
転職先がブラック企業だと、変な会社に入ってしまったと思いますよね。
それでもせっかく入社した会社だからと我慢して働けば、長時間労働やハラスメントなどで、身も心も疲れ切ってしまいます。
ではブラック企業で疲れたときはどうすればいいのでしょうか。
この記事ではブラック企業に入社してしまい、身も心も疲れたときの対処法について紹介しています。
今の会社がブラック企業かどうかを見分ける
まず今勤めている会社が、本当にブラック企業がどうかを判断しましょう。
ごく稀に、あなただけがブラック企業だと思っているケースもあるからです。
まずは次の8つのポイントを、周りの人も含めてチェックしてください。
- 長時間労働が慢性化している
- 休日出勤が当たり前になっている
- タイムカードを押してから残業を行う
- 未払いの残業代がある
- 絶対に達成できないノルマがある
- パワハラやモラハラが日常的にある
- 「気合が足りん」など、精神論がまかり通る
- 人の入れ替わりが激しい
1と2は繁忙期に行われる一時的なものであれば、当てはめないでください。
あくまでも一年を通して、長時間労働や休日出勤があるかどうかを考えます。
3と4は労働基準法に違反しているので、言うまでもなくブラック企業です。
5と6がセットになっている場合(ノルマ未達時にみんなの前でバカにされるなど)は、耐える必要はありません。
すぐにでも退職するべきです。
また5、6、7がセットで行われる会社は、恐らく業績も傾き始めているはず。
なぜなら無理なノルマを力ずくで達成させようとし、対策を教えず精神論を強要している姿が容易に想像できるからです。
8は職場が仕事をする環境になっていない可能性があります。
年間で社員の10%近くが辞めていくようなら、ブラック企業だと考えられるでしょう。
チェックした結果ブラック企業だと判断した場合は、できるだけ早く退職するようにしましょう。
ブラック企業で働いた体験談
実際にあったブラック企業の体験談です。
・朝社長を全社員で出迎え、社長室に一人一人挨拶に行く
・会議で売上目標を言わされ、高めに言うと「できるのか?」と言われ、低めに言うと「やる気がない」と言われ怒られる
・産休から復帰したら仕事をやらせてもらえず、自主退職に追い込まれた
・父の葬式で「今日は大事な会議だから駄目だ」と言われ、参列できなかった
・妻が出産するときに休みをお願いしたら「そんなことより仕事優先だ」と言われ、休みを貰えなかった
・定時にタイムカードを押してから残業をさせられた
・店舗勤務で社員が辞めてしまい、次の社員が来るまで3か月間、休みがもらえなかった
・仕事を辞めると伝えたら「考え直せ」と課長が自宅にまで来た
・体調不良で休んだら、休みの日に補填だと言われ出勤させられた
似たような思いをしているのなら、退職を考えるべきかもしれません。
ブラック企業で働き続けるデメリット
ブラック企業で働き続けると、遅かれ早かれ疲れてしまいます。
そして「もう辞めたい」と思うころには、ストレスが限界を超えてしまうのです。
怖いのは、辞めたいと思ってからも我慢して働き続けること。
「もう辞めたい」「まだ大丈夫」と言う考えを繰り返すようになったら、かなり危険な状態です。
ストレスが限界を超えた状態で我慢して働くと、体や心に悪影響を及ぼします。
具体的には慢性的な頭痛、吐き気、めまい、腹痛、下痢、肥満、虚脱感などです。
実際に現れる症状はもっと多く、病院にかかっても「原因不明」か「ストレスからくるもの」だと診断されます。
一番怖いのは、ストレスから逃れるために、一番楽な方法を考えてしまうこと。
例えば「車で電柱に突っ込もう」とか、よからぬことを考え出してしまいます。
ブラック企業で働いていて、もう辞めたいと思うようになったら、次の仕事を探し始めてください。
ブラック企業の辞め方
たとえブラック企業だとしても、仕事を辞めるには、社会規定で定められたルールに従う必要があります。
普通の退職の流れは次の通り。
- 上司に退職届を提出
- 退職日の相談
- 仕事の引継ぎ
- 有休の消化
- 退職
もし退職届が受理されない、引き止められて辞められない場合。
あるいは退職までの期間が無駄に長い(3ヶ月や半年など)場合は、法律を行使することになります。
法律を行使する場合
法律を行使する場合のやり方は簡単です。
内容証明郵便で退職日を明記した退職届を、直属の上司か人事部あてに送付します。
そして法律で定める予告期間が過ぎたら、会社に行かなければいいのです。
退職に上司や会社の承認は必要ありませんし、次の人が来るまで待つ必要もありません。
ましてや一度は正規のルールで退職届を出しているので、後ろめたさを感じる必要もないのです。
参考までに民法627条をざっくり説明すると…
期間の定めのない労働者の場合は、退職の意志表示から14日後に労働契約が解除されます。
月給制の場合は月の前半に退職の意志表示をすれば、その月の末に労働契約が解除されます。
月の後半に意思表示をした場合は、翌々月末で労働契約が解除されます。
年棒制の場合は3ヶ月以上前に、退職の意志を示さないといけません。
なお、詳細は民法627条を確認してください。
退職でもめたときを考えて証拠を残しておく
ちょっと勇気が必要ですが、万が一もめたときのことを考えて証拠を残すことも大切。
簡単なのはボイスレコーダーでやり取りを録音すること。
実際に損害賠償を請求されたり、脅されたりすることもありますから、証拠を残すことは大切です。
