に適応するとどうなるか

営業として働いた経験から思うのは、客先訪問や企画作成、提案といった「営業」の部分と、見積書の作成や日報などの「事務」の部分が混ざっている限り、裁量労働制は長時間労働を引き起こす原因にしかならない気がします。

逆に言えば「営業」だけに専念できるのであれば、自分で労働時間をコントロールでき、「直行直帰がしやすい」「営業のスケジュールが自分の都合だけで決められる」といったメリットがあります。出かける前に会社に行く必要はなくなりますし、営業が終わってから戻る必要もありません。

会社側から見れば、時間を把握しずらい「営業が会社から出ている時間」をみなし労働時間で管理出来ますから、人件費の無駄が無くなります。

ですが、営業の後会社に戻って「日報」「見積もり」と言ったその他事務処理を行わないといけないのなら、普通に残業代を付けないと労働時間が長くなるだけです。会社にとっては「残業代が発生しない」というメリットがありますが、営業にとってはただ辛いだけの状況になってしまいます。

なので、営業に裁量労働制を適応する場合、「営業」と「事務」の部分を切り分けた上で、実態に沿ったみなし労働時間を設定する必要があります。

裁量労働制で営業が成果主義に

裁量労働制は、労働時間を労働者に委ねることで「成果」で評価する制度です。営業は「成果」を求められる職業ですし、「成果」が分かりやすいので本来「成果主義」があっているはずですよね。

いや、今までも営業は成果主義のはずでしたが、日本では「成果」よりも「過程」を評価してくれる優しい上司が多いので、成果主義がぼやけている企業も多かったはずです。それがはっきりと「成果主義」になるのは、良いかもしれません。ただし、きちんと評価されて、その結果が給与に反映されることが大切です。

そうでないと、いたずらに成果だけを求める環境が出来てしまい、ついていけずに退職する方も増えそうな気がします。

 

最後に

色々書いてきましたけど、結局は労働時間だけ増えそうな気がしますね。

職種による業務の境目がぼやけている会社が多く、純粋に「営業」だけをやっている方は少ないはずです。

となると、裁量労働制を営業に適応すると、仕事の内容は変わらずに残業代が付かなくなり、労働時間が長くなった、と言う方が続出しそうな気がします。


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