35歳以上の転職成功者が増えています。
今まで言われてきた転職にまつわる都市伝説、35歳の壁が無くなりつつあるようです。
転職支援サイトのdodaが同サービスを利用して転職に成功した人を調査したところ、何と全体の28.2%が35歳以上と言う結果が出ました。
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35歳の壁は崩壊した
転職を経験した人や考えている人、そうじゃ無くても一度は聞いたことがあるはず、転職出来る年齢の限界は35歳だと。
一種の都市伝説なのですが、もともとは終身雇用や年功序列が一般的だった頃、年齢を重ねるほど再就職が厳しくなることから、35歳を超えると正社員で採用されるのは難しいと言った考え方が定着したようです。
実際、年齢を重ねれば重ねるほど転職の成功率は下がっていきます。
これは、該当する求人数が少ないことと、経験者や即戦力が重視される傾向がある為だと考えられます。
そのため、35歳の壁はあながち都市伝説とは言えないものでした。
ところが、dodaが発表した結果では、2012年と比較して35歳~39歳で転職に成功した人の割合が、実に196%も増えています。
さらに40歳以上では420%と驚異の伸びを示しています。
実際に転職する人も右肩上がりで増えているので、転職希望者の受け口も増えていると考えられます。
特に東京オリンピックに向けて土木・建築関係の伸びが良いようです。
転職市場の拡大が続く中、35歳の壁は崩壊したと言えるでしょう。
66%の転職コンサルタントが「2020年は35歳以上の求人が増える」と回答
人材紹介会社集合サイト「ミドルの転職」によると、66%の転職コンサルタントが2020年はミドルの求人が増えると回答(2020年1月7日時点)しているそうです。
35歳以上の求人が増える背景には、新卒採用の難易度が上がっていること、労働人口が不足し慢性的な人手不足に陥っていることがあります。
特に中堅・中小企業のメーカーで、営業や経営・経営企画、事業企画系、マーケティングに関連する職種の求人が増えると考えられています。
ただしコロナウィルスの感染拡大により、2020年以降は不透明感が強くなりそう。
なので、転職を考えているのなら早めに行動するか、様子をみるべきでしょう。
※参考「ミドルの転職」
求人は減りつつある
現状はコロナウィルスの感染拡大により、採用を控える企業が増えています。
新卒の採用を3割近く減らすという企業も出始めていますから、中途採用も減る方向だと考えるべきでしょう。
即戦力となれる経験や実績を求められる35歳以上の方も、全体のパイが小さくなればその分採用されにくくなります。
当然求められる人材像は、より厳しいものになると考えるべきです。
経験があるだけに給与面でも高くなりがちですし、新たに仕事を教えるのにも時間がかかります。
それだけに、即戦力にこだわる企業も多いはずです。
安易な気持ちで転職に踏み切ってもおそらくなかなか採用はされません。
もし転職に踏み切るなら強い意志が必要です。
35歳以上の人材に求められるもの
「今までと違う仕事をやってみたい」「一度も転職したことが無いから転職してみたい」と言ったお気楽な考え方では、転職が成功することはありません。
20代前半であればそういった理由でも転職は出来ましたが、35歳を超えると求められる経験やスキルも厳しくなってきます。
即戦力
社会人として経験がある30代に即戦力が求められるのはいまさら言うまでもないかもしれません。
即戦力と言われると「同業種・同職種」の経験があることだと考えがちですが、一言で即戦力と言っても「同業種・同職種」で力を発揮できることだけではありません。
異業種・異職種でも、営業で培った人脈や販売経路、あるいはマネジメントスキルが生かせるのなら即戦力として扱われます。
つまり、自分の経験やスキルを活かすことが出来るのなら必ずしも同業種・同業界でなくてもいいのです。
マネジメントスキル
30代後半になるとチームリーダー、もしくは管理職としてチームをまとめるマネジメントスキルが求められます。
まだプレイヤー全盛期で後輩の指導をしたことが無いと言う人もいますが、自身の可能性を狭める可能性があるのでチャンスがあれば後輩の育成、リームリーダーとしての仕事を経験するべきでしょう。
最近の転職市場では「マネジメントだけが出来る人」を求める企業が減ってきているようです。
求められる人材は自分で手足を動かして専門業務を遂行できる人。
つまり「プレイングマネージャー」を求める傾向が強くなってきているのです。
柔軟性
転職者にありがちなのが「前の職場ではこうだった」と言う固定概念です。
特に1つの会社しか経験していない人ほど、その会社独自の習慣も「常識」だと考えることが多い。
中小企業では1人が幅広く業務を請け負うことが多く、考え方が固定されている人は「扱いにくい」もしくは「馴染めない」と判断されてしまいます。
そのため違う文化や考え方を受け入れる柔軟性は、35歳以上の転職者が必ず求められる能力です。
キャリアの棚卸は必ず行う
具体的な転職活動を行う前に、キャリアの棚卸を行うようにしましょう。
キャリアの棚卸を行う理由は、今までの経験やスキルを整理するだけではなく、自分の強を確認する意味合いもあります。
例えばマネジメントスキルの場合、対象となる層(女性・パート・派遣など)と規模が近ければ、マネジメントスキルを活かして未経験の業界に転職するチャンスがあります。
