雇用形態以外で正社員と派遣社員にある違いは次の2つ。
- 責任の範囲
- 会社からの期待
この記事では正社員と派遣社員の違いについて紹介しています。
正社員として働くとは
まず正社員として働くことについて考えます。
会社が期待すること
会社が正社員に期待するのは主に次の5つです。
- 成果を出すこと
- 待遇に応じた責任を果たすこと
- 臨機応変に対応できる柔軟性
- 積極的に様々な仕事に取り組む姿勢
- 仕事の改善、効率化の提案
この5つを一言にまとめると次のようになります。
- 会社が存続し、継続して成長するために全力で仕事に取組み、結果を出すこと
これが、会社が正社員に期待していることです。
責任の範囲
正社員の責任は待遇とポジションによって変わります。
その内容は、概ね次の通り。
- 売上
- 利益
- 経費
- 育成と成長
- 行動と結果
- 職場の環境や人間関係
- 取引先との関係
- 仕事の進捗状況
基本的に正社員が背負う責任の内容は「担当者」も「管理職」も変わりません。
ただし責任の範囲、つまり重さが異なってきます。
リーダーや係長になれば、部下の行動や言動にも責任が及びます。
もちろんチームや係の売上や経費などにも、責任を持たないといけません。
課長や部長であれば、その範囲はさらに広くなります。
派遣社員とし働くとは
次に派遣社員をして働くことを考えます。
会社が期待すること
派遣先の会社が、派遣社員に期待することは1つだけです。
- 与えられた仕事をそつなくこなすこと
派遣社員はほとんどの場合、やるべき仕事が決まっています。
教育を受けたり、改善や提案をすることもありません。
人手不足を一時的に補うために採用されることが多いので、「問題なく仕事をこなす」ことが重要視されます。
責任の範囲
派遣社員が負うべき責任は次の1つだけです。
- 与えられた仕事の範囲内
やるべきことが限定されているため、与えられた仕事の範囲内だけ責任を持つことになります。
つまり派遣社員の責任は「契約した仕事の内容」で異なります。
工場の流れ作業であれば、担当している部分にだけ責任を負うべきです。
ですが「プロジェクトリーダー」の仕事を契約したのなら、プロジェクトの結果にも責任を負う必要があります。
そのため派遣社員が負う責任は「与えられた仕事の範囲内」になります。
正社員と派遣社員の違い
雇用形態を除けば、正社員と派遣社員の違いは次の2つ。
- 会社の期待
- 責任の範囲
言い方を変えると正社員には「今の仕事の先(将来)」があり、派遣社員には「今の仕事」しかありません。
そのため「期待」と「責任」が違ってくるのです。
仮に正社員と派遣社員が全く同じ仕事を行っていても、「会社の期待」と「責任の範囲」が違うために給与も違っています。
引継ぎは正社員も派遣社員も行う
余談ですが、退職時の引継ぎは「義務」として、正社員も派遣社員も行う必要があります。
もし引継ぎを拒否した場合は、信義則上の義務を問われるケースもあります。
(信義誠実の原則は、民法第1条第2項(基本原則)が該当)
派遣社員が引継ぎを行う際は
- 派遣先から与えられた日数で出来る範囲
- 与えられた仕事で理解している範囲内
で問題ありません。
このときの責任は「常識の範囲内で誠心誠意対応する」ことです。
最後に
正社員と派遣社員の違いを、雇用形態とは別の角度から紹介しました。
派遣社員は契約の内容によって、責任の範囲が違ってきます。
もし分からない場合は、派遣元に確認することも大切です。
また「仕事」に対して「契約」をしているため、事前に仕事の内容をきちんと確認してください。
派遣先に行ってから「思っていたのと違う」では、あなたも派遣先も困ってしまいます。
「仕事を選ぶ」という意味で、派遣社員は「自己責任」の範囲がかなり広いかもしれません。