
「転職なんて現実から逃げているだけだ! 世の中そんなに甘いものじゃない!」
そう、ひげを生やした偉そうなおっさんが吠えている絵が頭に浮かんできます。
「逃げの転職は成功しない」と言う言葉もあるくらいですから、逃げる事に対して、相当悪いイメージがあることは確かなようです。
さて、転職は本当に逃げなのか? 逃げの転職は成功しないのか?
そんな事はありません。逃げの転職でも成功しますし、成功した人は大勢います。
その理由を説明しますね。
転職理由のほとんどは「逃げ」
逃げの転職でも成功する理由で一番大きいのが「転職理由はほとんどが逃げ」だということです。
そして、面接で話す退職理由では「逃げた原因」を話さずに、言い方を変えているのです。
良くある転職理由をあげましょう。
- 給料・待遇への不満
- 納得がいかない評価
- 労働条件への不満
- 人間関係の悪化
- 望まない異動
- 会社の将来が不安
おそらく、ほとんどの人の転職理由にあてはまるはずです。
「給料が少なくていやだから別の会社に行きたい」「きちんと評価されないから転職したい」「会社の将来が不安だから、将来性のある会社に行きたい」等々。
結局今に不満や不安があって、その不安や不満から「逃げる」ために転職を考えている。だから、転職理由のほとんどは「逃げ」なんです。
「逃げ」か「前向き」かは、言い方を変えただけ
気持ちが前を向いているか後ろを向いているかの違いだけです。もっと言えば、言い方を変えれば「逃げ」も「目的」になります。
「給料が少なくて嫌」で辞めるのは逃げです。「もっと稼げる仕事をするぞ!」だと目的になります。
「評価が低くてやる気がしない」から辞めると逃げです。「自分のスキルを活かせる仕事がやりたい」だと目的になります。
たったこれだけのことです。
逆に言えば、「もっと経験を積むためにほかの会社に転職しよう」とキャリアアップが目的だ!言っている人も、心の中には不満が渦巻いています。
え?なぜかって?
最近は転職についての議論も増えたことで、一般的になりつつあります。
ですがまだ日本は終身雇用、つまり一つの会社に長く勤めるのが良いとされていますよね。
なので、今の待遇や給料に不満が無ければ「もっと経験を積むために転職」などと考えません。「もっと上」を望むのは「今に満足できない」からでしょう。
つまり、転職の理由が「逃げ」か「目的」かは、言い方を変えただけのことなのです。
「逃げの転職は成功しない」と言われる理由
「逃げの転職は成功しない」と言われる理由は、気持ちが後ろ向きだと感じるからでしょうね。
退職するときに「今の仕事が嫌で辞めたい」と伝えれば、「そんな気持ちで転職しても上手くいくはずがない」そう言われます。
さらに面接で「前の職場が嫌で」などと不平不満を並べられたら採用する側も嫌になります。
やる気のなさそうな人を採用するくらいなら、もっとやる気のある人を採用したいと考えるのが普通でしょう。
だから「逃げの転職は成功しない」と言う人が多いのです。
「この会社では実力が出せない」「上に押さえつけられ成長することが出来ない」などと、どんなかっこいい理由をつけても言葉の裏には「今の会社が嫌だ」と言う気持ちがあります。
その気持ちを前面に出すから「逃げの転職は成功しない」と言われるのです。
転職の成功は「不満を解決」すること
転職で成功したと言えるのは、今抱えている不満を解決した時でしょう。
給料が少ないから転職するのなら、転職して給料が増えればそれは成功と言えます。
人間関係や評価、将来なども、転職して解決することが出来れば、それは成功でしょう。
何に不満を感じて、どうして転職しようと思ったのか。
この事を深く考えることで、転職する際に重要視すべき項目が決まります。
そしてその不満を解決出来る会社を探し、転職できれば「逃げの転職でも成功した」ことになりますよね。
仕事探しは転職エージェントを利用する
逃げの転職でも成功する理由は、ハローワーク以外にも仕事を探す方法があるからです。
ハローワーク一本で転職活動をすると、なかなか不満を解決するのは難しい。
面接の時間もありますし、ハローワークに行ける時間も限られます。なにより情報がハローワークだけと言うのは、ちょっと心もとないですよね。
今はインターネットを利用して、転職サイトや転職エージェントを利用することができます。
転職サイトに登録しておけば、求人情報を集めることができますし企業から面接のオファーが来ることもあります。
転職エージェントには直接希望を話すことで、それに合った求人を紹介してもらうこともできます。
こう言ったサービスが存在することで「逃げ」でも転職は成功しやすくなっています。
転職は逃げなのか?
今の会社が嫌で、別の会社を探すと言う意味では「逃げ」でしょうね。
前向きな理由で転職する人も少ないでしょうし。
でも別に逃げでいいのです。嫌なことを我慢する必要はないでしょう。
今嫌だと不満に思うことが自分の努力やあるいは時間で解決出来るのなら、転職する必要はありません。
でももし、この先ずっと解決する見込みがないのなら、さっさと転職するべきですよ。
逃げだって言われてもいいじゃないですか。
この先何年も、何十年も我慢する事に比べたら、いっとき「逃げ」たと言われるくらい屁でもありませんよね。