転職を繰り返すと再就職が難しくなるというのは、昔から当たり前のように言われてきたことです。
なぜ転職を繰り返すと再就職が厳しくなるのでしょうか。
実は「転職を繰り返した」だけで再就職が厳しくなることはありません。
再就職が厳しくなるのは、「短い期間で何度も転職を繰り返した」からです。
この記事では転職を繰り返すと再就職が厳しくなる理由を、できるだけ詳しく解説しています。
転職の回数が少ないほうが良いという考え方
転職の回数が少ないに越したことはありません。
なぜなら日本では、いまだに「転職する人=我慢が足りない人」として見る傾向があります。
この傾向は、一度就職すれば定年まで働き続けるのが当たり前だった、終身雇用制の名残とも言えます。
終身雇用が当たり前だった時代では、転職する人は何か特別な事情があるか、問題を起こした人、もしくは我慢が足りない人が多かったのでしょう。
- 会社に入ったら定年まで勤めるべき
- 転職をすると社会的な信用がなくなる
- 会社は辞めずに続けるもの
そんな考え方がまだ残っている会社も実際にあるのです。
だからこそ転職を何回か経験した人は、「転職を繰り返すと就職できなくなるって本当ですか?」と聞いてきます。
人によっては親から「転職すると再就職できなくなる」と言われることもあるようです。
「転職する人=我慢が足りない人」という考え方が根強く残っていることが、転職回数は少ない方がいいと言う考え方につながっています。
勤めた期間でも判断される
「転職する人=我慢が足りない人」と言う考え方は、1つの会社にどのくらいの期間勤めたか、でも判断されます。
とくに転職回数が問題になるのは、1つの会社に勤める期間が短い場合です。
例えば…
- 1年で3回転職したAさn
- 20年で3回転職したBさん
…の2人が書類選考にかけられた場合。
1年で3回転職しているAさんは、「我慢ができないと」と判断され、書類選考で不採用になります。
ですがBさんの場合は、すんなり書類選考を通るのです。
AさんとBさんの違いは、1つの会社に勤めた期間です。
Aさんは1年で3回転職していますから、1番長く勤めた会社でも1年未満ですよね。
逆にBさんは20年で3回の転職ですから、3で割っても6年は1つの会社に勤めていることになります。
1年未満で転職を繰り返す人は「こらえ性が無い」「飽きっぽい」と言う評価を受けますが、6年間1つの会社に勤めていれば、「何か事情があって退職した」と考えてもらえるのです。
再就職が厳しくなる理由は転職回数だけじゃなく、1つの会社に長く勤められないことも関係しています。
転職を繰り返す理由にもよる
転職を繰り返すと再就職が厳しくなるのは、転職を繰り返した理由も関係しています。
例えば人の入れ替わりが激しいIT業界では、5回や6階の転職は当たり前、人によっては10回以上転職している方もいるのです。
「転職=我慢のできない人」で考えれば、10回も転職をしていては、再就職できなくなります。
でも10回転職していても、ちゃんと次の仕事が見つかるのです。
なぜ10回も転職しているのに次の仕事が見つかるのか。
なぜ10回も転職しているのに次の仕事が見つかるのでしょうか。
その理由の1つは、もともと人の入れ替わりが激しいIT業界で働いていることがあげられます。
もう1つの理由は転職で職が変わることがなく、キャリアアップしたいと言う前向きな理由があったことです。
IT業界では興味の持てる仕事、やりがいのある仕事を求めて転職することが、ある意味当たり前になっています。
例であげた10回転職した人も、職場は変わっても仕事内容は変わらず、スキルと経験が磨ける環境を求めて転職していました。
その結果、転職回数が増えることと比例して、経験やスキルも磨き込まれていき、プロとして仕事ができるようになっていたのです。
ポジティブかネガティブか
つまり転職回数が増えたとしても、キャリアをきちんと積み、転職市場で求められる経験やスキルを身につけていれば、影響は少ないと考えられます。
ということは、転職回数が再就職に影響を及ぼすのは、理由がネガティブだからともいえるでしょう。
ポジティブなら悪い印象になりにくい
先ほどの10回転職をした人のように、仕事にやりがいを求めて転職を繰り返しているのなら、転職理由はポジティブになります。
次の仕事を探すための面接でも、退職理由や志望動機をはっきりと答えることができるでしょう。
人事担当者としても自分自身を成長させるための転職であれば、好意的に受け止めるはずです。
ネガティブな理由は採用されにくくなる
でも転職理由が「仕事が面白くない」「やりがいがない」「やりたくない」などのネガティブなものだったら。
最初に紹介したように、「転職=我慢のできない人」の構図が当てはまってしまうのです。
ネガティブな理由で転職を繰り返す人は、採用してもすぐにやめてしまうのではないかと思われます。
仕事を教えても覚えないかもしれませんし、ちょっとしたことで退職してしまうかもしれません。
となると、採用は見送ろうと考えることが普通ですよね。
転職を繰り返すと就職できなくなるのは、退職理由がネガティブな場合が多いのです。
まとめ
転職を繰り返すと再就職が厳しくなる理由は…
- すぐに辞めてしまいそう
- 利益に貢献しそうにない
- こらえ性がなさそう
…だと思われるからです。
逆に言えば…
- キャリアプランがしっかりしている
- 転職で必要な経験やスキルを身につけている
- 転職理由が前向きである
…という方は、転職回数が増えても再就職で困ることは少ないと、考えることができます。
ただし困ることは少ないだけで、困らないわけではありません。
最後に
転職を繰り返すと、本当に再就職に影響が出るのかを考えてきました。
はっきり言って転職回数が増えれば再就職に悪影響がでます。
なぜなら人事担当者の中には「書類選考を通過する転職回数は3回まで」と、明言している方もいるからです。
ですが一貫したキャリアがあれば、転職回数をはねのけて採用されることもあるでしょう。
とはいえ思わぬ苦労をしないためにも、転職は必要な時だけにしたほうがよさそうです。