職場に嫌いな上司がいると、あなたが思っている以上に、仕事に悪影響を及ぼします。
たとえば意思の疎通がうまくできず、仕事が思うように進まない。
あるいは「何であんな奴に評価されないといけないんだ!」と思うことで、人事評価に納得ができないこともあります。
実際に転職を希望する人の約13%が「上司との関係が悪いこと」を理由にあげているほど、嫌いな上司がいるのは深刻な問題。
でも上司に対して「嫌いだから辞めます」とは言えませんよね。
この記事では「上司が嫌い」「嫌な上司がいる」は退職理由になるのか、退職するときはどう話せばいいのかについて紹介しています。
嫌いな上司がいることで「退職したい」と思ったときに、参考にしていただければ嬉しいです。
Contents
「上司が嫌い」は退職理由になるの?
先に答えを言うと「上司が嫌い」は退職を考えるきっかけになりますが、退職理由にはしない方が無難です。
もちろん、後先考えなければ退職理由にできますよ。
たとえば・・・。
「何の話だろう」
そう思いながら会議室に表れた上司。
待ち構えていたあなたは、上司の顔面めがけて退職届けを投げつけ。
「あんたが嫌いだから今日で会社を辞めます!」
と、啖呵を切って会議室から出ていきます。
立ち去るあなたの背中を見つめ、呆然とする上司・・・。
なんてことが出来たらさぞかし胸がスカ―っとするでしょうね。
でも現実にはとても無理です。
ドラマでもこんなシーンはありません。
よく考えてみてください。
こどものころ周りにいる友達は、みんな気の合う人だったでしょうか?
学生の頃は? 気の合わない人、嫌いな人は一人もいませんでしたか?
きっと一人くらい、気の合わない人や嫌いな人、苦手な人がいたはずです。
今まで出会ってきた友達でさえ、好きな人と嫌いな人がいたのに、社会に出たら好きな人だけになるはずがありませんよね。
なので嫌いな上司がいても何の不思議もないのです。
でも、だからと言って、退職するとき上司に向かって「あんたが嫌いだから」とは言わないようにしましょう。
退職すれば上司と会うことはまずありません。
ですが絶対に出会わないとも言えないのです。
それなのに「あんたが嫌いだ!」と宣言してまで、関係を悪化させる必要があるでしょうか。
「上司が嫌い」は退職を考えるきっかけにはなりますが、退職理由にはしない方がいいのです。
退職する前にやってみること
当たり前のことですが、どの会社に転職しても好きな人もいれば嫌いな人もいますし、気の合う人もいれば合わない人もいますよね。
つまり職場を変えても、広い意味で人間関係の形は変わらない、ということ。
そのため人間関係が嫌で退職する人は別の会社に行っても、同じように嫌な人間関係でつまずく可能性が高くなります。
なので退職届けを提出する前に、上司と関係を良くする努力をしてほしいのです。
そのための方法は次の5つ。
- 目の前の仕事に集中する
- 上司に完璧を求めない
- 上司を好きになる努力をしてみる
- 「ホウレンソウ」を徹底して行う
- 別の部署への異動を希望する
目の前の仕事に集中して働けば、一生懸命働く姿に好感を持ってくれるかもしれません。
報告・連絡・相談をこまめに行う部下は、上司からするとかわいいものです。
上司が目をかけてくれるようになれば、たとえ嫌いな上司でも「目をかけてくれるから」と許せるかもしれません。
好きになる努力をすれば、ひょっとすると好きになれるかも・・・しれません。
とはいえ何をやっても嫌いなものは嫌い、かもしれませんが・・・。
でもまずはできることをやってみて、それでもだめなら異動願いを出しましょう。
部署が変われば上司も変わります。
距離が離れれば「嫌い」という感情も消えるはずです。
退職を考えるのは、手を尽くしてからでも遅くありません。
ホンネとタテマエは使い分けて
あるアンケートによると、退職理由として会社に伝えた内容は「家庭の都合」が一番多かったそうです。
ところが本当の退職理由を尋ねるアンケートでは、「職場の人間関係」が一位でした。
この結果からわかることは、退職理由で本音と建前を使い分けている人が多い、ということ。
