
ドラッグストアの正社員を辞めたい。
そう考える方の多くが、店舗勤務の正社員です。
なぜ辞めたくなるのか。
それは「残業が多い」「休日がすくない」「社員数が少ない」「人手が不足している」など、一言で言えば仕事がきついからです。
ドラッグストアの仕事がきつい理由
調剤業務を併設することで、調剤薬局がドラッグストアのライバルとなりました。
また日用雑貨や食品を取扱い、営業時間を延ばすことで、コンビニとの垣根も低くなっています。
さらに地方では生鮮食品の取扱いも始めていて、スーパーもドラッグストアと競合し始めているようです。
つまりドラッグストアは、調剤薬局・コンビニ・スーパーがライバル。
これらのライバルと戦いながら店を存続することは、想像するだけでも難しいことがわかります。
人材の奪い合い
さらにパート・アルバイトを集めるときにも、コンビニやスーパーがライバルになります。
同じ小売業ですし仕事内容も似ていますから、必然的に時給も合わせないと人が集まりません。
同然人材も奪い合う状態になっていきます。
とはいえ極端に高い時給も設定できないため、結果として人手が不足しています。
人手不足の穴を埋めるのは、どうしても社員になるもの。
結果として社員の仕事がつらくなっていくのです。
業務の激化
人手が不足すると仕事もきつくなります。
品出しやレジ打ち、クレーム対応や接客など、売り場を維持するための仕事だけでも、かなりの作業量です。
それ以外にも、商品の発注やレジの清算、廃盤品の処理や賞味期限のチェック、セールの準備や売場変更、棚卸しまで行わないといけません。
レジや品出し、接客を振り分ける人材がいないと、社員が休めないほどの仕事量になってしまうのです。
ノルマがある
ドラッグストアでは、個人ごとに販売ノルマが課せられます。
お客様の薬をPB(自社ブランド)商品に変えてもらったり、化粧品や推奨品の声替えも行わないといけません。
この声替えとノルマがあることで、社員の仕事がさらにきつくなります。
普段の仕事もスムーズに回らないのに、商品を売るための声掛けをしている余裕がないからです。
人間関係の問題
ドラッグストアは女性社員やパートが多くなりがち。
なので人間関係の問題も、仕事がきつくなる原因になっています。
女性は良くも悪くもグループを作りたがるもの。
そのためか、女性同士のもめごとが絶えないものです。
とくに男性が店長だと人間関係の問題に気が付きにくく、問題が深刻化する傾向があるようです。
他で役立つスキルが身につかない
ドラッグストアを辞めたいと考える方は、次は小売業以外の仕事に就きたいと考えます。
ですが残念ながら、ドラッグストアでは他の業界で役立つスキルが身につきません。
ドラッグストアで見につくスキルは、「接客」「売り場管理」「クレーム対応」など、店に関連したものがほとんど。
これらのスキルをほかの業界で応用することが、すごく難しいのです。
仕事の探し方
ドラッグストアの転職は、在職中に行うことが必須となります。
ただし同じ小売業を探す場合は、退職後に活動を始めても求人は見つかりやすいでしょう。
在職中の転職活動を進める理由は、「小売業では働きたくない」と思う方が多いからです。
小売業以外への転職を行う場合、間違いなく「未経験職種への転職」になります。
未経験での転職は時間がかかるため、生活費を確保するために、在職中に転職活動を行うべきなのです。
転職サイトを利用する
転職サイトは全国の転職希望者に向けて情報を発信することができるため、人を大勢募集したい時に求人を出す企業が多いものです。
募集人数が多ければ当然採用されやすくなります。
また求人に掲載される情報量も多いため、企業ニーズをつかみやすいのも特徴。
ニーズが分かれば、履歴書や面接でのアピールポイントも、考えやすくなります。
転職エージェントを利用する
転職エージェントは、希望とスキルに合わせた求人を紹介してくれるのがメリットです。
また面接対策なども行ってくれるので、より採用されやすくなります。
キャリア相談もできますので、一度は相談してみることをもおすすめします。
ただし転職エージェントも商売ですから、相手の言いなりにならず、自分の意志をきちんと持つようにしてください。
ドラッグストアから異職種への転職は厳しい
ドラッグストアの仕事は、少し教わればだれにでもできることがほとんどです。
上でも書いたように、他の職種で役立つスキルは身につきません。
なかには「コミュニケーション能力」や「我慢強さ」を前面に出せという方もいますが、正直ドラッグストアから他の職種への転職は厳しいと言わざるを得ません。
また年齢によっても、厳しさは変わってくるでしょう。
転職しやすいのは営業
一番転職しやすいのは「営業」です。
ドラッグストアでの接客経験や、クレーム対応などのスキルも、営業なら生かすことができます。
ドラッグストアからの転職で、どうしても仕事が見つからない場合は、営業も考えてみてください。
本社勤務になれなければ転職するべき
ドラッグストアの今後を考えた場合、本社勤務になれないのなら、早めに転職するべきだと言えます。
統計で見るとドラッグストアの売上を支えているのは、日用品や食品です。
これらはコンビニやスーパーと競合するため、さらに価格競争が激化すると予想できます。
また頼みの綱である調剤部門は、調剤薬局に完全に負けています
小売業では「買物弱者」への対応が行われていますが、この部分でもスーパーやコンビニと競合するため、厳しいことは否めません。
恐らく将来はスーパーやコンビニ、ドラッグストアの統廃合が行われます。
レジは無人となり、品出しなどの業務は外国人労働者などに任されるはずです。
調剤業務はインターネット経由での、当日配送になるかもしれません。
つまりドラッグストアが生き残るには、極限まで人件費を削る必要があるのです。
そしてお店で働く社員は、必要なくなる可能性がすごく高い。
無人店舗の開発が行われている現状を見ても、本社勤務になれないのなら、早めに転職を考えてみてください。