日本では採用してから配属する部署や仕事が決まる、メンバーシップ型の雇用が一般的です。
メンバーシップ型雇用の特徴は、会社のメンバー(仲間)を採用する、ところ。
そのため、途中で転職する方は「仲間から抜ける人」という見方をされてしまい、「裏切り者」だと言われることがあります。
最近はだいぶ「転職者=裏切者」と言う考え方は減ってきました。
それでも古い体質の会社では、いまだに「転職者=裏切者」だと考えていることがあります。
「働かせてもらっている」と言う危ない考え
終身雇用が崩壊したことでだいぶまともにはなってきましたが、いまだに「会社に働かせてもらっている」と考える方がいます。
また管理職や役員の中には、従業員を「会社で働かせてやっている」と考える方もいるようです。
「働かせてもらっている」と言う卑屈な考え方や、「働かせてやっている」と言う傲慢な考え方が社内にあると、退職者は裏切者になります。
つまり…
- 会社に働かせてもらっているのに、辞めるなんてとんでもないやつだ
- 働かせてやっているのに、その恩も忘れて辞める気か
…と言う考え方になるのです。
はっきり言って、考え方が危なすぎる会社ですよね。
人手不足の会社でも裏切り者扱いされることがある
人手不足の職場では、「今いる人員でカバーするしかない」とか、「仕事の遅れは連帯責任」などで従業員を心理的に縛り付けることがあります。
心理的に縛られた人手不足の職場では、誰かが退職しようとすると、「お前が辞めることで会社が潰れたらどうするんだ!」と言う圧力が従業員からかかります。
この圧力を無視して退職に踏み切ると、「あいつは会社を見捨てた裏切り者だ」と言われるのです。
人手不足の職場では、1人辞めるだけでも仕事が回らなくなります。
自分の負担を増やさないためにも、お互いに休んだり辞めたりしないか、監視する雰囲気が出来上がりやすいのです。
退職は裏切り行為ではない
「転職者=裏切者」は古い価値観です。
それこそ終身雇用が機能していて、1つの会社で定年まで勤めあげる時代に使われていた価値観なのです。
ですが職業選択の自由は憲法で保障されています。
つまりいつ仕事辞めようと、労働者の自由なのです。
転職や退職は裏切り行為ではありません。
大体仕事を変えるだけの話なのに、何を裏切ったというのでしょうね。
裏切り者だと言われても無視する
会社を辞めることは裏切り行為ではありません。
会社を辞めることは労働者の自由です。
もし会社を辞めるときに「裏切り者だ」と言われても、無視してください。
そして毅然とした態度で、会社を辞めることを伝えれば十分です。
退職を認めない、嫌がらせをしてくるなどの行為がある場合は、しかるべきところに訴えると伝えましょう。
あるいは証拠を集めて弁護士に相談したり、労働基準監督署に相談する方法もあります。
いずれにしても、裏切り者扱いをする会社がおかしいのは間違いありません。
なので相手にせずに、毅然とした態度で退職の意思を伝えることが大切です。
古い価値観で固まった会社は早くやめるべき
「転職者=裏切者」と言う、古い価値観のある会社は、早めに退職することをおすすめします。
なぜなら古い価値観のある会社では、セクハラやパワハラ、不正が横行しやすいからです。
言い方を変えれば昭和の考え方でいる人がいるため、時代の変化についていけなくなっている可能性が高い。
変化に対応する力がなければ、いずれ会社そのものがなくなるでしょう。
つまり古い価値観がいつまでも残っている会社は、いつかは沈む泥船のようなものだと思ってください。
泥船に乗っていたらいずれ沈没してしまいます。
そして会社を辞めずに泥船に乗っていれば、一緒に沈むしかなくなるのです。
そうなる前に、早めに退職して次の仕事を探しましょう。