
「給料が低い」「土日に休めない」「働いているお店の服を買わないといけない」「一生は続けらない」と言った悩みは、アパレルで働く販売員の多くが抱えていることです。
それだけに「アパレル販売員から転職したい」「今のうちにアパレルから転職するべき?」と悩んでいる方も多いでしょう。しかし、「アパレルしか知らない」ことを理由に諦めてしまう方も大勢います。
結論を言うと、アパレル販売員でも転職して良い会社に入れる可能性は十分にあります。「土日休み」や「ほかのブランドの服を買う」と言った希望を転職で叶えている方も大勢いらっしゃるのです。
この記事では、アパレルから転職しやすい職種と、アパレルから転職する方法を紹介していますので、参考にしてみてください。
アパレル販売員の7つの強み
転職を成功させるには、自分の強みを理解し効果的にアピールすることが大切です。最初にアパレル販売員の強みを確認しましょう。
コミュニケーション能力
接客では「売り込む」だけではなく「お客さんの話をよく聞くことが出来る」コミュニケーション能力必要となります。販売員として働いていれば、コミュニケーション能力は自然と身についていると言えるでしょう。
チームワーク(協調性)
何人かで売り場を受け持つため、常に連携プレーが求められます。販売員の仕事は、接客中以外は率先してレジを打つなど、全体の中で自分がどう動くかを考えて働くことが大切ですから、チームワーム(協調性)も自然と身について行きます。
営業力(プレゼン力)
日ごろからファッション関連の最新情報を集め、お客さんの好みや体形、流行を考えながら最善の商品を提案し、販売する力はプレゼン力があると言えるでしょう。
体力・忍耐力
販売員は立ち仕事が多く、勤務時間が不規則になりがち。また、検品や伝票整理、商品管理などの地味な裏方作業も多く、お客さんのクレームにも対応しないといけません。これらの仕事をこなしているうちに、自然と体力・忍耐力が身について行きます。
問題認識力
顧客に一番近い位置で仕事をしますから、日々の仕事の中からニーズをキャッチして、商品企画や営業担当、あるいは新商品の仕入れに反映させる力が必要となります。つまり、現状の問題点を把握し、新しい商品に反映させる力が身についている、ともいえるのです。
積極性
常にお客さんと接し、一定の以上の成績を残すには、オリジナリティのある接客・販売方法にチャレンジする力が必要です。自ら率先して商品を売ろうとする姿勢が、積極性を育てていきます。
マネジメント力
部下やパート・アルバイトの管理や、商品の管理などマネジメント力も求められる仕事です。職場の雰囲気を盛り上げたり、必要以上の在庫を持たないようにするなど、意識して仕事を行っていれば、自然とマネジメント力も身について行きます。
ここであげた強みは他の職種でも重視される項目です。特に「コミュニケーション能力」や「チームワーク(協調性)」を求める職種は多く、自分を企業に売り込むための強力なアピールポイントになってくれます。
アパレルから転職する方法

仕事をしながら一人で行う転職活動は、勤務時間が不規則になりがちなアパレル販売員にとって大きな負担になってしまい、現実的ではありません。
また、仕事を辞めてからの転職活動はリスクが高く、再就職まで予想以上に時間がかかってしまうこともありますので、在職中に転職活動を行うべきです。
転職サービスを利用すれば、希望に合った求人を探す作業や、履歴書・職務経歴書の添削、面接依頼や時間の管理、待遇面での交渉と言ったサポートを無料で受けることが出来ます。
アパレル販売員が一人で転職活動を行った場合、半数の方が書類選考に通らず苦戦しているという話もあります。
とくに平日は仕事が忙しいですから、転職サービスを活用して手間を減らしましょう。
アパレルから転職しやすい4つの職種

アパレル販売員から異職種への転職は、今までの経験から共通点を見つけてアピールすることが大切です。ここでは、アパレルからの転職に向いている職種を紹介します。
企画
企画職は「売り場をどう作るか考えるのが楽しい」「新商品の提案方法を考えるのが好き」だと言う方に向いています。
まず、消費者のニーズからコンセプトを固め商品化までの企画を立てます。その後、試作品を作るメーカーや広告を制作するデザイナーなどとイメージを共有しながら1つの製品をプロデュースしていくのが企画の仕事です。
様々な部署と連携をとって進める必要があるため「コミュニケーション能力」「積極性」「プレゼン力」が求められます。
日々の仕事の中で、お客さんのニーズをつかみ、売り場や提案方法を変更したり、企画や営業にフィードバックしてきた経験があれば、アピールする内容に困ることも少ないでしょう。
営業
営業は商品やサービスを顧客に売り込むのが仕事。アパレル販売員とはお客さんに対して待つのか、行くのかが大きな違いです。
比較的給与が高い傾向にあり、人と接する機会も多いので接客が好きな方に向いています。ただし、残業が多くノルマがあることがほとんどです。
「コミュニケーション能力」や「プレゼン力」「問題認識力」が求められる職種で販売員と似ている面も多いため、転職しやすい職種だと言えます。
アパレルメーカー(製造メーカー)
販売店ではなく、アパレルメーカー本部の事務や営業、企画へ転職する方法もあります。「販売員としては無理だけど、ファッションに関わる仕事は続けたい」と言う方は、この道を探ってみるのも一つの手です。
デザイナーや営業、人事、総務など幅広い職種で中途採用の募集が出ていますが、基本的に即戦力を求められます。
アパレル販売員としての経験があるため、比較的転職しやすいと言えます。希望する職種に経験を結び付けてアピールすることが大切です。
アパレル以外の販売・接客・サービス業
「今の職場に大きな不満がある」「もう服は売りたくない」と言う方は、アパレル以外の販売・接客サービスを目指しても良いでしょう。
同じ販売のため、比較的転職しやすい傾向にあります。
ただし、販売・サービス業には様々な種類(キャリアの携帯販売・美容関連・ホームセンターなど)が存在しますから、自分が何をやりたいのかよく考えることが大切です。
無理じゃないけど転職はちょっと厳しい職種
アパレル販売員からの転職で人気が高いのが事務職です。よく「転職しやすい職種」として紹介されていますが、実際には「無理じゃないけど厳しい」という印象です。
一般事務
一般事務は非常に人気が高く、転職したいと考える人が大勢います。特に求められる経験や資格もなく、未経験でも仕事に慣れるのが早いため「転職しやすい」と言われますが、実際はかなり厳しい職種です。
近年の傾向として「一般事務は派遣社員」で補う企業が増えており、正社員の求人数は減少傾向にあるのも厳しい理由の一つです。もし一般事務を目指すのであれば、長期戦を覚悟して挑むことが大切です。
総務、経理
総務・経理の中途採用は「経験者」を求めることがほとんどです。一度就職してしまえば、次の仕事が探しやすい、資格を取得しやすいと将来のキャリアにも役立ちます。
年齢も関係してきますが、25歳を超えたあたりから中途では厳しくなり、30歳を超えると未経験での就職はかなり難しくなります。どうしても総務・経理で働きたいのなら、パートや派遣も検討するべきかもしれません。
アパレルから転職する4つのメリット

