
「退職を電話で伝えてもいいのかな」
と、悩んでいませんか?
結論を言うと、電話で問題ありません!
が、一応注意点を話しますね。
本来であればルールに沿って仕事を辞めるべきです。
なぜならそれが一般常識だから。
とはいえ絶対ではないんです。
人によってい辞めたい理由は違います。
特別な事情がある人もいます。
どうしても会社に行けない人もいるでしょう。
だから事情があるなら、電話で仕事を辞めてもいい。
大切なのは次の2点。
- 突然辞めることを謝る
- 仕事に行けない理由を説明する
ということで、電話で仕事を辞める方法を教えますね!
電話をかける時間
電話で辞めるときは、時間がとにかく大切。
なぜなら、上司にしっかりと話を聞いてもらう必要があるから。
つまり、電話は上司が会社にいる時間にかけます。
一般的に言われるのは次の時間。
おすすめは始業開始前
おすすめは就業開始10分~15分前。
この時間に電話をすれば、二度手間にならなくてすみます。
ほかの時間に電話をするなら、始業までに連絡を入れないといけませんよね。
「休みます」とか「遅れます」とか。
この手間がなくなるんです。
連絡を入れないと心配されますよね。
「誰か連絡を受けたか?」とか。
そんな心配をかけなくて済むのもメリットですね。
デメリットがあるとすれば、「後でちゃんと話そう」と言われることかな。
朝は忙しいですから。
ただサクッと終ることも多いので、始業前はおすすめです。
次のおすすめは仕事が終わった後
仕事が終わった後の電話おすすめですね。
なぜなら仕事が終わって、ホッとしている時間だから。
気持ちに余裕がある分、しっかりと話を聞いてもらえます。
時間にも余裕がありますしね。
また、上司の周りに人がいないのもいいですよね。
気兼ねなく話ができます。
そういう意味でも、仕事が終わった後はいいかもしれません。
避けたほうが良い時間
避けるべきなのは休憩時間。
なぜなら休憩中の電話は、イラっとするものだから。
機嫌の悪い上司に退職を伝えたら。
さらに機嫌が悪くなる予感しかしません。
少なくとも私は期限が悪くなります。
なので休憩時間の電話はやめましょう。
電話で仕事を辞めるときの言い方

問題は電話で辞める時の言い方です。
適当な言い方をすると、話がこじれます。
なぜなら本来は、ルールに沿って仕事を辞めるべきだから。
そして電話での退職は、会社が認めるだけの理由が必要だからです。
会社が認める理由とは、上司が納得する理由のこと。
つまり「それなら仕方がないね」と思える理由です。
たとえば次の3つ。
- 仕事ができないほどの体調不良
- 身内の問題(介護・看護など)
- 精神的な問題(勤め先がブラック企業)
仕事ができないほどの体調不良
仕事に行けないほどの体調不良なら仕方がないですよね。
我慢して出社すれば悪化する可能性もあります。
最悪会社の責任が追及されることも…。
そう考えると、体調不良は使いやすい理由です。
症状をきちんと説明すれば、会社の理解も得やすいでしょう。
身内の介護や看護
身内の介護や看護も退職理由になります。
なぜなら身内の介護や看護は、常に傍にいないといけないケースがあるから。
まさか身内を見捨てて出社しろ、という会社はないでしょう。
下手なことを言って責任を追及されたら……会社の信頼に関わります。
なので、身内の問題も認められやすい理由です。
精神的な問題
精神的な問題も退職理由になります。
何しろハラスメントが社会問題になっていますから。
「うつになりました」
そう伝えるだけで、上司は大混乱。
自分に原因があったらどうしようと、気になってしまうものです。
精神的な問題は十分退職理由になります。
ですが私としては、やめる前に休職することをお勧めしますけどね。
電話での言い方
では、電話で退職を伝えるときの言い方を紹介します。
退職を電話で伝える場合は、はっきりと意思表示をすることが大切。
流れは次のようになります。
- 突然の連絡になったことをお詫びする
例:急な連絡となり申し訳ございません。 - 退職の意思を伝える
例:一身上の都合で本日をもって退職させていただきます。 - 再度お詫びをする
例:本来出社してお伝えすべきところ、お電話という形になり大変申し訳ございません。 - 退職届について話す
例:退職届は後日送付いたします。 - お世話になったお礼をする
例:今まで大変お世話になりました。本当にありがとうございました。
退職理由は「一身上の都合」で十分。
詳しく説明する必要はありません。
ですが会社としても突然の退職に戸惑うはずです。
もし理由を聞かれたら、当たり障りのない範囲できちんと説明してください。
ーーーーー 例文 ーーーーー
お疲れ様です。〇〇です。
急なご連絡となり申し訳ございませんが、一身上の都合により本日をもって退職させていただきます。
本来出社してお伝えすべきところ、お電話という形になり大変申し訳ございません。
退職届は後日送付いたします。
今まで大変お世話になりました。本当にありがとうございました。
