私は営業と経営支援の仕事をしていたころ、大失敗した経験があります。
今思えば失敗するべくして失敗したと分かるのですが、当時は失敗をするとは考えていませんでした。
ここではそんな私の失敗談を紹介していきます。
私が失敗したのは就職をして2年目の新人の頃です。
上京して都内で働きだして、少し緊張の糸が緩んでいた時期です。
さらに、後輩が入ってきていたので、後輩にいいところを見せようと頑張っている時期でもありました。
2年目は社会人経験からすれば新人ですし、先輩のアドバイスがまだ必要な時期だったでしょう。
私は1年目で先輩のお陰で売上目標を達成して調子に乗っていたのです。
そんな私の2年目に入ると営業だけはなく、他の経営戦略も任されるようになりました。
仕事が兼務になったことで、私は1年目よりも多忙になったのです。
残業をしても仕事が終わらず、夜遅くまで仕事をする日々が続きました。
経営戦略は誰も手伝ってくれないので、私一人で黙々と資料を作る日々でした。
営業はまだ2年目ということもあり、先輩にも手伝ってもらって仕事を進めていました。
先輩に手伝ってもらえば、多少私が手を抜いても、仕事がスムーズに進んでいきます。
なので、つい先輩に甘えてしまいました。
それだけではなく、甘えることで仕事が上手くいっていたことから、細かいが考えられなくなっていたのです。
ある日のこと。
会議室にこもって資料を作っていると先輩から電話がありました。
私が担当していたお客さんから、問い合わせがきているというのです。
そのお客さんは後輩に引き継いで、後輩が担当しているはずでした。
しかし、お客さんは私に問い合わせをしてきていると言うのです。
疑問にも思いましたが、すぐに客先に向かった記憶があります。
担当を引き継いだ後輩はそのときいなかったので、私が一人で客先へ行くことになりました。
客先でお客さんから言われたのは、担当者を変えないと契約しないという話でした。
私が担当者に戻るのであればいいが、そうなれなければ契約を打ち切ると言われたのです。
後輩を信じて任せたのに、全然お客さんから信頼を得られていなかったようです。
とはいえ後輩を責めてもどうにもなりません。
困った私は先輩に相談をして、私が再び担当することになりました。
しかし、客先が増えると私の仕事量はもっと増えてしまいます。
経営戦略に客先のフォローなどの仕事に追われ、深夜残業や休日出勤が増えて体調を崩すようになったのです。
そんなとき、私に担当が戻ったお客さんから連絡がありました。
次の契約について話し合いたいという連絡です。
営業として考えれば、願ってもいないチャンスです。
ですが、仕事に追われる多忙な日々を過ごしていた私は、営業や成績のことなど考えられなくなっていました。
期限の迫っている経営戦略の資料を仕上げることしか、頭になかったのです。
なかなかお客さんに連絡をできずにいると、ありがたいことにお客さんから何度も連絡をもらいました。
そして、新しい契約のプレゼンと打ち合わせを行うことになったのです。
結果から言うとそのプレゼンは大失敗でした。
とにかく経営戦略を終わらせたいと考えていた私は、プレゼン資料作成の手を抜いてしまったのです。
出来上がったプレゼン資料はただ数字を並べただけのもの。
どんなに熱心に説明しても説得力がありません。
しかも数字が並んだだけの資料では、手を抜いたことが一目でわかります。
当然、客先の担当者が怒ってしまい、プレゼンの間中私のほうをにらんでいたのです。
自分が招いた結果とは言え、散々な結果にすっかり落ち込んでしまいました。
そんな私のピンチを救ってくれたのは、いつも営業を手伝ってくれる先輩です。
プレゼンに失敗したことを先輩に報告すると、すぐにお客さんに連絡を入れ、プレゼンのやり直しをお願いしたのです。
そして新しい資料は先輩が中心となって作成。
さらにプレゼン自体も先輩が行い、客先から高評価を得ることができたのです。
私の失敗で契約打ち切り寸前までいった取引先でしたが、先輩のおかげで契約を延長することができたのです。
当時の私は、調子に乗っていたのだと思います。
もちろん仕事が忙しいことによる疲れもありました。
ですが冷静に考えてみれば、忙しいことを先輩や上司に報告し、プレゼンを手伝ってもらえばよかった話です。
きっと先輩の手伝いがあったからうまくいっていた営業を、自分の力だと勘違いしていたのだと思います。
大きな取引でも私一人でできると思い込んでいたのです。
私はこのプレゼンの失敗で、チームで動くことの大切さを学びました。
きっと先輩がいなかったら、私のせいで会社に大打撃を与えていたかもしれません。