職場の人間関係に悩んでいる人は多いもの。
人によっては、人間関係が嫌で転職に踏み切った方もいるでしょう。
ですが人間関係をリセットするために転職したのに、「職場の人間関係になじめない」「険悪な雰囲気がある」「何もしていないのに嫌われている」と感じる方も少なくないようです。
どうして転職後の人間関係で失敗してしまうのか。
そんな転職後の人間関係に悩んでいる方に向けて、この記事では、考えられる原因と対策について紹介しています。
すべて実体験に基づいて書いていますから、ぜひ参考にしてください。
中途採用は部外者
まず覚えておいてほしいことは、中途採用は部外者だということ。
転職をすれば働く会社が変わるだけではなく、服装や行動、言葉さえも変わってしまいます。
極端な話をすれば、転職は日本から海外に引っ越しをするくらいのギャップがあるものです。
だからこそ、「この人達は何を話しているのだろう…?」と思うことが頻繁に起こります。
会社で使う言葉や、その会社にいる人たちが馴染んだ習慣は、外から見れば別の世界の人の世に感じるもの。
逆に言えば、その会社に長くいる人から見れば、中途採用は異質な存在であり、完全な部外者なのです。
「仲間としてみてもらえない」わけですから、行動を誤れば簡単に人間関係で失敗してしまいます。
では、「部外者」である中途採用が人間関係で失敗しないためには、どうすればよいのでしょうか。
人間関係で失敗しないためには
中途採用が人間関係で失敗しないためには、いくつか注意するべきことがあります。
挨拶は自分からする
まず大切なのは「あいさつ」です。
「そんなのあたりまえだろ」と思うかもしれません。
ですが、挨拶ほど重要なものはないのです。
と、ある人間関係が面倒くさいスーパーで働いていた時に、先輩から教わった会社になじむ秘訣は「あいさつ」でした。
ポイントは足を止めて相手の目を見て、お辞儀をしながら「おはようございます」とあいさつをすること。
歩きながらや着替えながらなど、何かをしながら挨拶をしてはいけません。
足を止めて相手の目を見ることで、相手に重要感を感じてもらうことが大切です。
たかが挨拶、されど挨拶。
挨拶をきちんとすると、人間関係が目に見えてよくなっていきますよ。
自分の役割をきちんとこなす
次に大切なことは、与えられた仕事をきちんとこなすこと。
特に中途採用の場合は、「言わなくても自分でできる」と思われがちです。
だからこそ、与えられた役割をこなせないと、途端に「仕事のできない人」「何をしているかわからない人」という目で見られてしまいます。
一度偏見の目で見られてしまうと、立て直すのがものすごく大変になってしまうもの。
できれば転職する前に、遅くても初出勤の日までに、上司に「何を期待して採用したのか」を確認してください。
そして、「自分に求められている役割」を理解したうえで、期待に応えられるように精いっぱい仕事をするようにしましょう。
立ち位置を見極める
自分の立ち位置を見極めることも、人間関係で失敗しないためには大切なこと。
先ほども書いたように、「自分の役割」を把握していれば、立ち位置も自然と理解できるはずです。
注意点としては、「自分の役割の最終到達点」を短期間の目標にしないこと。
なぜなら上司や採用担当者は、「ゴール」だけを夢見て話すことが多いからです。
例えば上司に「問題を解決してほしい」と言われたからと言って、会社になじむ前に問題に着手すると、多くの場合煙たがられます。
それこそ周りから、「部外者が何言ってやがる」と思われてしまうものです。
いきなりすべてをやろうとするのではなく、まずは自分の立ち位置を見極め、少しずつゴールを目指すようにしてください。
できない仕事は引き受けない
できない仕事は引き受けないことも大切。
なぜならできない仕事を引き受けて失敗すると、取り返しのつかない事態になるからです。
下手をすると「できないことを引き受けるなよ」とか、「なんであいつに任せたんだ?」とか、様々な影口を言われるようになってしまいます。
実際に、入社3か月で部長代理を引き受けた転職者がいました。
が、入社3か月で業務すべてを理解できるはずもなく、任された業務の1/3もこなせなかったのです。
その結果業務全体が滞ってしまい、周りの人たちに多大な迷惑をかけることに…。
結局その転職者は失敗した後、周りの冷たい視線に耐えることができず、仕事を辞めてしまいました。
どんなに仕事のできる方でも、新しい職場の仕事の流れを理解するのには、ある程度の時間が必要です。
だからこそ、自分で処理できない仕事は、引き受けないようにしてください。
もし引き受けざるを得ない場合でも、誰かに補佐をお願いするとか、失敗しないための対策を立てておくことが大切です。
前職のやり方を持ち込まない
転職者が一番嫌われるケースは、前職の話ばかりすることです。
「前職の〇〇では…。」「私が以前勤めた会社(〇〇㈱)では…。」などなど。
ことあるごとに前職の会社名を持ち出し、自分のほうがものを知っている雰囲気を醸し出すと、例外なく嫌われます。
たとえ言っていることが正しいとしても、言われている側とすればどうしても上から目線に見えてしまい、気分がよくないものです。
初めて転職を経験する方ほど、つい前職の話をしてしまいがち。
ですが今働いている会社と前職は、全く違う会社であることを忘れないでください。
たとえ親会社と子会社の関係でも、前職の話は絶対に持ち出さないこと。
聞かれたときに応えるのは問題ありませんが、自分から話すことはやめましょう。
時間が解決してくれることもある
人間関係の問題は時間が解決してくれることもあります。
ぼくの経験として…
- 1年目…使えないやつ、ダメな奴と言われ続ける
- 2年目…影口が減り始め、少しずつ職場になじんでくる
- 3年目…影口がなくなり、仕事も増え始める
- 4年目…重要な仕事を任され始める
…といったケースもありました。
正直な話1年目は辞めたくて仕方がなかった。
毎日影口を言われ、「何のためにこの会社にいるんだろう」と悩んだものです。
ですが時間が経つにつれて周りの雰囲気も変わりだし、3年が過ぎたころには重要な仕事を任されるほどになっていたのです。
最初は部外者ですから、なじめなくて当たりまえ。
ある程度の期間我慢して働いていれば、自然と馴染めることもあります。
まとめ
転職者が人間関係で失敗しないために大切なことは、「部外者だ」という自覚を持つこと。
そのうえで、挨拶は自分から行い、与えられた役割を全力でこなしてください。
そして自分の立ち位置を理解し、余計なことに首を突っ込まないことです。
もちろん前職のやり方を持ち込むのはご法度。
あくまでも部外者ですから、仲間と認められるまでは、コツコツと努力することが大切です。