パートの仕事というと、子供が保育園や学校に通っている間だけ働いて、休みや労働時間の融通もききやすい。
社員のような重い責任もなく、仕事も比較的簡単な内容のものだけ。
そんなイメージがありますよね。
ぼくは8年間ホームセンターの店長としてたくさんのパートと一緒に働きましたが、似たようなイメージを持っていました。
なぜならパートを募集するときは、家事がひと段落した時の空き時間を使って働けるように、時間を短く設定していたからです。
また、なるべく家事に影響が出ないように配慮していたことも、固定したイメージを持つ原因になったかもしれません。
ですが実はこのパートの仕事に対するイメージは、少しだけ違っているんですよね。
ということで、この記事ではパートの仕事の範囲について紹介します。
パートの仕事の範囲
いきなり結論を書きますが、パートの仕事の範囲は会社との契約で決まります。
なので、社員より楽な仕事、休みがとりやすい、時間が短いなどのイメージは、あくまでもイメージでしかないのです。
つまり、会社との契約の内容によっては、社員並みに働くことも十分あり得ること。
パートだからと言って、仕事の範囲が社員と違うわけではないのです。
パートの仕事に社員より楽なイメージがついたわけ
ではなぜ、パートの仕事に時間の融通がきくとか、社員より仕事の責任が軽い、などのイメージがついたのでしょうか。
その理由をわかる範囲で説明しますね。
パートは短時間労働者のこと
まず時間の融通がききやすいというのは、パートが通常の労働者より勤務時間が短い、短時間労働者だからです。
例えばお店の求人では、勤務時間を午前と午後、夕方以降に分けて募集していますよね。
つまり、空き時間を利用して働くことができることから、時間の融通がききやすいというイメージがついたと、考えられます。
社員から指示を受けて働く
「社員より責任が軽くて気軽に働ける」というイメージは、仕事の指示が社員から出ることからついたと考えられます。
普通に考えて、仕事の指示を出す人より重い責任を負うことはありませんよね。
だから社員より責任が軽く気軽に働ける、というイメージがあるのでしょう。
厚生労働省の指針がある
とはいえ多くの人に似たようなパートのイメージがあるのは、厚生労働省の指針があるからです。
例えばパートの労働時間については、個々の事情を十分に配慮して決めることとか、残業はできる限りさせないように努力するとかと、『事業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理の改善等に関する措置等についての指針』として公開しています。
この指針があることで、パートの個々の事情に配慮して採用する会社が多いのでしょう。
なので、パートは時間の融通がききやすく、休みなども取りやすくなっていると考えられます。
仕事の範囲も責任も社員との差はない
さて最初にも書いた通り、パートの仕事の範囲は会社との契約で決まります。
なぜなら仕事の範囲や責任の重さについて、別段考慮するようにはなっていないからです。
つまり仕事の範囲も責任も、そして労働時間や休日も、「社員との差はない」ということです。
社員と仕事の範囲が異なる理由
社員とパートの仕事の範囲が異なるのは、1日に働ける労働時間が違うからです。
また社員は期間の定めがない「無期雇用契約」ですが、パートは期間の定めがある「短期雇用契約」なのも影響しています。
なので、どうしてもパートには、短時間で終わる範囲の仕事しか任されない傾向があります。
これはぼくが店長をやっていた時も同じでした。
時間のかかる仕事を任せてしまうと、どうしてもしわ寄せが勤務時間の長い社員に来てしまうからです。
つまり社員とパートで仕事の範囲が異なるのは、仕事をうまく回すために働ける時間に応じた仕事を任せているからです。
仕事の責任に差はない
当たり前の話ですが、パートでも仕事に責任があります。
もしパートは仕事に責任を負わなくて良ければ、適当に仕事をしても良いことになってしまいますよね。
それでは、雇った側も困ります。
また、適当な仕事をするのなら、雇わない方がマシだと思うでしょう。
つまり、パートでも任された仕事はキチンとこなさないといけない、最低限の責任があるわけです。
当然残業もある
そしてもう一つ当たり前のことですが、パートでも残業はあります。
確かに個々の事情を考慮するよう厚生労働省の指針が出てはいますが、「残業をさせてはいけいない」とは書かれていません。
なので、仕事が忙しければ残業を依頼されることも十分あり得ます。
パートだから残業ゼロで、時間になったら帰っていいわけではありません。
最後に
今回は以上です。
パートの仕事の範囲にイメージがついた理由と、仕事の範囲について紹介しました。
パートの仕事が楽とか、社員より簡単だというのは、イメージでしかないんですよね。
実際には社員とパートの仕事の範囲に差はありません。
もちろん仕事に対する責任も、社員とパートに差はありません。
といっても、給与や勤務時間に違いがありますから、自然と仕事内容や責任の重さも異なってきます。
もしパートが社員と全く同じ仕事で、全く同じ内容の仕事を任されているのなら、当然給与も同額にするべきです。
そのために同一労働同一賃金が施行されたのですから。
この記事がパートの仕事の範囲がわからずに悩んでいる方の、参考になれば幸いです。