労働条件が良いというイメージから、量産工場への転職を希望する人は大勢います。ただし、一言で工場と言ってもその種類は多く、中にはサービス残業を強要したり、経営の怪しい工場もあるので注意が必要です。
この記事では工場の種類や仕事内容、残業の少ない工場の求人を探す方法について書いています。工場への転職を考えている方の参考になれば嬉しいです。
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工場勤務の種類
一言で工場といっても様々な種類があります。まずは、工場の種類から見ていきましょう。
実際の工場はさらに細かく分けることが出来ますが、大きな分類で見ると以下のようになります。
- 電機工場:テレビや洗濯機、冷蔵庫などの家電品、コンピュータや通信機器、携帯電話、照明器具、発電機など
- 輸送機工場:自動車や船、航空機、鉄道車両など
- 機械工場:建設機械や農業用トラクター、工作機械、事務用機器、産業用機器
- 金属工場:ネジやボルト、ナットや缶、刃物、スプーンやフォークなど
- 精密機器工場:医療機器やカメラなどの光学機器、科学実験や技術開発に欠かせない計測機器
- 科学工場:石油などを原料にして、合成・分解といった化学変化を加えて製品をつくる工場。プラスチックや化学繊維、合成ゴムなど多岐にわたる
- 縫製工場:生地を裁断し縫い合わせ洋服などを作る工場
- 食品工場:牛乳やチーズなどの乳製品、水産・冷凍食品、製菓・製糖、食肉加工など
工場の仕事
工場での仕事は大きく「設計」⇒「製造」⇒「検査」の3つに分けることが出来ます。
設計
自動車や産業機械など、製品の構造や形状を考えて図面に落とし込むことが仕事になります。強度や安全性、環境性、コスト、納期などの要素を考慮する必要があるほか、4大力学(機械力学、材料力学、流体力学、熱力学)の基礎知識も求められるため、未経験者が転職するのはかなり困難です。
製造
製造の仕事は工場によって様々ですが、仕事の多くはマニュアル化されているので、決められた手順に沿って仕事することがほとんどになります。これが、未経験者でも働きやすいと言われている理由の一つです。
ただし、試作工場の場合はマニュアルが存在しないことも多く、職人の経験と勘を頼りに製品をつくることもあります。
検査
検査で行われる仕事を一言でいうと、出来上がった製品に不具合がないかをチェックすることです。
検査方法は工場により様々で、金属部品であれば三次元測定機やエックス線透過装置を使うこともありますし、食品であれば微生物検査やアレルギー検査、食品添加物検査などが行われます。
労働条件の良い工場とは
残業なし、あるいは残業代満額支給、休日は完全週休2日制と言った巷でよく聞く労働条件の良い工場は、労働組合が強いという特徴があります。
労働組合がしっかり機能していると、賃上げ要求や残業の規制などがきちんと行われ、納期が迫っている商品で残業をすることがあっても、体を壊しかねないほど無茶な労働をさせられることはありません。
労働条件の良い工場に転職を考えるのなら、労働組合がどうなっているのかをチェックすることも大切です。
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求められる人材
工場では、大型の機械が動いていたり、立場によっては動かしたりすることもあります。そのため、1つのミスで大けがに繋がる可能性もあり、素直で真面目な性格であることが重要になります。また、早く正確に作業を行うことは必須です。
言い方を変えれば、上司の言うことに逆らう、やり方を自分で作ってしまう方、二日酔いや睡眠不足で仕事に来る方は工場での作業には向いていません。
ホワイトな工場の求人を探すには
中小企業でも労働条件のきちんとした工場は沢山ありますが、離職率が低いため、中々求人が出てきません。
なので、ホワイトな工場を探すのであれば、大手企業の子会社がおすすめです。
大手企業の子会社は、労働組合があることも多く、就業規則も親会社に準ずることがほとんど。その待遇は中小企業に比べると格段に良くなる傾向にあります。
ぼく自身、田舎で大手企業の子会社にあたる工場に勤めていました、給与水準が東京になっていたため、周りと比べてもかなりの厚待遇でした。
最後に
工場と一言で言っても沢山の種類があります。仕事を探すときは自分が何を作りたいのか、どんなものつくりに向いているのかをよく考えて選ぶことが大切です。
また、工場によって待遇に差があるのも事実。
例えば、自動車の組み立ては正社員・契約社員の比率が高く、他の工場と比べても給与は高め。家電組み立ての工場は非正規社員の数が多く、給与水準は低めだと言われています。
中小企業では自動車部品の金属加工を行う企業が多く、危険物やフォークリフト、溶接などの資格を保有していると優位に働くかもしれません。