色々聞かれることは覚悟しておく
いろいろ聞かれることは覚悟しておいてください。
たとえ例文の通りに話したとしても、
「わかった」
と言って話が終わることはまずありません。
「一身上の都合により本日をもって退職させていただきます」
そう伝えれば必ず理由を聞かれます。
「なぜ辞めるのか」
「何があったのか」
など、上司から色々聞かれることは火を見るよりも明らかです。
答えにくい場合は「一身上の都合」で通しても問題ありません。
ですが答えられる明確な理由(介護や病気など)がある場合は、きちんと説明することが大切です。
きちんとお詫びをすることが大切
きちんとお詫びをすることも、忘れないでください。
なぜなら突然の退職は、周りに大きな迷惑をかけるから。
あなたが辞めれば、欠員の補充や仕事の配分の見直しは必須。
スケジュール調整なども行う必要があるでしょう。
つまり電話での退職は、かなりの負担が会社にかかります。
なので、突然の退職をお詫びすることが大切です。
例:「本来であればお伺いしてお伝えするべきですが、母の容態が悪く、傍を離れることができません。そのため電話でのご連絡になってしまったこと、深くお詫び申し上げます。」
直属の上司に連絡する
退職は必ず直属の上司に伝えましょう。
上司を無視して人事や上司の上司に話をするのはNG。
これをやると上司の管理能力が疑われ、余計なトラブルが発生します。
ただし上司からハラスメントを受けている。
どうしても話をしたくない。
という場合は、人事部などに電話をしても問題ありません。
試用期間中でも仕事を辞めていい?
試用期間中でも辞めて構いません。
むしろ辞めたいなら早めに伝えるべきです。
なれない仕事はストレスを強く感じるもの。
なので 試用期間中に体調不良を訴える方は意外と大勢います。
なかには出社することを体が拒否。
頭痛や腹痛、吐き気などを訴える方もいます。
だから「辞めたい」と思っても不思議じゃないんです。
「試用期間中だと辞めにくい」
そう思うかもしれません.
ですが、仕事よりも自分を大切にするべきです。
もし体調不良で仕事に行けないのなら。
電話で退職の意思を伝えましょう。
電話での言い方は、上で書いた内容と同じです。
関連記事:試用期間中に退職すると職歴になるのか
電話で仕事を辞めるときの注意点

電話で辞める場合は、次の2つに注意してください。
- 私物は事前に持ち帰っておく
- 念のため電話を録音する
これ、まともな会社なら必要のないこと。
ですが念には念を入れておくことが大切です。
とくに私物は事前に持ち帰っておくこと。
そうしないと、あとで取りに行くことになります。
また会社としても、捨てていい物かどうか悩むものです。
電話を録音するのは、強引な引き留めの証拠を残すため。
電話越しで怒鳴る人が結構いるんですよね。
自分の身を守るためにも、この2つは注意してください。
どうしても電話できないときは
会社に電話することさえ嫌な場合は、次の方法も考えてください。
・内容証明郵便を使う
・退職代行を使う
ひとつずつ説明しますね。
内容証明郵便を使う
退職届を内容証明郵便で送付して、退職の意志を伝えることもできます。
この方法なら話をする必要も、会社に行く必要もありません。
内容証明郵便で送付する際の注意点は3つ。
- 権限のある人(上司や人事部)に送付する
- 内容証明郵便で配送の履歴を残す
- 退職日を明記した退職届けを送付する
間違えて「退職願」を送付しないようにしてください。
退職願だと会社が認めない限り辞められなくなります。
もし一人でやるのが不安な場合は、弁護士に相談しましょう。
お金はかかりますが、間違いのない方法です。
内容証明郵便を使った退職方法を相談すれば、きちんと教えてくれますよ。
退職代行サービスを使う
退職代行を使うのもアリです。
思っている以上に簡単に辞めることができます。
退職代行は、退職後の書類の送付依頼なども受け付けてくれる、便利なサービスです。
価格は業者によって違い、3万円~10万円と幅があるようです。
また、当たりはずれも大きかったりします。
なので利用する際は、次の点を確認してください。
- 弁護士が代行サービスを行っているか
- 労働組合が関係しているか
- 交渉の際は弁護士を活用する旨の記載があるか
- 非弁について理解し、対応を行っているか
すべてを満たす必要はありません。
非弁行為に該当しなければOKです。
もし記載がない場合。
質問しても明確な答えがない場合は利用しないこと。
余計なトラブルに巻き込まれます。
電話で仕事を辞めた後に行うこと

電話で仕事を辞めたからといって、全てが終わるわけではありません。
電話の後にもやるべきことがいくつかあります。
借りていた備品を返す。
離職書類を送ってもらう。
保険の手続きなどなど。
辞めてからもいろいろやることはあるんです。
会社に送付するもの
仕事を辞めたら会社への返却物を送付します。
