東京都在住の30代女性で、離婚を機に転職活動を行った時の体験談。
最初はパートから正社員を目指したのですが、事務職のブランクと年齢が足かせとなり断念。
でも生活して行くために、まずは派遣社員として働くことを選んだのです。
扶養の範囲内で働いたパート時代
結婚していた当時は扶養内で働く必要があり、学生時代に飲食店でアルバイトをしていたので、その経験を活かそうと飲食店を選びました。
扶養内で働くと1年間に稼げる金額が決まっていますから、1日4時間、週に3日くらい勤務していましたね。
勤務先はラーメン店でしたので、メニューの種類も少なく、覚えることといえばトッピングやサイドメニューのことだけ。
飲食店で働くと問題になりやすいレジでの金銭トラブルも、券売機を設置しているお店で金銭の取り扱いがなかったので、ほとんどありませんでした。
一緒に働いている方も主婦で、お互い似たような環境だったので会話も弾み、とても働きやすい職場だったのを覚えています。
ラーメン店以外には、個人で経営している定食屋でも働いたこともあります。
自宅から近く利便性がよく、女将さんにもよくしてもらいました。時給は1000円くらいでしたが、忙しい飲食店で常にバタバタと働いていました。
この定食屋はメニューの数が少なく、日替わりが二種類と、うどんの単品だけを扱っていたので、覚える点では苦労しませんでした。
このころは扶養の範囲内で働くことを意識していたためか、勤務時間に融通が利いて経験のある仕事を探すと、どうしても飲食店になってしまいましたね。
離婚をきっかけに正社員を目指す
わたしが職を変えることを決めたきっかけは離婚です。
5年間の結婚生活で婚姻期間中はずっと扶養に入れてもらいましたが、離婚後は一人暮らしになるため、生計を一人でたてなければなりません。
生計を立てるためにはどうしてもフルタイムで、正社員として働きたいと思いましたが、5年間の結婚生活の中で専業主婦の時期もあり、自分が本当にフルタイムで働けるのかとても不安がありました。
とは言え誰かが助けてくれるわけではありません。生きていくためにはやるしかないので、インターネットや求人誌を活用し就職活動を行いました。
まず面接を受けた会社は、依頼された会社のホームページをSEOに特化し宣伝するという会社。
具体的には、依頼された会社のホームページを、多くの人に見てもらえるように会社を紹介する記事を書くこと。
紹介する記事をたくさん書くことで、インターネットで検索した時に一番上の欄に表示されるようにするのです。
記事を書くことは好きだったので、それを仕事にできるといいなと思い応募しました。
面接は滞りなく終わりましたが、結果は不合格。
不合格の理由は教えてもらえませんでしたが、冷静に考えてみると当時はまだ住む場所も決まっておらず、働くことへのブランクもあります。
さらに企業に入り記事を書いた経験がないことから不合格になったのではないか、と考えています。
パートから正社員は厳しい。諦めて派遣を目指す
そこでいきなり正社員の面接を受けるのは諦め、結婚前に登録していた派遣会社から仕事を探すことにしました。
「たった1社で諦めたの?」と思うかもしれませんが、生活していかないといけませんので、まずは仕事に就くことを選んだのです。
派遣会社は職歴や資格などを1回登録しておけば8年保管してくれるシステムがあり、連絡をすると仕事を紹介できると言ってくれました。
派遣会社を利用することにより、就職したい会社に提出する職務経歴書や履歴書をその都度書かなくてよいというメリットがあります。
職務経歴書は派遣会社が準備してくれて、面接にも同行してくれるので安心感があるのです。
わたしは独身時代に登録していた2つの派遣会社を利用し、就職活動をはじめました。
派遣会社の方からは「ブランクがあるので、独身時代に働いていた事務職の経験を活かして職を探した方がよい」というアドバイスをもらい、事務職に絞り職を探すことに。
何社か紹介して頂きましたが、会社が自宅から距離がある、残業時間が多いところばかりで、体がもつかどうか不安を感じ、断りました。
また派遣会社でも「ブランクがなければ紹介できる」という企業が多かったようです。
パートとして働いていた期間があっても飲食店でしたから、事務として働くときにアピールできるポイントがありません。さらに仕事を探した時期も11月で、ちょうど求人の数が少ない時期だったようです。
転職活動をしている間は、早く仕事を決めて生計を立てていかないとどんどん貯金が減っていってしまうという不安との戦いでした。とは言え中途半端に仕事を決めてしまうと後悔するかもしれません。
とにかく仕事が見つかるまで根気よく続けるしかないので、派遣会社からの勤務先紹介を待つのと並行して、自分でもインターネッとを利用して仕事を探していきました。
紹介は30社を超えたけど面接は3社だけ
派遣会社から紹介された企業は30社以上を超えていたと思いますが、面接に行ったのはたった3社です。
1社目は、名目は事務職でしたが主だった仕事は書類整理だけ、電話応対すらありません。
社内にはフロアに40人ほど従業員がいて、部署ごとにパーテーションでくぎられていました。
