自動車整備士がかなり不足しているようですね。
「若者が自動車の購入や車をいじることへの関心が薄れていることが問題」だと、自動車会社の社長や行政の方が言っているようですが、本当にそうなのでしょうか。
ネットで調べると自動車整備士は給与が安いく仕事がきついからなり手がいない、と言う記事を沢山みることが出来ますから、想定される問題と実際の問題がかけ離れている気もしますよね。
と言うことで、自動車整備士ってどうなの!?と言うこととこの記事では書いています。転職先としては、あまりお勧めできないかな。
自動車整備士の給料
自動車整備士の年収は約400万円前後を推移していて、月給は28万円程度になります。平成21年から平成28年を比べると、年収で約30万円もアップしているのです!
ちなみに、高卒の初任給は15万円、短大や専門学校卒で17万円程度らしいです。
企業規模による年収の差も大きく、10名~99名の企業で平均年収が約390万円。100~999名で約410万円、1000名以上だと約470万円になります。
また、平均勤務時間も企業規模で異なり、10名~99名の企業が、一番勤務時間が長いと言う結果が出ています。(10~99名の企業:月間195時間、100~999名の企業:月間185時間、1000名以上の企業:月間185時間)
ちなみに、年収を時給に換算すると10~99名:1,685円、100~999名:1,859円、1000名以上:2,177円なので、かなりの差があることが分かりますよね。
給料が低いと言われる自動車整備士ですが、どの企業に就職するかによって差が大きいことが分かります。が、あくまでも平均値の話です。
参考:厚生労働省「平成28年賃金構造基本統計調査」
実際の求人で見る給与
実際にネット上に掲載されている自動車整備士向けの求人を調べてみると、給与にかなりの差があることが分かります。
例えば、月給 164,700~353,400円で募集している企業では、年手モデル(賞与込み)が30代:280万、40代310万、50代355万となっていて、平均年収より45万円も低い上に、50代になっても月収353,400円に届いていません(353,400円だと年収4,240,800円)
その他の求人でも17万円からや、18万円からと言った求人が多く、中には月額15万円と言う求人もありました。月額15万は時給に換算すると852円(月22日出勤8時間労働で計算)ですから、アルバイト並みだと言えます。
もちろん待遇が比較的良い求人もありますが、数はあまり多くないようです。
全体的な印象としては、表示されている給与の幅が広い求人が多いこと。最低と最高が20万円も離れていることもあります。
仮に17万円~37万円で募集している求人に、最低額の17万円で入社したら、37万円になるには毎年1万円昇給しても20年かかります。もちろん経験や資格によって差があるのでしょうが、実態がつかめないと言うか、怪しい印象を受けますね。業績給(歩合をほぼ同じ)を採用している企業もありますが、自動車整備士に業績給があること自体、違和感を覚えます。
自動車整備士の給与が安い理由
自動車整備士の給与が安い理由は色々ありますが、国土交通省が言うように給与が全産業平均を大きく下回ることと、勤務時間が全産業平均を大きく上回ることが大きいでしょうね。と言うか、そんな職場で働くのは嫌です…。
先ほど、企業規模別で年収を書きましたが、10名~99名の年収が一番低かったですよね? そして、整備業は10名以下の企業が約8割を占めているのです。しかも、10名以下の企業の年収は公開されていません
つまり、整備士の平均年収などは、全体2割のデータで作られているとも言えるのです。まか、上で書いた全産業平均より給与が安く、勤務時間が長いと言うのも10名以上の事業所を対象にした数値を使っていると思われます。
と言うことは、実態が正確に把握できていない可能性があります。きちんと調べてみたら、もっと悪い環境で働いているかもしれないのです。
もちろん、より良い環境で働いている可能性もありますが、自動車整備士を目指す人が減少し続けていることを考えると、良い環境はありえないと思ってしまいますね。
転職するなら待遇をきちんと確認する
自動車整備士は不足しています。ディーラーの8割、整備工場の5割が、人手が不足していると考え、整備工場の1割は事業に支障が出るほどになっているようです。
自動車整備士として働く人の平均年齢は約48歳と年々増加傾向にあり、高校生に働きかけて、就職してから資格取得を後押しする企業も出てきています。
この状況は、逆に考えると転職で待遇を改善するチャンスだとも言えます。
人手が不足しているのなら、経験者をある程度高い給与を支払ってでも採用したいと考える企業が出てきても不思議じゃありません。
自分で交渉する方法もありますが、給与交渉は意外と面倒なので、転職エージェントを利用することも検討してください。
求人の紹介から面接の段取り、内定後の待遇交渉まで代わりに行ってくれますから、転職で給与アップが出来るかもしれません。
最後に
自動車整備士が減っている理由は、給与と待遇の悪さだと国も気が付いているようです。国土交通省では、整備士の労働環境・待遇の改善、女性やシルバー人材の活用、外国人労働者の活用などを検討事案としてあげています。
整備費用を上げるべきだと言う声もありますが、経営者は利益が増えても給与を上げたがらないものなので、どの程度効果があるのか分かりませんよね。
自動車整備士の待遇を変えるには人材の流動性を高め、賃金の安い職場には人が集まらないようにすることも考えるべきではないでしょうか。そうすれば、自然と給与や待遇が良くなっていくはずです。