上司に退職の意思を伝えてから、実際に会社を辞めるまでの期間は、色々と気まずい思いをするものです。
なぜなら会社を辞めるということは、会社の仲間を辞めるのと同じこと。
だからこそ、辞めていく人への対応が冷たくなってしまうものです。
また会社を辞める人は、会議とかにも呼ばれなくなります。
「自分だけ会議に呼ばれないのか…。」
そう思うと、寂しくて辛い気持ちになりますよね。
ということでこの記事では、ぼくが実際に経験した退職までの気まずい思いと乗り切った方法を紹介します。
退職が決まってから気まずい思いや辛い思いをするのは、仕方がないことなんです。
会社を辞めるとは仲間から抜けること
退職が決まるとなんとなく気まずくなるのは、会社の仲間を抜けるからです。
日本の会社はメンバーシップ型と言われ、仲間を採用して長く一緒に働くことが普通です。
なので途中で辞める人は「裏切者」として、見られることもあります。
つまり退職がわかった時点で、会社の仲間じゃなくなるのです。
だからなんとなく疎外感を感じたり、気まずくなったりします。
退職者を会議に呼ばない
ぼくは営業としてトップクラスの成績を残し、かなり会社に貢献したという自負があります。
それでも退職の意思を伝えた後は、会議や打ち合わせに呼ばれなくなりました。
まるで手のひらを返したかのように、打ち合わせや会議に呼んでくれないのです。
「辞めることがわかったら誰も相手にしてくれないのか…。」
そう思ったこともありますが、退職する人を会議に呼ばないのは、当たり前のことなんですよね。
なぜなら会議では、今後の会社の方針や新規商品の打ち合わせ、営業展開の方法など、会社の経営に関する話をしているから。
会社の経営に関する話をしているのに、退職者を呼ぶ理由はありません。
あと数か月で退職する人に、会社の営業情報を与えても意味ありませんよね。
退職者を会議に参加させて、営業情報だけ持っていかれても迷惑ですし。
だから退職が決まると、打ち合わせや会議に呼ばれなくなります。
これは情報を守るためには、仕方がないことなのです。
同僚の会話から外される
同僚との会話で、なんとなく疎外感を感じるのも営業情報が理由です。
ただ営業情報だけじゃなく、会社の仲間じゃなくなる、と言う理由もありますが…。
同僚と話をするときって、取引先や仕入れ先の情報、社内の情報などが飛び交いますよね。
同僚との雑談でも、何かしらの情報が含まれているはずです。
だからこそ、退職予定者と話をするのが難しくなります。
まさか会社にいて昨日のテレビ番組の話だけをすることはないでしょう?
たわいのない雑談でも、会社のことが話題に上がる可能性のほうが高い。
だからこそ、同僚の会話に混ざることが難しくなり、疎外感を感じてしまうのです。
影口を叩かれる
会社を辞めることがみんなに伝わると、途端に影口を叩かれることがあります。
会社を辞める理由や、ありもしない失敗やもめ事の話、退職してからの予定など。
本人そっちのけで噂だけが先行し、勝手に嫌な人として影口の対象になるのです。
まぁ、日ごろの行いもあるかもしれませんが、いづれにしても影口か噂話のネタになるのは間違いない。
しかもひそひそコソコソと話をされるものだから、気持ちの良いものじゃありません。
そして会社を辞める人が少ないほど、話のネタにされる可能性が高くなります。
もし話のネタにされても、気にしても仕方がないこと。
辞めさせることもできませんから、聞き流すしかありません。
気にしすぎの場合もある
自分で退職を気にしすぎてしまい、気まずくないのに「なんとなく気まずいな…」と感じることもあります。
お世話になった上司や先輩を裏切るような気持ちがきっかけとなり、考えすぎてしまうのです。
実際冷たい態度をとる人しかいない、ということはなく、普段と変わらない態度で接してくれる人も多いはず。
なのであまり深く考えないことも大切です。
余談:同僚に退職を自分から伝える必要はない
