部下に仕事を任せることが苦手、という上司は意外と多いようです。
ぼくが今まで出会った上司の中にも、部下に仕事を任せられない人がたくさんいました。
なぜ、部下に仕事を任せられないのか。
その理由は大きく3つあります。
- 部下の能力がわからない
- 部下と信頼関係ができていない
- 上司が保身に走っている
ただ仕事を任せるために部下の能力を把握したり、信頼関係をこれから築くとなれば時間がかかります。
そこでこの記事では、どうやれば部下に仕事を任せやすくなるのか、その方法について紹介します。
やってほしいことを明確に伝える
部下に仕事を任せるときは、何をしてほしいのかを明確に伝えます。
伝える内容は次の4 つ。
- その仕事の目的
- 仕事を終わらせる期間
- 望む結果(ゴール)
- なぜその仕事を任せるのか
- 定期的な報告
まずその仕事の目的は必ず伝えてください。
何のためにやるのかがわからなければ、部下は自分で判断できなくなります。
次に必ずその仕事を行う期間を決めること。
期間が決まっていなければ、だらだらと続いてしまい、そのうちやらなくなります。
その仕事で上司が望む結果(ゴール)についても話をしてください。
またゴールにたどり着けるのなら、やり方は問わないことも伝えます。
そして部下のどの部分を評価して仕事を任せるのか、理由も話してください。
仕事を任せた理由を伝えることで、部下のやる気を引き出すことができます。
最後に期間を決めて報告するように伝えてください。
部下に任せるといっても、放置はだめです。
上司は部下のサポートに徹する
部下に仕事を任せるときに大切なのは、上司はサポートに徹すること。
間違っても途中で口出ししてはいけません。
もちろん手を出すのもダメです。
途中で改良を求めるのも、あとから注文を付けるのもダメです。
任せた以上は部下にすべてをやってもらうことが大切。
上司がやるべきなのは、部下が働きやすくなるように、サポートすることです。
全員の前で任せたことを伝える
部下に責任感を持たせたいのなら、関係者の前で「この仕事のリーダーは○○さんに任せた」と、発表することが効果的。
関係者も誰がリーダーか理解できますし、仕事を任された部下にも緊張感を持たせることができます。
さらに事前にみんなの前で伝えることを話しておき、意気込みを発表してもらうなどしてもいいでしょう。
みんなの前で発表することで、部下はより頑張ろうと思ってくれるものです。
定期的に進捗を確認する
部下からの報告を待つのではなく、自分から進捗を確認することも大切。
ただし、余計な口は出さないこと。
あくまでも進捗を確認するだけにして下さい。
そして困ったことがあったら、いつでも相談に乗ることを伝えておきます。
部下にしてみれば、困ったら助けてもらえると思うだけで、安心感が得られるものです。
そして声をかけることで、仕事を見てもらえていると思ってもらえます。
大切なのは「余計なことは言わない」「余計な手出しはしない」です。
あくまでも、今どんな状態なのかを確認し、励ます程度にしてください。
仕事を任せることで部下は成長する
実際に仕事を任された人を何人も見ていますが、みんな前向きに仕事に取り組んでいます。
というのも、仕事を任せた上司の対応が素晴らしく、サポートに徹しているからです。
仕事を任せると、部下は成長します。
自分で考える力や責任感が身に付き、より大きな成果を上げてくれるものです。
部下の成長を望むなら、積極的に仕事を任せるべきです。
責任の薄い仕事を任せてもいい
部下に任せる仕事は、何も売り上げや利益に直結するものだけ、とは限りません。
例えば事務所や現場をきれいに保つために、5S活動のリーダーを任せることもできます。
挨拶を徹底するために、あいさつのリーダーを任せてもいいでしょう。
現場の導線を考え、配置換えを仕切るリーダーを任せる、ということもできます。
考えれば様々な形で仕事を任せることはできるものです。
「部下の能力がよくわからない」
そう思うのなら、まずは社内改善のリーダーを任せてみてはいかがでしょうか。
最後に
仕事を任せることで、部下は大きく成長します。
担当者の時は頼りなかった部下も、リーダーを任せた途端に力を発揮する、なんて話もたくさんあるものです。
仕事を任されると、信頼されていると感じます。
その信頼が「下手な仕事はできない」という思いに代わり、そして部下の成長につながるのです。
なので「不安だから任せられない」ではなく、「不安だから成長してもらうために任せる」ことが大切。
よっぽどダメな人でない限り、仕事を任せることで成長するものです。