現品管理(現物管理)にお金を注ぎ込むのは無駄

生産性のない仕事にお金を注ぎ込むのは無駄

売り上げや利益に直結しない仕事に、従業員の労力(人件費)を注ぎ込むは無駄でしかありません。

なぜならお金を使っても、1円も稼いでくれないから。

例えば、管理するために非生産部門の人員を増やしたり、中途半端な在庫管理システムを導入したり、現品管理(現物管理)を人の手でしようとすることです。

生産性のない仕事にお金をかけても、新たなお金を稼ぐことはできません。

同じお金を使うのなら、1円でも多く稼いでくれる部署や人に使うべきです。

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現品管理(現物管理)は難しい

会社にありがちな思いとして、「棚卸の数字をきれいに合わせたい」、というのがあります。

ぼくの経験だけで話をすると、経理などの管理部門が強い会社では、不思議と棚卸の数字を合わせようとする傾向が強いようです。

しかも面白いことに、どの会社でも日割りで材料や消耗品の数量を管理しようとします。

管理方法はエクセルで表を作り、現場で毎日使用した量を数えさせる現品管理を行う、というもの。

毎日使った量と、購買が仕入れた量を管理できれば、棚卸の数値がよくなると思い込んでいるのです。

現品管理(現物管理)でも誤差はでる

いくつかの会社が同じようなことをやろうとしていましたが、一つもうまくいっていません。

理由は簡単で、使った量を管理しても在庫量が安定しないからです。

「よくわからない」と言われそうなので、少しだけ詳しく解説します。

例えばAという商品の棚卸数が20個だったとします。
そして現場で5個使い、購買で15個仕入れました。
すると「理論上」は、Aの在庫は30個になりますよね。

「現品管理しているから棚卸は完璧だ!」と、在庫数を数えたら25個しかありません。

なぜでしょうか?

答えは「紛失」や「廃棄」、「盗難」「数え間違え」「処理のミス」などを考えていないからです。

冗談のような話ですが、現品管理で在庫を管理しようとすると、どの会社でも似たようなことが起こります。

違う部署の人が持って行ったり、「サンプルにする」と言って営業が持って行ったり、ふとしたことで紛失したり、伝票を書くのを忘れたり…などなど、在庫が動く理由は無数にあるのです。

つまり現品管理をしても、誤差は出るのです。

現品管理に人件費を割くのは無駄でしかない

これは実感として感じていることですが、現品管理を行うために人件費を割くのは、無駄でしかありません。

理由は先ほど書いたように、現品管理しても在庫がずれる可能性が沢山あるからです。

ですが面白いもので、かなりの確率で現品管理にチャレンジする会社があります。

ある意味現品管理は、「理想的な在庫の管理方法」なんですよね。

エクセルで表を作り、作業員に使用量を書きださせ、さらにそれを入力する。
あるいは管理システムを導入し、在庫数を毎日確認していく。

そして棚卸の時に気が付つきます。

「あれ? 数字は入力されているけど、全然管理できていないな」と…。

管理するなら使用量と在庫を確認する

もし本気で在庫数を管理したいのなら、毎日在庫数を数えるしかありません。

先ほども書いたように、在庫が変動する要因はものすごくたくさんあります。
使った量だけで在庫を管理しようとしても、在庫が変動した原因を特定することは難しいのです。

だからこそ在庫数を毎日数えれば、在庫がずれた日に把握することができます。

それこそパーフェクトな棚卸を行うことができるでしょう。

といっても、在庫がずれてしまえば結局はロスになるので、棚卸の数値は変わらないんですけどね。

現品管理を行う会社が少ない理由

毎日在庫を確認すれば、それこそパーフェクトな棚卸を行うことができます。

理論上の在庫と実在庫の数があり、棚卸でのロスはゼロにすることもできるでしょう。

これだけ聞けば、すごくメリットがありそうですよね。

ただ実際に現品管理を行う会社は多くありません。

理想的な管理方法なのに実行する会社が少ない理由は…

  • 管理に工数がかかりすぎる
  • システムの導入費用が高い
  • 棚卸だけで充分管理できる

…からです

例えば日割りで在庫を管理していて、4月に100円のロス、6月に100円のロスが出た場合と、9月の棚卸で200円のロスが出た場合を考えてみてください。

結果としてロス金額は同じです。

ただし毎日在庫を数えるのにも時間がかかりますから、現品管理を行う分人件費が高くなりますよね。

つまり現品管理を徹底しようとすると、メリットよりも工数のほうが多くなる、と言えるでしょう。

現品管理をやるならすべてシステムで行う

もし現品管理を行いたいのなら、人の手が一切入らなにシステムを導入するべきです。

なぜなら人は間違いを犯すものだから。

最近ではバーコード管理や、センサーによる移動の管理が行えるようになっています。

センサーで管理すれば、数値の間違いが起こることはほぼないでしょう。

また、生産予定にない在庫が動いたときは、アラームが鳴るようにしておけば完璧です。

お店の万引き防止システムみたいですけどね(笑)

現品管理を徹底したいのなら、すべてをシステム化したほうが、結果的に安く済みますし、間違いも起こりにくくなります。

最後に

何を隠そういまぼく自身が「無駄だなぁ」と思いながら、現品管理用のエクセルファイルを作っています(笑)

たぶん現品管理の表を作るの、これで3社目くらいかなぁ…。

どの会社でもうまく機能しないうえに、現場の管理業務を増やすため、本当に無駄なんですよね。

できれば現場には、管理じゃなく生産に集中してもらいたいところ。

ただ上役(社長や専務など)が、「棚卸の管理を見直す!」と言い出すと、いち社員ではどうすることもできません。

できることといえば、できるだけ早く表を完成させて、その意味のなさに気が付いてもらうことだけ。

「本当に意味がないの?」

と、思う方がいたら、ぜひ自分で表を作って運用してみてください。

保管場場所の整理と指示、運用方法の徹底と教育、入出庫時の検品、日々の入出庫入力、在庫がずれた時の追求、定期的な一斉棚卸の実施などなど…。

そのうえ頻繁に起こる理論在庫と実在庫のずれ…。

運用にかかる手間暇がすごいだけじゃなく、棚卸で全然機能しなくて愕然としますから。

はっきりいって人の手だけで現品管理を行うのはほぼ不可能。

だから現品管理にお金を注ぎ込むのは無駄なんです。

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