サービス残業を強制する手口は昔からあります。
例えば…
- 経営陣が労働基準法を理解していない
- コスト削減のため
- みんなやっているからという洗脳
…などが有名でしょうか。
そして最近知ったサービス残業を強制する手口が、残業を規制する方法です。
この記事では、残業を規制することでサービス残業をやらざるを得なくする手口について紹介します。
残業への規制が強くなる中で、似たようなケースでサービス残業を行っている方が増えているようです。
残業を時間で管理する
最初に始まったのは、残業時間の規制です。
残業を行う場合は当日の15時までに上司に申告し、許可を得てから行うように社内の体制が変わりました。
ここまでは普通の残業管理です。
違っていたのは、残業時間が多くなると人事から直接注意を受けることです。
本来であれば残業を許可した上司が注意を受けるべきですが、この会社では社員が直接注意されていました。
「なぜこんなに残業が多いのか」
「どうして残業しないといけないのか」
などなど、半分怒ったような口調で責められますから、残業をした社員はたまったものじゃありません。
残業を規制し定時で退社できるようにする取り組みは、とても良いことです。
ですが許可を取って残業を行った社員を直接注意するのは、どう考えてもやりすぎですよね。
仕事を何としても終わらせろと迫る
残業の規制が行われた次に始まるのが、上司からの「仕事を終わらせろ」というプレッシャーです。
ぼくが経験した最悪のケースは、「上司が設定した工期に間に合わない場合は残業を申請しろ」というもの。
これは言い方を変えれば、「徹夜でも何でもして、工期は絶対に守れ」と同じになります。
「工期は絶対に守れ」といわれるだけでも相当なプレッシャーです。
ですが残業を申請して許可を取っていても、残業時間が増えると人事から注意を受けます。
「工期を守るために残業しろ」と言っているのに、「残業をするな」とも言っているのです。
2つの矛盾が社員をサービス残業へと向かわせる
「工期を守るために残業しろ」と言いながら、「残業をするな」と怒られる。
つまり社員は2つの矛盾したプレッシャーに悩まされることになります。
すると「とにかく仕事を終わらせないと」と社員は考えるようになり、ついには自らサービス残業を始めてしまうのです。
工期に遅れれば怒られますし、残業をしても怒られるわけです。
怒られないようにするには、工期に遅れないために仕事をし、残業をしないようにするしかありません。
つまり、サービス残業を行うしかなくなるのです。
「時間外の仕事は行わない」という選択肢はない
ここで疑問に思うのが、「時間外の仕事を行わない」という選択肢がないのか、ということ。
残業代がつかない仕事を行うのはバカバカしいですよね。
いくら工期を守れと言われても人事が残業を認めないのですから、できない仕事は断ればいいはずです。
と、まぁ理屈ではそうなのですが、現実はそうはいきません。
面白いもので、誰かが工期に間に合わないと、上司ではなく周りの人が責め始めるのです。
枠からはみ出た人を責める人たち
誰でも一度は見たことがあるはず。
決まった枠からはみ出た人が、周りから責められている姿を…。
これは会社でも同じです。
「工期を守れ」と言われているのに守らないと、周りから責められます。
またみんながサービス残業を行っているのに、自分だけ定時で帰っていると、同じように責められるものなのです。
つまり、サービス残業を強制する会社で働くのなら、サービス残業を行うしかない、という現実があります。
不思議なもので、枠からはみ出ようとする人をみんなで叩き、同じように枠にはめようとする。
そんな感覚を持った方が多いんですよね。
サービス残業を受け入れるか退職するか
残業を断ることができない以上、残された道はサービス残業を受け入れるか退職するか、しかありません。
個人的にサービス残業を強制するような会社は、退職することをお勧めします。
とはいえなかなか退職できないのも事実。
もし退職できないのであれば、変に何かを変えようとするのではなく、受け入れたほうが気持ちは楽になるはずです。
ただし、サービス残業が当たり前になるわけですから、肉体的につらくなりますが…。
2つのプレッシャーがある会社は要注意
入社してみないとどんなプレッシャーがあるのかはわかりません。
ですが、もし入社してから「仕事を終わらせろ!」というプレッシャーと、「残業するな!」というプレッシャーがあるようなら要注意です。
会社にそのつもりがなくても、自然とサービス残業を行うようになってしまうからです。
特に2つのプレッシャーと膨大な仕事がある場合は、特に注意が必要です。
ぼくの知っている限りでは、2つの異なるプレッシャーにつぶされて、入社3か月でメンタルをやられ、退職していった方がいます。
いまは残業規制が強くなり、終わらない仕事とできない残業に悩まされるケースが多くなっています。
意図せずサービス残業をせざるを得ない状況に追い込まれている方も多いはず。
もしどうしようもないほどつらいのなら、早めに転職を考えたほうがいいかもしれません。