わたしが配属される予定の部署は10人程度で全員女性、社員は一人だけでしたね。
書類整理は、ファイルに資料をしまうというような作業ではなく、得意先に渡す資料一式をセットするという作業です。
透明のファイルに一枚ずつ数種類の書類をいれていくという作業を、皆もくもくとしていました。
わたしは同じ作業を繰り返し行うことが苦手なので、この作業を1日8時間するのは難しいかなと思いお断りしました。
2社目は珍しい仕事で、古い地図を現在の長さや単位に整えるという内容でした。
古い地図は単位が「寸」になっているので、これを「メートル」や「センチメートル」に修正していきます。
修正する際は、線1本ごとに決まった形式があり、形式を調べた後に現在の長さの線を引いていきます。
作業はパソコン上で行いますが、一人に画面が2つ与えられていて、一方が古い地図でもう一方が新しく作製する地図が表示されていました。
大変細かい作業でひとつ間違えば全体が徐々にずれていってしまいます。
とにかく慎重に、丁寧に、作業していく必要がありました。
こちらの企業も電話応対はなく静かな職場。フロアには50人近くの従業員がいましたが、クリックの音が聞こえるほど静かで、一人一人が自分の作業に没頭していました。
この職場で働くことになったら1日誰とも話さない日もありそうだな、と思いましたし、また細かい作業が得意ではないためお断りさせてもらいました。
3社目は電話応対が8割で雑務が2割という仕事内容。
常にインカムをつけていて、お得意様からかかってきた電話を営業担当者へ引き継ぐことがメインの仕事になります。
これならわたしにもできそうかなと思いました。
2割の雑務はフォーマットへの入力やコピー取りです。また残業もほぼなしで自宅から近いこともあり、この企業で働くことに決めました。
一人暮らしをする家が決まってから1カ月半でやっと仕事が決まり一安心。でも一人でやっていけるのかという不安は残っていました。
周囲の反応
両親は離婚すれば地方にある実家に帰ってくるだろうと思っていたみたいで、何度も帰ってくるように説得されましたね。
でも地方は求人の種類や数が東京に比べると少ない。もし地方に戻っていたら、アルバイトとして働くしかなかったかもしれません。
アルバイトは厚生年金をかけてくれる企業が少ないため、将来が心配ですし時給も安いです。
下手をしたら父親の扶養に入っていたかもしれませんでした。
わたしは親のすねをかじるのが嫌で、自立して生活していきたかったので東京に残ることにしました。
でも両親は心配だったのでしょう。
何度も何度も帰ってくるように言われましたが、自分で生活していきたいことを話し、何度も話し合いを行い、なんとか両親を説得することができました。
仕事が決まって良かったこと、悪かったこと
仕事が決まってよかったことは自立できている、という自信につながっていることです。
一緒に働く方は優しく接してくれますし、いろいろな方と出会えることがメリットだと思います。
またフルタイムで働くことにより厚生年金をかけられるようになったこともメリットです。
結婚しているときは国民年金のみだったので老後が不安でしたが、厚生年金をかけられるようになったことで少し将来への不安がやわらいでいます。
職が決まって悪かったことはお金に余裕がなくなったことです。
派遣社員なのでボーナスはありませんし、なかなか時給があがることもありません。
しかも就職した企業は土・日・祝日休みなので、祝日が多い月は自動的に給料が少なくなってしまいます。
少ない給料でどうやりくりするか、生活費の管理で苦労しています。
30代の職探しは難しい
やはり30代での職探しは難しいと感じました。
職を変えようと思えば、それなりのスキルや経験が必要です。
今思えば結婚していた5年の間に、なにか資格や技術を学んでおけばよかったな、と後悔しています。
今は安定していても、将来なにが起こるか分かりません。結婚しても数年で離婚してしまうこともあります。
その時もし30代だったら・・・。
誰にも負けないスキルとまではいいませんが一般的なスキルはもっていて当然、というのが30代なのかなと感じています。
わたしはこのまま派遣社員ではいられないと思っているので、働きながらスキルを磨き、一般的な資格を取得していきたい。
まずは事務職で役に立つエクセルとワードの資格が取得できるように勉強しています。
最後に
転職は時間とお金が必要になってきます。
思い通りに仕事が決まる保証はないので、十分な貯蓄が必要だと感じました。
転職先を探すのは仕事をしながらの方がおすすめ。転職先が決まってから退職すればいいのです。
焦る気持ちもありますが、退職して仕事探しをはじめると時間の無駄遣いになってしまう可能性があります。
企業の就職試験を受けたからといって、次の日に合否がでる企業は少ないのです。
合否がでるのを待つ間の時間が非常にもったいないですし、その間は無収入になるので不安になり自然と焦ってきます。
焦って入社する企業を決めてしまい、前職のほうが待遇もよかったし、やりがいもあったなど後悔してしまっては意味がありません。
また新しい職場が見つかり働き始めても、給料が入ってくるのは1カ月も先のこと。しっかり計画を立てることが大切だなと感じました。