アパレル販売員から転職するメリットを5つ紹介します。
土日が休める
ぼく自身の経験でも、店員から転職したときに一番うれしかったのが「土日休み」です。
販売員として働いていると、土日に休めることはほとんどありません。休めるとしても店長やマネーと言った役職や経験の高い人が優先になってしまいます。
でも、アパレル販売員から転職することで、土日休みの仕事を選ぶことが出来ます。土日が休めると友達と遊びに行きやすかったり、家族と過ごす時間が確保しやすかったりとメリットが沢山。
そのためには「完全週休二日制(土日休み)」と明記されている会社を探しましょう。
GW・お盆・お正月などが休める
世間が連休を楽しんでいる時がお店にとって一番の書き入れ時。GWやお盆は日にちをずらして休むのが当たり前、お正月は1日だけ休み、と言うのがアパレル販売員では当たり前です。
アパレル販売員から転職すれば、GWやお盆に休める仕事を選ぶことが出来ます。
大切なのは「年間休日120日」以上の会社を探すこと。120日より少ないと土日は休みでも連休は出勤になる可能性が出てきます。
他のブランド服を買うことが出来る
アパレル販売員は勤め先の服を自腹で購入して、仕事で着ることが義務付けられている場合が多いです。好きなブランドであれば社員価格(定価の30~50%OFF)で買うことが出来るので良いかもしれませんが、それでも自腹で購入している以上、他のブランドを買う余裕はありません。
好きな服を好きなように買える!
そんな当たり前のことが、アパレル販売員から転職すると出来るようになるのです。
立ち仕事から開放される
アパレル販売員は1日のほとんどの時間、立って仕事をしています。また、商品の移動や品出し、売り場の変更などでかなりの体力を使いますよね。
転職先はオフィスワークであれば、立ち仕事からは開放されます。営業だとしても、立っている時間はあまり多くありません。
足の痛みやむくみからも開放されるかもしれませんよ。
アパレルからの転職でよくある悩み

アパレル販売員からの転職でよくある悩みです。
本当に転職できる?
アパレル販売員しか経験していないからか「本当に転職できるの?」と、悩む人は多いようですが、転職は十分に可能です。
20代であれば、未経験分野への転職できる可能性が高いですし、30代でも経験生かしきちんとアピールできれば転職は出来ます。一人で活動するのは無理があるので、転職サービスを利用するようにしましょう。
資格をとる必要はある?
転職をする際、特に経理などを目指す際には、資格を取得すれば有利になると考える方が多いようですが、実際のところ経験が無ければ資格を取得してもほとんど役に立ちません。
ただ、まったく無駄になることは無く、「〇〇になるために働きながら資格を取得した」とやる気と努力をアピールする方法であれば、面接での印象は良くなるかもしれません。
派遣で経験を積んで事務職を目指すべき?
総務・経理では経験を求める求人が多いため、派遣で経験を積んでから正社員を目指す方もいますし、正社員になれる可能性も確かにあります。
ですが、派遣は仕事内容が限定されているため、派遣で経験を積んだから確実に正社員になれるわけではありません。20代であれば未経験でもポテンシャル採用される可能性がありますから、いきなり正社員を目指すのも手です。30代以上であれば、正社員で応募してみて難しければほかの職を探してみてください。
辞めるときは1年前に言わないといけない?
稀に聞く話ですが、「退職は1年前に許可を得る」「代わりを見つけるまで退職出来ない」と言ったことを言われる方がいるようです。
法律上は退職の意思を示してから14日で辞めることが出来ることになっています。社内規定で定められているとしても、1ヶ月から1ヶ月半前に退職の意思を示すことになっているところが多いです。
「1年以上前」や「3か月前」に退職届を出せとか、代わりを見つけろというのは常識で考えてもあり得ません。
最後に

アパレル販売員から転職したいと考えている方の参考になれば嬉しいです。
もし、自分が本当に転職できるのかどうか悩んでいるのなら、アパレル販売員の場合恐らく平日休みでしょうから、ハローワークや転職エージェントに相談してみることをお勧めします。
家族や友人に相談するより、より現実的なアドバイスが聞けますよ。