自分が「常識」だと思っていた経験も、異業種から見ると貴重なスキルになるケースもあるのです。
キャリアの棚卸をする項目は次の7つ。
- 経験してきた業務、プロジェクト
- 社内での立場
- 業務やプロジェクト、社内での立場で出せた成果
- 成果を出すまでのプロセス
- 仕事で学んだこと
- スキルとして身に付いたこと
- マネジメント経験(対象者の立場、人数)
キャリアの棚卸は出来るだけ細かく、時系列で具体的に行うことが大切。
そして、定期的にキャリアの棚卸を行い更新していくことも大切なことです。
35歳以上の転職で成功しやすい人
リーマンショック以降、管理職になても完全に現場から離れるわけではなく、現場の最前線でプレイヤー兼マネージャーとして働く35歳以上の人が増えています。
年下の上司や女性の上司に抵抗感を覚える人も少なくなり、転職しても即戦力として使いやすい人が増えているのも特徴です。
この現場の感覚を失っていないことと、マネージャーとしての実績もある人は、35歳以上の転職に向いています。
というのも、今はベンチャー企業がブームになっていて、若い人が頑張っているのですが、会社に一本筋を通すあるいは土台を築くという意味で、現場感覚があり、管理職としても仕事ができる35歳以上が求められているのです。
最前線でプレイヤーとしても仕事ができ、会社に戻ればマネージャーとして若手の指導もできる。
そんな35歳以上は、引手数多で転職することができるでしょう。
給与や肩書にこだわり過ぎると失敗する
35歳以上だと子供の教育費や住宅ローンがあり、どうしても給与にこだわりが出てくるものです。
ですが、あまりにも給与にこだわると転職できなくなるケースもあるのです。
肩書も給与と同じで、こだわり過ぎるとマイナスにしかなりません。
この給与や肩書へのこだわりが、転職でよく言われる求職者と求人企業とのミスマッチになります。
肩書や給与は転職先で結果を出すことで、取り戻すこともできますから、最低限必要な金額を下回る場合を除いてなるべく柔軟に考えてください。
世間体を気にするあまり、肩書にこだわりすぎて転職のチャンスを逃す方もいるようですから、こだわり過ぎは失敗のもとと考え、ある程度柔軟に臨むことが大切です。
35歳以上だからこそ転職エージェントを利用する
35歳以上の転職では、経験やスキル活かして求人を探すことがとても大切になってきます。
と言うのは、若年層と違いやる気だけの転職は出来ない年代になっているからです。
転職エージェントには「〇〇と言う経験を持った人材が1人ほしい」と言った、ある意味マニアックな求人が非公開として集まります。
そんなマニアックな求人と求職者をマッチさせることが転職エージェントでは可能になるので、高額な費用を払ってでも利用する企業が多数存在するのです。
つまり転職エージェントは「強みのある求職者」と「ピンポイントで人材が欲しい企業」を結び付けてくれるサービスとも言えるでしょう。
また転職エージェントでは求人の紹介、面接の段取り・スケジュール管理、履歴書・職務経歴書の添削、面接対策、待遇の交渉と言った、転職に関わるほぼすべてのことをサポートしてくれます。
退職をせずに仕事を探す場合、手間のかかる面接のスケジュール管理を代行してもらうだけでも、スムーズに作業を進めることが出来ます。
おすすめの転職エージェントは「リクルートエージェント」です。
転職エージェント最大手のリクルートエージェントは、大企業の関連会社など業績が安定していて待遇の良い求人も多く、質も高いことで評判です。
担当により対応に差があると言う話も聞きますが、それはどのエージェントでも同じこと。
それよりも、非公開求人の取扱数が「業界最大」と言えるほど豊富なのが魅力的。非公開求人が多いと言うことは、「企業がピンポイントで欲している」求人が多いと言うこと。
経験のあるミドル層ほどマッチする求人が多いともいえるのです。
求人の質だけを考えても登録する価値がある転職エージェントです。
ヘッドハンティングされて転職する人も多い
35歳以上では、ヘッドハンティングをされて転職する人が大勢います。
ぼくの上司も55歳で、部長職としてヘッドハンティングされ転職してきました。
また、その前の上司は営業所の所長として取引先にヘッドハンティングされ、会社を辞めていきました。
ヘッドハンティングされる方の特徴としては、仕事が出来ることはもちろんですが、管理する側に回りながらもプレイヤーとしても成果を出していることがあげられます。
35歳以上になり、管理職としての経験を積みながらも、最前線で活躍できる人は、周りの企業から見ても魅力的な人材として映るのでしょう。
最後に
一昔前は「転職の限界は35歳」だと言われていました。
でも今は、慢性的な人手不足もあり求人倍率は1%を超えています。
さらに、優秀なベンチャー企業がプレイングマネージャーとして、35歳以上の人材をほしがっています。
35歳になってから転職を考えるのは冒険だと思うかもしれませんが、仕事に油が乗ってきた35歳以上だからこそ、キャリアアップ・収入アップが見込める転職が出来るともいえるでしょう。
ただし!転職は必ず転職エージェントを利用し、在職中に次の仕事を探すようにしてください。
責任の重い立場にいることが多いミドル層では、現職と転職活動を同時にこなすことは難しいはず。
サポートをしてくれる転職エージェントを利用するのが、転職を成功させるために必要です。
もし35歳以上の転職で失敗すると、あとは転げ落ちるだけの人生しか待っていません。
なので必ず在職中に次の仕事を探すようにしてください。