仕事を休む理由として「一身上の都合」を使う方が、ごくまれにいます。
ですが、「一身上の都合」を休む理由として使うと、世間知らずとして恥をかくことになります。
なぜなら「一身上の都合」は「退職理由」として使うものであり、欠勤や有休の理由としては不適切だからです。
この記事では「一身上の都合」の意味と、休みを取る際の理由について紹介しています。
一身上の都合の意味
一身上の都合とは「個人的な都合」という意味で使われます。
個人的な都合とは次の意味を含むようです。
- 結婚・出産
- 転職
- 家族の介護
- 引越
- 理由はない
- 病気・ケガ(労働中でない場合)
- 資格取得
- 勉強がしたい
つまり「会社とは関係のない個人的な理由」で、「詳細を話したくない」あるいは「話す必要がない」場合に「一身上の都合」とします。
また「一身上の都合」は退職理由として使われることが一般的です。
退職理由以外で「一身上の都合」を使うことは、まずありません。
欠勤や遅刻・早退の理由
欠勤や遅刻・早退の場合、「一身上の都合」は使いません。
なぜなら「一身上の都合」は「詳細を伝えたくない」場合に使う言葉だからです。
欠勤や遅刻・早退は、会社が欠勤や遅刻・早退する理由が正当かどうかを、就業規則に照らし合わせて判断し、許可するものです。
それなのに「詳細は言えないけど休みます」は、明らかにおかしいですよね。
では欠勤や遅刻・早退の理由は、どう伝えるべきなのでしょうか。
遅刻の場合
出勤時間に間に合わないとわかった時点で、会社か上司に連絡を入れます。
その際次のことを報告してください。
- 今いる場所
- 遅れる理由
- 出社できる時間
- さらに遅れる場合は連絡する旨
「寝坊」など不注意による遅刻の場合は、理由を正直に話しましょう。
ウソをつくと後々の人間関係がギクシャクします。
また当日に突然遅れる場合も、出来る限り正直に話すべきです。
ですが「突然の来客」や「寄らないといけない場所ができた」の場合、正直に話しづらいこともありますよね。
そういった場合は「急用のため」あるいは「私用のため」と伝えることもできます。
ただし会社によっては「急用」や「私用」を認めないこともあります。
もし認められない場合は、正直に書くようにしましょう。
また出社したら「遅刻届け」を提出しますが、そこには「連絡した内容と同じこと」を書くようにしましょう。
問題があれば上司から何か言われます。
遅刻の言い訳
- 財布を取りに戻っていた
- 途中で人助けをしていた
- 同居する家族の体調が悪かった
- ペットの元気がなかった
- 頭痛のため
- 腹痛のため
- 渋滞のため
- 自動車(自転車)のパンク
早退の場合
早退する場合は次の理由で報告しても構いません。
- 私用により(私事都合)
- 家事都合
ですが間違いなく早退する理由を聞かれますので、当たり障りのない範囲で正直に話すことが大切です。
早退の言い訳
- 冠婚葬祭
- 町内会の行事
- 役所まわり
- ガス・水道の点検
- 家族の体調不良
- 自分の体調不良
欠勤の場合
突然欠勤する場合は、忘れずに会社へ連絡を入れてください。
その際に伝えることは…
- 休む理由
- 休む日数
- 分からない場合は後日連絡する旨
欠勤の場合は突然仕事を休むことになるので、きちんと事情を話すことが大切です。
ただし言いにくい理由の場合は、当たり障りのない範囲で報告するようにしてください。
欠勤の言い訳
- 冠婚葬祭
- 町内会の行事
- 役所まわり
- 家族の体調不良
- 自分の体調不良
有休を取得する際の理由
有休を申請する際は、特に理由を報告する必要はありません。
が、会社によっては理由を求めてくるところもあります。
その場合に使えるのが「私事都合」「家事都合」です。
私事都合とは
私事都合とは、「個人的な都合」「私用」という意味です。
個人的な都合なので、遅刻や早退、欠勤でも使える理由です。
家事都合とは
家事都合は、「家庭的な都合」という意味です。
遅刻や早退、欠勤でも使える理由ですが、なぜか「家事」は「理由にならない」というイメージがあるようです。
掃除や洗濯をイメージするようですね。
理由としては十分ですが、笑われることもあるのでご注意を。
冠婚葬祭はそのまま描く
会社によって範囲が異なりますが、親族の冠婚葬祭は「慶弔休暇」の対象となります。
なので冠婚葬祭で休む場合は「私事都合」とはせずに、そのまま書いてください。
「祖父・祖母・父・母」なども忘れずに記入すること。
やましい理由ではありませんし、慶弔見舞金の支払いもあるので、隠す必要はありません。
最後に
欠勤や遅刻・早退は、労働契約上働くべき時間を、労働者の都合で短くする行為です。
そのため「個人的な都合」で「詳細を話したくない」ときに使う、一身上の都合を理由にすることはできません。
欠勤や遅刻・早退をするときは、会社にきちんと理由を説明し、許可を取るようにしましょう。