その証拠として、会社に本当の退職理由を言えなかった理由は「円満退職をしたかった」が一番多かったのです。
本当は、
「あんたと一緒に仕事なんて出来るか! 辞めてやるわ!」
そう言って退職したかったかもしれません。
そう言えれば気持ちはスッキリしますよね。
でも冷静になって考えてみてください。
次の職場に行ったら今の上司がお客になるかもしれません。
自分の子供と上司の子供が同級生になる可能性もあります。
あるいは奥さん同士が同じ職場になることも考えられるのです。
出会う可能性が低いとしても、人の縁はどこでつながるかわからないもの。
ムダに関係をこじらせるよりは、家庭の都合や一身上の都合などを理由にして、揉めないようにした方がいいですよね。
嫌いな上司でも「ご相談があります」とアポを取る
実際に退職届を提出するときは、嫌いな上司に話すのが嫌で、上司の上司に話をしたくなることがあります。
ですがこの行為は上司の顔を潰しているようなもの。
下手をすると退職日まで色々な嫌がらせを受けるかもしれません。
実際に退職を決めてから「無視された」「突然仕事が無くなった」などの嫌がらせを受けている人がいます。
なので余計な波風を起さないためにも、退職届は直属の上司に手渡しで提出しましょう。
と言っても…いきなり上司の机の前に立って「これお願いします」と、退職届を渡さないでくださいね。
まずは「〇〇課長、ご相談したいことがあります。少しお時間を頂けないでしょうか?」とアポを取ってください。
このとき「ご報告があります」はNGです。
退職の意思がダイヤモンドよりも堅く固まっていたとしても、「報告」ではなく「相談」にする方が、相手への敬意を表現できます。
あとは退職届を提出し理由を上司に話すだけ。
間違っても「あんたが嫌いだから辞めます」とは言わないでください。
「上司が嫌いだから」と言って辞めた人はいる
ぼくは「上司が嫌いだから」と言って辞めた人を何人か知っています。
みんな同じ上司に対して、「この人とは一緒に働けない」と言って辞めていきました。
この話は当時の社長から聞いたのですが、退職の原因となった上司は営業部長だそうです。
営業部長は当時営業部にいた社員全員が、「営業部長が嫌い」で退職したという伝説を持っています。
「営業部長が転勤してくるのなら辞めます」
「あの人とはとても一緒に働けません」
などなど・・・。
話を聞くと、営業部の社員は営業部長からものすごい嫌がらせ(部長は嫌がらせをしている自覚がない)を受けていたようで、我慢ができなかったのでしょう。
ですがこれだけ周りから色々言われた営業部長も、結局定年まで勤めています。
つまり何が言いたいのかというと。
「あの人とは一緒に働けない」と複数の人に言われた上司でも、定年まで処罰なしで勤めています。
つまり退職するときに「あいつが嫌いだから!」と爆弾をおとしても、癇癪玉ほどの威力もないのです。
せめて最後に一矢報いたい、という気持ちもあるかもしれません。
ですが相手にあたる前に風にあおられて落ちるだけですから、「立つ鳥跡を濁さず」を基本に円満退職をしてください。
嫌いな上司のために汚点を残すなんて、バカバカしいですよ。
退職前に次の仕事を見つける
「上司が嫌い」で退職するのは構いませんが、次の仕事が見つかっていないのは大問題です。
また「上司が嫌い」で退職した場合、転職先の志望動機を考えるのも一苦労ですよね。
「上司が嫌いで退職しました。御社では今までの経験を生かして頑張ります」
そんな志望動機で採用してくる会社はまずありません。
なので在職中に転職活動を始め、辞めるときは次の仕事を見つけていることが理想です。
とはいえ在職中の仕事探しは、時間を作るのが難しくなかなか思うように進まないもの。
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本気で転職を考えている全ての方におすすめです。
まとめ
「上司が嫌いだから」は退職を考えるきっかけにはなりますが、退職理由にはしない方が無難です。
退職理由は家庭の都合や一身上の都合にして、円満退職を目指しましょう。