そして自分ではどうしようも無くなったら、労働基準監督署か弁護士に相談してください。
証拠があれば労働基準監督署に相談しやすくなりますし、動いてくれる可能性が高くなります。
もし証拠がない場合は、労働基準監督署よりも弁護士と話した方が、解決しやすいですね。
仕事の探し方
仕事を辞めるとき、一番不安になるのが「次の仕事が見つかるかどうか」です。
また一度ブラック企業に勤めると、「次もブラック企業だったらどうしよう」と、思ってしまいますよね。
ここでは、ブラック企業を見分けるポイントと、ハローワークなどを利用した、仕事の探し方を紹介します。
ブラック企業を見分けるコツ
――同じ企業で求人が出ていないか確認する
同じ企業で複数求人が出ている場合は、理由を調べてください(大体書いてあります)
事業拡大のためであれば、業績が伸びている優良企業。
人員補充のためであれば、離職率が高い可能性があります。
――求人を出している期間を確認する
頻繁に同じ求人を出している、長期間出している場合は、人がすぐ辞めるか集まらないと言った理由があります。
できれば避けた方が無難な求人ですね。
――相談員に聞く
ハローワークなら同じ相談員と何度も話をしていれば、質問することで教えてくれるケースもあります。
――勤務日の深夜と休日に見に行く
その企業が休日の日に見に行き、働いている人がいないかを確認します。
また深夜に見に行けば、残業がどの程度あるのかを判断することができます。
――社内の雰囲気を確認する
面接で応対する人の態度や表情、営業員の応対、面接官の態度や表情をチェックします。
また事務所が整理整頓されているか、活気があるかどうかもチェックしてください。
疲れ切った人が多い、応対が乱暴な場合は、避けた方が無難です。
あるいは事務所が汚い、雰囲気が暗い会社も避けるべきでしょう。
ハローワーク
ハローワークは無料で求人が出せるため、地元の企業の求人が沢山集まっています。
その分ブラック企業の求人も紛れ込んでいるのは事実です。
なので求人の内容をしっかりとチェックし、相談員にも質問しながら転職活動を行ってください。
ハローワークを利用するときのポイントは次の3つ。
- 話しやすい相談員を指名する
- 履歴書や職務経歴書の添削を依頼する
- 知りたいことを代わりに質問してもらう
親身になって対応してくれる相談員がいたら、指名できないか確認しましょう。
できるなら指名して相談したほうが、良い求人を見つけやすくなります。
また履歴書や職務経歴書は送付する前に、相談員に一度見てもらうことも大切。
さらに仕事や求人に対する疑問点がある場合も、相談員にお願いして企業に問い合わせてもらいましょう。
自分から積極的に相談員に働きかけることで、より良い結果を得やすくなります。
転職サイト
転職サイトは求人検索から応募、内定後の対応まで、全てを自分でやらないといけません。
全てを自分でできるのは、メリットでもあるし、デメリットでもあります。
交渉などに自信のない方は、利用を避けた方が無難かもしれません。
転職エージェント
転職エージェントは、転職に関わるほぼすべてのことをサポートしてくれる、民間の人材サービス会社です。
参考までに、ハローワークでお願いすれば、民間の人材サービス会社を紹介してもらうこともできます。
転職エージェントを利用するメリットは、専属の担当者が付くことです。
担当者が付くことで求人紹介やキャリア相談、応募書類の添削に面接対策、内定後の給与交渉などを、行ってくれます。
至れり尽くせりのサービスですが、デメリットもあります。
それは転職を決めるために、強引に進めてくるエージェントがいることです。
ブラック企業を避けるには
残念ながら転職エージェントの求人にも、ブラック企業はまぎれています。
避けるには転職エージェントに、「なぜこの求人を紹介したのか」を聞くことです。
給与が高いとか福利厚生が良いとか、待遇面ばかりを押してくるなら注意が必要ですね。
求人がブラックの可能性もありますし、転職エージェントがあなたのことを考えていない可能性もあります。
理想は「あなたのキャリアにとって、〇〇というメリットがあります」と、キャリアを考えた提案を受けること。
それを知るためにも「なぜこの求人を紹介したのか」、聞いてみることが大切です。
内定を強引に勧められたら
転職エージェントは、求職者を採用させることで、求職者の年収の30%程度を報酬として受け取るビジネスモデルです。
つまり求職者が採用されないと、転職をサポートしても1円にもならないんですね。
もし強引に内定を迫るエージェントに出会ったら、自分の意志を尊重して言い負かされないようにしてください。
難しいことはありません。
嫌なものは嫌だとはっきり言えばいいだけです。
そして転職エージェントの会社に連絡を入れ、「無理やり内定を進めてくるから、担当者を変えてほしい」と依頼しましょう。
対応してもらえない場合は、別の転職エージェントを利用してください。
最後に
ブラック企業で疲れたときに、どうするべきかを紹介しました。
まず、勤め先が本当にブラック企業かどうかを確認してください。
そしてブラック企業だった場合は、できるだけ早く仕事を辞めましょう。
なぜならストレスをためすぎると、体に悪影響を及ぼすからです。
次の仕事はハローワークと転職エージェントを利用して探します。
求人を探すときは、ブラック企業を見分けるポイントを参考にしてください
この記事がブラック企業に疲れ、どうしていいか悩んでいる方の参考になれば幸いです。