既卒の就活は厳しいとよく言われます。
既卒の就活が厳しくなる理由は、新卒一括採用を前提としている日本だから。
つまり「新卒で就職するのが当たり前」と言う意識があり、「新卒で就職しなかった」ことを企業側が不思議に思うのです。
そして面接のときに必ず「なぜ、新卒で就職しなかったのですか?」と聞かれます。
この質問に対する回答を間違えると、「何か問題がある」「やる気がない」と判断されてしまい、就活が厳しくなっていきます。
逆に言えば新卒で就職しなかった、できなかった理由をきちんと説明すれば、既卒の就活はそこまで厳しくありません。
既卒者の内定率は45%
マイナビが発表している2018年度既卒者の内定率は45%。
現役の大学生が83.4%ですから、既卒者の内定率は低いと言えます。
ただ知っておいてほしいのは、新卒と既卒とでは就活の方法がそもそも違うこと。
なぜなら既卒は新卒のように一括採用されることはありませんし、入社時期も固定されていません。
なので、既卒が新卒に対して内定率が低くなるのはある意味当たり前のことです。
それに内定を保有して複数の企業から選択する方よりも、希望した企業から内定を貰えたらすぐに働く決断をする方が多いはずですよね。
つまり内定率は必然的に既卒の方が低くなるのです。
最近は既卒も新卒枠で申し込める企業が増えているため一概には言えませんが、少なくとも新卒と比べて「既卒者の就活は厳しい」と思うのは間違っています。
自分の就職先を見つけるために就活を行っていますから、まわりと比べたり、全体の内定率を見て一喜一憂することに何の意味もありません。
「なぜ、新卒で就職しなかったのか」の質問に答える
既卒の就活で問題になるのは「なぜ、新卒で就職しなかったのか」と言うことです。
これは、企業側も新卒一括採用に染まっているからこそ出る質問。
ほかの人は就職しているのに「なぜ君は?」と疑問を抱き、人と違うことに「問題があるのでは」と考えているのです。
はっきり言えば大きなお世話。
別に新卒で就職しようと既卒で就職しようと本人の自由ですし、ましてや人と違うからと言って問題があるわけがない。
でもまぁ、この質問に答えないと採用されないのも事実。
最近では、在学中に内定をもらったにもかかわらず、卒業後に再度就職活動をする人も増えているので、「既卒だから就活が厳しいかも」と、心配する必要はありません。
新卒での就職活動を振替し、「なぜ新卒で就職しなかったのか」という質問に対する答えを、あらかじめ準備しておくようにしましょう。
就活で内定がもらえなかった人は反省し、次に生かす姿勢が大切
就活で内定がもらえなかった人は、新卒で就職しなかった理由に加え、内定がもらえなかった理由を考え反省し、次に生かす姿勢も大切になります。
間違っても「世間が悪い」とか、「採用しない企業は見る目がない」など、他責にしてはいけません。
なぜなら問題を他責にすると気持ちはすごく楽になりますが、自分が成長できなくなるからです。
自責として捉えるのは苦しいかもしれません。
でも、自責として捉えて反省し、次に生かす姿勢は社会人になっても必要なこと。
もし他責にしているのなら、考えを改めないと就職は難しくなります。
とくに「なぜ新卒で就職しなかったのか」という質問に対しては、他責ではなく自責で回答しないと、採用されないと考えてください。
就活が厳しければ求人の視野を広げる
もし新卒枠や既卒での就活が厳しいのであれば、求人の視野を広げることも大切です。
なぜなら既卒3年以内なら新卒枠で応募することが出来ますが、既卒者が新卒枠で採用される比率は15%弱とまだまだ低く、既卒者には厳しいのが現状だからです。
また希望にこだわり過ぎることで、自ら就活を厳しくしてしまうこともあります。
もし希望する企業が厳しければ、業界や職種だけにこだわるようにする。
大企業の求人だけ申し込むのではなく、中小企業やベンチャー企業も候補に含めるなど、求人の視野を広げると採用されやすくなります。
とくに今は中小零細企業が慢性的な人手不足に陥っているため、新卒・既卒者が採用されやすくなっています。
希望と違う企業に就職することに抵抗を感じるかもしれませんが、就職先が見つからないのであれば、視野を広げることも大切です。
既卒に強い転職エージェントを利用する
リクナビやマイナビの「既卒可」になっている求人は、申し込めるだけで採用される確率はかなり低いようです。
「既卒可」と書いてあるだけで「新卒向け」だと言う方も居ます。
また、その他の転職エージェントも経験者を中心とした求人が多く、社会人がライバルになるため、既卒者には厳しいかもしれません。
なので、既卒者向けの求人を探すには既卒向けの転職エージェントを利用しましょう。
転職エージェントは、就職や転職を総合的にサポートしてくれる無料のサービスです。
求人の紹介から面接の段取り、応募書類の書き方や添削、面接対策に内定後の後押しまで、トータルにサポートしてくれます。
しかも無料でサポートを受けられるので、就活で悩んでいるのならぜひ利用してみて下さい。
既卒で正社員になるのは厳しくない
一度既卒になると正社員で就職するのは難しい、という話を聞きます。
ですがこれは既卒になると正社員になれないというのは、大きな勘違いです。
そもそも既卒で正社員になることが厳しいと言われた理由は、応募可能な求人が中途採用枠しかなかったからです。
ですが今は、既卒でも新卒枠で応募できますし、既卒を対象とした求人も増えています。
なのできちんと就活を行えば、既卒でも正社員になることは難しくありません。
最後に
ぼくも既卒で就職しました。
卒業して専門学校に進学し3ヶ月で退学。
その後田舎に戻ってアルバイトをしながら普通自動車の免許を取得したのです。
そして、免許を取得してから就職活動を行い何とか就職しました。
人生初の就職活動がハローワークだったんですよね。
もちろん、見る求人はほとんどが経験者を募集するもの。
やりたいことがあっても選ぶ余地もなく、なんとなく未経験可の求人に申し込んでいたことを覚えています。
でも今は、仕事を探す手段も色々ありますし、既卒やフリーターを対象とした支援も充実してきています。
さらに慢性的な人手不足により、有効求人倍率も正社員で1.0を超えています。
求職者よりも求人の数が多くなっていますから、やる気さえあれば就職先は見つけられるはずです。
既卒は就活が厳しいと言われますが、諦めずに頑張ってください。