土地家屋調査士に転職するには。資格は経験が無くても取得できる

土地家屋調査士は土地を登記するのが主な仕事。
弁護士や税理士と同じ士業なので、資格を取得すれば仕事に困ることは無いと言われています。

ただし言われているだけで、実際には仕事のある方と無い方。
稼げている方と稼げていない方にはっきり分かれている職業のようです。

この記事では、土地家屋調査士の仕事内容と転職する方法について書いています。

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土地家屋調査士の仕事

土地家屋調査士の仕事は、不動産の表題登記を行うために、必要な測量を行って図面を書くこと。
そして登記申請書を書いて登記手続きを行うことです。

表題登記申請手続きの代理

不動産の表題登記を他人から依頼を受けて行えるのは、土地家屋調査士しかできません。
そのため、表題登記申請手続きの代理は、土地家屋調査士の独占業務になります。

ちなみに正確な図面を用意できれば、表題登記を不動産の持ち主が自ら申請することも可能です。
ですが、正確な図面を用意するには専門知識が求められるため、ほとんどが土地家屋調査士によって代理申請されます。

表題登記に必要な土地や建物の調査・測量

所有している土地を分ける(分筆)とき、あるいは複数の土地をひとつにする(合筆)とき。
または新たな建物を建てたときには、表題登記を新たに作成することが義務付けられています。

表題登記を作成するには、不動産(土地や建物)の状況を確認するために、調査や測量が必要です。
土地家屋調査士は、不動産登記に必要な業務(測量や調査、図面作成、申請手続きなど)を受任(委任を受けること)することができます。

表題登記の審査請求手続の代理

申請した表題登記が「隣の土地との境界線が不明確」、という理由で登記官により却下されることがあります。
この場合、地方法務局局長に不服を申し立てる審査請求ができますが、その手続きを土地家屋調査士が代理で行うことができます。

筆界特定の手続の代理

筆界特定の手続きとは、土地が登記された際に、隣の土地との境界線(筆界)が不明確な場合、境界線を判断するために申請することを言います。
土地家屋調査士はこの筆界特定の手続きを、不動産の持ち主の代理として申請することができます。

土地家屋調査士になるには資格取得が必須

土地家屋調査士になるには、例年8月に行われる筆記試験に合格し、さらに11月に行われる口述試験に合格しないといけません。
その後、土地家屋調査士会の名簿に登録を行えば、土地家屋調査士になることができます。

試験の受験資格、土地家屋調査士会への登録ともに、実務経験や学歴などの条件はありません。
他の難関資格に比べると、土地家屋調査士になるのは、ハードルが低いと言えるでしょう。

試験は毎年4500人~5000人程度が受験し、合格率は6%~8%程度だと言われています。

参考:法務局「土地家屋調査士試験

実務経験がないと仕事にならない

土地家屋調査士になるためには、資格を取得し、土地家屋調査士会に登録するだけです。
ですが、実務経験のない方がいきなり「土地家屋調査士です」と名乗っても、仕事を受けることはできないでしょう。

そのため、多くの方が資格の勉強を行いながら、補助氏として土地家屋調査士の会社や事務所で働いています。
実際に土地家屋調査士として働くと、想定外のことが起こることも多いため、実務経験は何よりも大切です。

土地家屋調査士の主な職場

土地家屋調査士が働く職場で最も多いのは、土地家屋調査士の事務所です。
あるいは測量会社や建築関連の会社で働く方もいます。

上でも書きましたが、土地家屋調査士として働くには、実務経験がどうしても必要になります。
実務経験を積むには土地家屋調査士の事務所で働くのが早いため、土地家屋調査士を目指す方が大勢働いているようです。

余談ですが、補助氏として働くのは辛い…と、もらす方も大勢います。

土地家屋調査士は独立して稼げるのか

土地家屋調査士は「表題登記申請手続きの代理」を独占業務として行えるので、独立することもできます。
ですが、あくまでも代理手続きのため、どれだけの人脈があるかで、仕事があるかどうかが決まってくるようです。

雪が降ると仕事がない、不動産会社に下手に出ないといけないなど、軌道に乗るまでは辛いことも沢山あります。
このつらい時期を乗り越え、ほかの土地家屋調査士ができない仕事を行い、良い客が付くと稼げるようになるらしいです。

ただし、稼げない人は本当に稼げません。

年収が300万円以下~1000万円以上と、幅が大きいのも土地家屋調査士の特徴です。

独立して稼ごうと思うのなら、測量士の資格は必須。
測量士と土地家屋調査士を持っていると、測量から登記まで一人できるようになり、仕事の幅が広がります。

土地家屋調査士を目指すなら若い方が有利

中途採用で土地家屋調査士を目指す場合は若い方が有利です。

理由は、土地家屋調査士を目指す方は将来独立を考えていることが多く、採用する側も将来は独立するものとして採用するからです。

年齢が高くなると自然と給与も高くなりますよね?
将来独立するかもしれない人に高い給与を払いたくないですよね?

土地家屋調査士を採用する側も同じように考えます。そのため、給与の安い若い人の方が採用されやすいのです。

これは、土地家屋調査士の事務所に就職を考えた場合の話、企業に就職するとなれば話は少し違ってきます。
違ってきますが…未経験だとどうしても若い方が優位です。

土地家屋調査士の求人の探し方

土地家屋調査士の求人は、ハローワークや転職サイト、転職エージェントに出ています。
あるいは、土地家屋調査士連合会のHPから、各都道府県のページに移動すると求人を募集している土地家屋調査士事務所が出ています。

参考:土地家屋調査士連合会

土地家屋調査士事務所の求人は、土地家屋調査士連合会のHPを利用したほうが見つけやすいです。
企業の求人を探すのであれば、ハローワークや転職サイト・転職エージェントがおすすめです。

最後に

土地家屋調査士は、受験資格がないので未経験からでも独立開業を目指せる仕事です。
学歴も関係ないため、一発逆転が狙える仕事でもあります。

ただし、かなり厳しい世界であることは覚悟してください。
特に補助者として働いている期間は、良い先生にあたらないと辛い思いをすることが多いとか。

とは言え、どんな先生なのかは実際に働いてみないと分かりませんから、難しいところです。
いきなり土地家屋調査士を目指さずに、測量士を取得してから土地家屋調査士を目指す方法もあります。

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