退職を決めたとき、職場の仲間に自分から伝えるべきか悩むことがあります。
ですが基本的に退職は、上司から全員に伝えてもらうべきです。
理由は簡単で…
- 一人一人伝えて回るのは大変
- 伝え漏れがあると揉める
- 退職を伝えるタイミングがある
…からです。
とくに「あの人は本人から聞いたけど私は聞いていない」といった妬みが起きた場合、さらに職場が気まずくなります。
なので退職は上司から全員に伝えてもらいましょう。
退職までのつらい時期を乗り切る方法
退職までの期間がどうしても気まずくてつらいときは、次の方法で会社にいる時間を減らしましょう。
- あいさつ周りに行く
- 有休を消化する
- 適当に理由をつけて休む
「引継ぎとかあるから休みにくい」と思うかもしれません。
ですが、はっきり言って退職する人が休んでも気にする人はいません。
また目の前にある仕事に全力で打ち込むのも方法のひとつです。
- 最後まで手を抜かない
- 完璧な引継ぎ書類をつくる
最後まで全力で仕事に取り組むと、あなたの評価も高くなります。
あいさつ回りに行く
あいさつ回りは営業だけじゃありません。
営業じゃなくても外部の担当者と関わりがあるのなら、引継ぎもかねてあいさつ回りに行く必要があります。
あいさつ回りに出てしまえば、社内にいる時間が減りますよね。
1日ですべて回るのではなく、数日に分けて回ればあいさつ回りに必要な時間も長くなります。
上手に予定を組み立てて、社内にいる時間を減らしましょう。
有休を消化する
有休が残っているのなら、退職する前に消化しましょう。
たいていの会社は退職する人に興味がないため、申請すれば有休を取得することができます。
毎週金曜日を有休にしたり、まとめて有休をとることもできるはずです。
もし取得させてもらえないなら「訴えますよ」といえばOK。
退職が決まっていれば遠慮する必要はありませんよね。
適当に理由をつけて休む
体調不良や子供の面倒を見るなど、適当に理由をつけて休むこともできます。
何度も言いますが、退職する人に「絶対に出勤しろ」という上司はまずいません。
なので「体調が悪いので休みます」といえば、理由を聞かれることもなく許可が出ます。
さみしい気もしますが、現実はそんなもの。
ただし、有休がなければ給与が減額されますので注意してください。
最後まで手を抜かない
引継ぎをするとは言え、最後までやるべき仕事はあるはず。
その仕事に全力で取り組みます。
不思議なもので、退職が決まる前と変わらない姿勢で仕事に取り組めば、周りも「本当に辞めるの?」と思い始めるもの。
するとなぜか雰囲気が、退職が決まる前と大して変わらない状態に戻るのです。
もちろん社員として最後の責任を果たすためにも、全力で仕事に取り組みましょう。
完璧な引継ぎ書類を作る
仕事が一通り終わっているのなら、完璧な引継ぎ書類を作ってはいかがでしょうか。
今までに4回転職を経験していますが、引継ぎが完璧だった会社はひとつもありません。
何かしら抜けがあるか、ひどい会社だと9割引継ぎがないこともありました。
それだけに、完璧な引継ぎ書類を残してくれれば、後任になる人もすごく助かるもの。
最後の仕事として完璧な引継ぎ書類作成に全力を注げば、周りの雰囲気も気にならなくなります。
気まずくても気にしない
最後に身も蓋もないことを書きます。
退職は会社の仲間じゃなくなるので、関係を保とうとするだけ無駄。
退職するのに最後まで気持ちよく働こうなんて、考えるだけ無意味です。
本当に仲が良ければ、会社を辞めても関係は続きます。
逆に会社の仲間だけであれば、退職が決まった瞬間に関係は途絶えます。
会社の人間関係なんてそんなもんです。
気まずいな・寂しいな・つらいなと、感じるだけ無意味。
どうせ会社を辞めるんですから、気まずかろうが疎外感があろうが、気にしないこと。
自分のやるべきことをきちんとやって、堂々と辞めていけばいいのです。