あなたには困った時に助けてくれる人はいますか?
もしいるとすれば、あなたはすごく幸せな人です。
なぜならぼくは、困ったときに助けてくれる人はいないと考えているから。
結局最後に頼れるのは自分だけ。
どんなに困っても、どんなに追い込まれても、自分で自分を助けて、乗り切るしかないのです。
責任から逃げるのが人の自然な行動
今の会社に入社して学んだこと、一番強く思ったことは「頼れるのは結局自分だけ」と言うこと。
信頼できる人なんてどこにもいませんし、誰でも自分が一番かわいいんです。
問題が発生すると逃げる管理職
今でも覚えているのが、新規製品を受注した時のこと。
初めての製品だったので受注する前に、図面や3Dデータを確認し製造部長に相談しました。
すると製造部長は図面を確認。
この精度で問題なく製作出来ると教えてくれたのです。
製造部長の言うことですから、当然僕もその言葉信じ、お客に「製作可能です」と回答を入れました。
ところが、製品が出来上がって寸法を検査すると、図面の精度に収まっていません。
なぜ寸法が外れているのかを製造部長に確認したところ、お客様に使ってもらえないか確認してほしいと言われます。
慌ててお客に連絡を入れると、「原因を確認してすぐに再製作してほしい、次の工程があるから納期には間に合わせてほしい」と言われました。
納期は週明けの月曜日。
実働で2日しかなく、再制作する時間もありません。
とにかく焦ってしまい、製造部長と共に現場の管理者へ相談したところ、突然現場の管理者が怒り出します。
なんと図面の精度で製作することは不可能だというのです。
しかも作り直しても絶対に精度に収められないといって、さじを投げてしまうじゃないですか。
その言葉を聞いた製造部長は、「現場が無理だと言っているなら無理だな」といって、さっさとどこかに行ってしまう始末。
その後その話にかかわる人はいなくなり、相談しても無視されました。
作れると言った製造部長にも無視されたんですよ。
今なら完全なパワハラですよね。
お客さんは怒っているし、現場も製造部も対応しようとしない。
結局僕一人取り残され、右往左往しながら対策を考え、色々な寸法測定の方法を試し、休日返上で出社して、泣きそうになりながら手を加えお詫びをして、解決したのですが…。
この時に、この会社の人の言うことは絶対信じちゃいけないと言うことを学びました。
クレームの電話に「いないって言っとけ」
また、上司の指示通りに動いたらお客に激怒されたこともあります。
指示された通り動くまで、何回もやり方を変えませんかと相談したんですけどね。
「さっさと言われた通りにやれ!」と怒られたので、仕方が無く指示通りにやったら、ここでは書けないほど恐ろしい結果に…。
「上司を出せ!」と言われたので、「言われた通り連絡したら激怒されています」と報告し、代わってもらおうとしたら「いないって言っとけ」と言われて・・・・・・あっという間にどこかに逃げて行きました。
責任からは逃げるのが当たり前
これは後から学んだことですが、人は押し付けられる責任から逃れようとします。
上で紹介した2つの事例も、まず部下に責任がのしかかり、その責任が製造部長や上司に移動しようとしていますよね。
つまり部下から責任を押し付けられていると感じているのです。
すると途端に責任から逃れたくなります。
部下の責任を負うことに、「意義」や「意味」「目的」が見いだせないと、途端に苦しく辛いものに代わってしまうのです。
問題の発端が管理職や上司にあるとしても、行動したのは「部下」ですから、部下が責任を取るべきだと考えている、とも言えます。
上司の態度は周りにも伝染する
管理職と言われる人たち全員が、自分のやっている仕事に責任を持とうとしない会社です。
当然その態度は他の管理職や部下にも伝染します。
まず、言われたはやるが言われていないことは一切やりません。
しかも「出来る」と言ったことが、翌日には「出来ない」になるのは日常茶飯事です。
その上問題を起こすと「じゃーどうしろって言うんだよ!」と逆切れする人までいます。
逆切れを中止するとさらに怒り出しますし、上司がとがめることもありません。
そしてやるべきことをやらなかった時は、「そんな話は聞いていない」と逃げる。
不具合が発生すれば逆切れしお客が悪いと言いだす。
まぁ、見事なくらいそんな人たちが揃っています。
「類は友を呼ぶ」と言いますが、正にその通りなんだなと、身をもって知りました。
自分の身を守るためにできること
責任から逃れようとする人が集まった会社で生き残っていくために、ひとりでもできることがあります。
それは「問題になることはやらない」こと。
考えてみれば当たり前のことですよね。
問題が起こらなければもめることも、クレームを受けることもありません。
そのためにぼくが取った行動は、検査部門でNGになったケースをしらべる、です。
面白いもので、NGになるケースを調べていくと、一定の法則を見つけることができます。
そしてその法則に当てはまる仕事を受けるときは、事前にNGが一定数出ることをお客さんに伝えています。
つぎに現場の担当者に相談すること。
誰よりも詳しく商品について知っているのは、現場の管理者ではなく担当者です。
担当者に「できるかどうか」を聞けば、だいたいわかります。
そしてその話を経験として身につけ、商品に関する知識を深めていきました。
つまり「問題が起きると皆が逃げるんであれば、問題が起きないようにすればいい」を、徹底してやったんです。
上司の指示は内容をよく考える
残った問題は上司が下す適当な指示です。
はっきり言って上司の指示通りに行動すると、9割の確率でクレームになります。
というかぼくはなりました。
なので上司に仕事の報告はしますが、指示は極力受けません。
もし指示されたとしても、本当に指示通り動いて良いのか、最悪の結果を考えてから動くようにしています。
あるいは「なぜその指示なのか」「どんな結果が欲しいのか」を上司に確認し、求めている結果が出るように自分で考えて行動します。
なぜなら上司とぼくは別の人間だから。
別の人間である以上、上司のやり方があっているとは限らないからです。
自分の身は自分で守る
他にも数え切れないほどひどい目に合っていますが、結局最後に頼れるのは自分だけだって事です。
誰かに助けてもらおうと思うと痛い目にあいます。
上司の指示だとしても、最後にケツを拭くのは自分です。
上司は拭いてくれません。
だったら最初から自分で考え、自分で動いた方が楽ですし、問題が起きたとしても対応がとりやすい。
それが出来る職場なら、そうするべきです。
自分の身は自分で守る。
考えてみれば当たり前のことですね。