書類の書き方や手続きの方法は、会社に規定があるかもしれません。
念のため人事部に確認し、指示に従ってください。
基本的な送付物は次の6つです。
- 退職届
- 健康保険証
- 名刺
- 身分証明書・IDカード
- カードキー
- 会社の制服など備品
退職後も一定期間会社の保険に加入できる
「任意継続被保険者制度」
を利用する場合は、健康保険証の番号が必要になります。
念のためコピーを残すようにしてください。
もし未精算の経費があれば、会社に処理方法を確認しましょう。
会社から送付してもらうもの
会社から送付してもらう書類もあります。
- 健康保険被保険者資格喪失証明書
- 厚生年金基金加入証明書
- 源泉徴収票
- 年金手帳
- 離職票
まともな会社であれば、こちらから請求しなくても送付されます。
ですがブラック企業の場合、いやがらせで書類を送付してもらえないことも。
あるいは取りに来いと言い出すことがあります。
ここで会社に行っちゃいけません。
余計なトラブルが起こります。
もし依頼しても送付されない場合は、該当する役所に問い合わせてください。
- 健康保険・厚生年金の証明書は社会保険事務所
- 源泉徴収票は税務署
- 離職票は会社所在地を管轄するハローワーク
自分で何とかしようとしちゃだめですよ。
それこそ相手の思うつぼです。
必ずしかるべき場所に相談すること。
そのためにいろいろな施設があるんですから。
退職証明書について
退職証明書は市役所やハローワークの手続きで、離職票の代わりに使える文書です。
または転職先で職歴を確認する場合に、使用することもあります。
退職証明書は退職先に申請しないと発行してもらえません。
もし必要な場合は、嫌かもしれませんが退職先に連絡を入れてください。
尚、退職証明書は従業員から請求があった場合、必ず発行しなければいけいない書類です。
会社側が拒否したり、理由もなく発効が遅れた場合は、会社がペナルティを受けます。
これも対応してもらえないなら、法的義務であることを伝えましょう。
もちろんペナルティがあることも。
たいていの場合これで解決します。
退職証明書の記載内容について聞かれたら
退職証明書に記載する内容は、「労働者に証明を要求された項目以外、証明してはいけない」と定められています。
そのため次の5項目のうち、記載する内容を会社に連絡しないといけません。
- 使用期間
- 業務の種類
- その事業における地位
- 賃金
- 退職の事由
項目を削るとあらぬ疑い(言えない退職理由なのかなど)を受けることがあります。
特段の理由がない限り、全項目を記載するようにしてください。
どうしても会社に来いと言われたら

電話で辞めることを伝えると、
「会社に来て話せ」とか
「書類を渡すから会社来てほしい」と
様々な理由を付けて呼び出されることがあります。
ですがそもそも「出社することが困難」な状況なので、電話をしています。
なので相手が理解してくれるまで、出社できないことを丁寧に説明することが大切です。
出社しろとしつこい場合は、労働基準監督署か弁護士に相談してください。
本来即日退職はできない
電話で退職の意思を伝え仕事を辞めるとしても、本来即日退職はできません。
なぜなら即日退職するには、労働者と会社双方の合意が必要だからです。
まず「仕事に行けないやむを得ない事情」があること。
そして、会社がそれを認めた場合に即日退職が可能となります。
だからこそお詫びをして、可能な範囲で理由を説明することが大切です。
つまり説明することで、会社に合意してもらおうとしてるわけです。
もし会社が合意しない場合は、退職までに最短で14日間かかります。
また仕事を辞める際には、後任への引継ぎが必要です。
もし引継ぎを拒否すれば、
「信義則上の義務(民法1条2項の信義誠実の原則)」
を問われる可能性もあります。
(信義誠実の原則とは、人として誠意をもって行動しなさい、という意味です。)
即日退職に一番近い形としては、次のどちらかです。
- 電話で退職の意思を伝える
- 14日間を有休と公休を使う
どちらの方法をとったとしても、引継ぎを行う必要があります。
ま、即日退職だとできないんですけどね。
最低限の引継ぎは義務として行う必要がある、ということ。
なので「やむを得ない事情」がない限り、電話での即日退職はするべきではありません。
関連記事:退職時期のルール。退職の意思表示から最短2週間で退職出来る
最後に
本当は電話で辞めずに、会社のルールに沿って辞めるべきです。
なので電話で仕事を辞めるのは、どうしようもない事情がある時だけにしてください。
大切なのは次の2点。
- 「突然辞めることに対するお詫び」をきちんとすること
- 「仕事に行けない理由」を説明できるようにしておくこと
突然退職すると会社も困ります。
あなたが「知ったこっちゃない」と思うならいいのですが…。
だとしても、こちらの無理を押し通して辞めるわけです。
たとえどんな事情があるとしても、最低限のお詫びはするようにしてください。