先日上司が売上の三本柱について話をしてくれました。
その話を簡単にまとめると…。
客先を3つに分けることができるから、三本の柱があるといえる。
三本柱があれば、たとえ1本がだめになっても残りの二本で売上が維持できる。
というものでした。
さてこの話を聞いて思ったのは、「売上の三本柱」は弱そうだ、ということ。
そこでこの記事では、様々なところで使われる「三本柱」について説明しています。
「〇〇の三本柱」の意味について興味があるのなら、ぜひ最後まで読んでください。
そもそも三本柱とは
そもそも三本柱とは、いずれも欠かすことができない、重要な3つの要素を指すようです。
また人は3つまでなら一度に把握できるため、「3大〇〇」や「3つにまとめる」など、3を使うことが多くあります。
おそらくその流れから、何かを継続するために重要な3つの要素として、「〇〇の三本柱」と表現しているのでしょう。
売上の三本柱はなぜ弱いのか
さて、なぜ「売上の三本柱」が弱いと感じたのか。
その理由は2つ。
ひとつは「売上」を支える3つの柱が「売上」だという矛盾。
もうひとつは客先を3つに分けたとしても、販売している商品は同じだということです。
支える柱は別のものじゃないと意味がない
何かを支えるための三本柱は、支えられるものとは違うものじゃないといけません。
例えば「営業」の三本柱を考えるなら、「商品力・提案力・信頼関係」や「プロセス・マインド・テクニック」などが思い当たります。
つまり先ほど紹介した売上の三本柱は、「A地区の売上・B地区の売上・C地区売上」に細分化しただけ。
これでは三本柱として弱すぎますし、同時にすべての柱がダメになる可能性さえあるのです。
支えるものと柱が同じだとなぜダメなのか
例えばメインの商材が「パソコン」だった場合。
A地区・B地区・C地区に「パソコン」を販売している以上、それは「パソコンの売上」です。
「パソコンの売上」を「3つのパソコンの売上」で支えるという考え方はおかしいですよね。
それにA地区の売上が落ちた時に、B地区とC地区でカバーすることが、本当にできるかどうかも疑問です。
もっと言えば「パソコン」の需要が減ってしまえば、「売上の三本柱」すべてがダメになります。
つまり「三本柱」を考えるのであれば、支えるものと柱は別のものでないとダメなのです。
売上の三本柱を作って安心するのは危険
また売上の三本柱を作り出し、「一本がだめでも残りの二本でカバーできる」、という考え方は非常に危険です。
理由は先ほども書いたように、売上を支えている三本柱がすべてダメになる可能性もあるからです。
三本柱すべてがダメにならないとしても、一本の柱で落ち込んだ売上を、残り二本の柱でカバーするのは至難の業。
いや、ほぼ不可能に近い話でしょう。
だからこそ「売上の三本柱がある」と考え安心してしまうと、いつか大きな落とし穴に落ちてしまいます。
売上より事業の三本柱
売上を維持するための三本柱を作るなら、3つの事業を行うべきです。
例えば「パソコン」だけではなく、「スマホ」や「半導体」、「介護」や「電気自動車」などを手掛けることです。
異なる3つの事業で売上が確保できるようになれば、会社の経営は安定しやすくなります。
どれか1つの柱がダメになったとしても、残りの2つの柱で経営を支えることもできるでしょう。
なぜなら事業を3つ行うことで、三本の柱が共倒れする可能性は低くなるからです。
売上の三本柱を作るなら「商品・顧客・従業員」で考える
どうしても売上の三本柱を作りたいのなら、「商品・顧客・従業員」で考えてみてはいかがでしょうか。
なぜなら「商品・顧客・従業員」の3つは、売上を出すために欠かせない3つの要素だからです。
また「商品・顧客・従業員」の3つを柱とすることで、売上が伸び悩んだ時の問題点を探す基準にすることもできます。
商品力がないのか、顧客が少ないのか、従業員のレベルが低いのか、問題に応じて考えることができるのです。
売上を支える三本柱を売上にするのは無理があります。
ですが「商品・顧客・従業員」であれば、十分三本柱として機能するはずです。
三本柱は何かを維持するための重要な3要素のこと
「三本柱」とは、何かを維持するために重要な3つの要素のことです。
そのため、3つが同時に機能しなくなる可能背があると、三本柱とは言えません。
なので、同時に機能しなくなる可能性がある「売上を売上で支える三本柱」は、非常に弱いといえます。
もし売上の維持を考えるのであれば、「事業」で三本柱を作ると安定しやすくなります。
あるいは売上を「商品・顧客・従業員」に分けて考えてみても、いいのではないでしょうか。