
高確率でお願いを聞いてもらう方法があったら、きっと人生が楽しくなりますよね。
好きな人と出かけたり、ほしいものを買ってもらえたり、想像しただけでも夢が広がります。
でも実際にお願いを聞いてもらうのは、かなり大変なこと。
ちょっとした頼み事でも精いっぱい気を遣わないと、相手の機嫌を損ねてしまいます。
そんな苦労をしている方にこそ、知ってほしいテクニックがあります。
それは次の5つ。
- カチッサー効果
- ドア・イン・ザ・フェイス
- フット・イン・ザ・ドア
- YESの法則
- ダブル・バインド
言葉だけ見ると難しそうな気がしますよね。
でも実際はすごく簡単。
たとえばカチッサー効果なら「~なので~させてください。」の形でお願いをするだけ。
ダブル・バインドは、2つの選択肢を提示して、相手に選ばせるだけです。
知っているだけでお願いを通しやすくなるテクニックですから、ぜひ最後まで読んでお願い上手になってください。
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カチッサー効果
カチッサー効果は「~なので~させてください。」の形でお願いするだけ。
これは「コピーの実験」でその効果が実証されています。
コピーの実験とは
カチッサー効果は、簡単なお願いをするときに効果的な方法です。
その効果を実証したのが、心理学者ランガーがコピーの行列で行った「コピーの実験」
コピーの実験は、被験者がコピー機で順番待ちをしている列の先頭へ行き、次の3通りの言い方で頼むというものです。
- 要求のみを伝える:「すみません、5(20)枚なのですが、先にコピーをとらせてもらえませんか?」
- 本物の理由を付け足す:「すみません、5(20)枚なのですが、急いでいるので先にコピーをとらせてもらえませんか?」
- もっともらしい理由を付け足す:「すみません、5(20)枚なのですが、コピーをとらなければいけないので先にコピーをとらせてもらえませんか?」
この時の結果は次のようになっています。
枚数が5枚の場合の承諾率
- 要求のみを伝える:60%
- 本物の理由を付けたす:94%
- もっともらしい理由を付けたる:93%
枚数が20枚の場合の承諾率
- 要求のみを伝える:24%
- 本物の理由を付けたす:42%
- もっともらしい理由を付けたる:24%
この結果から次の2つがわかっています。
- 「~なので~させてください。」と理由を付けると承諾されやすい
- 些細な頼み事の場合は、頼み事と理由に関係がなくても承諾されやすい
簡単なお願いをするときに効果的
カチッサー効果は、簡単なお願いをするときに効果的な方法です。
たとえば好きな人を誘うときに、「映画行こう」「お昼食べに行こう」と誘うと、「なんで?」と言われてしまうことがありますよね。
そんな時こそ「~なので~させてください」の形にして誘います。
たとえば、
- 君の好きな映画がやっていたから一緒に行こう
- 美味しいハンバーグのお店見つけたから一緒に行こう
- 新しい帽子を買いたいから買い物に行こう
と、理由を付けて誘えば、一緒に行ってくれる確率が高くなります。
ほかにも、
- 明日天気がいいみたいだから一緒に買い物に行こう!
- 新しい洋服を買ったから映画でも見に行かない
と言った具合に、本題と関係のない理由でもお願いが通りやすくなります。
ささいなお願いをするときに効果的な方法なので、ぜひ試してみてください。
ドア・イン・ザ・フェイス
ドア・イン・ザ・フェイスは、最初に大きなお願い事をしてから、小さなお願い事をするテクニックです。
人はどんなお願いであっても、断ると罪悪感を持ちます。
そして罪悪感があると、「出来ることであればやってあげたい」と思うものです。
この心理を利用したのが、ドア・イン・ザ・フェイス。
たとえば恋人でもない人に「二人でハワイ旅行に行こう!」と誘います。
すると相手も困ってしまい「付き合ってもいないのに…なんで?」と断ってくるでしょう。
そこですかさず「じゃぁ映画ならどう」と誘うのです。
要求が小さくなったことと、一度断った罪悪感から、不思議と相手は承諾してくれるものです。
ただし同じ人に何度もドア・イン・ザ・フェイスを使うのは、やめておきましょう。
印象が悪くなりますよ。
フット・イン・ザ・ドアテクニック
フット・イン・ザ・ドアテクニックは、小さなお願いから徐々に要求を大きくしていくテクニック。
最初のお願いを聞いてしまうと、次のお願いも聞いてしまうという心理を利用しています。
このテクニックのポイントは、「いいよ」と言ってもらえる程度のお願いからスタートすること。
一度でも断られてしまうと、フット・イン・ザ・ドアテクニックは成り立ちません。
もし断られてしまったら、ドア・イン・ザ・フェイスに切替えて、もっと簡単なお願いを聞いてもらいましょう。
YESの法則
YESの法則は、会話の中で連続して「はい(YES)」と答えると、要求を受け入れやすくなることを言います。
心理学の研究結果では、「はい(YES)」を5回続けてから本当の要求を伝えると、承諾されやすくなることがわかっています。
ですが5回も「はい」とだけ答える会話は、想像もつきませんよね。
なので実際に使うときは「はい」と答えたくなる質問と、雑談を交えながら行う必要があります。
「はい」と答える質問とは次のようなもの。
- 今日はいい天気ですね
- 天気がいいと出かけたくなりますよね。
ちょっと難しいテクニックですが、使えるようになるとお願いもしやすくなります。
ダブル・バインド
ダブル・バインドは、自分にとって不都合な選択肢を相手に与えない話法です。
営業がよく使うテクニックでもあります。
たとえば訪問のアポイントを取る際に、
- 土曜日にお伺いしたいのですが、ご都合は如何ですか?
と聞けば、「都合が悪い」と断られる可能性があります。
そこでダブル・バインドを使い、選択肢を絞りこみます。
- ご挨拶にお伺いしたいのですが、土曜日と日曜日どちらがよろしいでしょうか?
この質問にすると回答は「土曜日」か「日曜日」のどちらかしかありません。
よほど都合が悪くない限り、どちらかを選択して回答してくれます。
プライベートで使うのなら
- 映画とドライブならどっちに行きたい?
- 行くなら土曜日と日曜日のどっち?
- 待ち合わせの時間は8時と9時どっちがいいかな?
と言った具合に質問していきます。
ただし強引な使い方をすると答えてもらえなくなるので、自然な流れの中で使うことが大切です。
最後に
お願いを通しやすくするための心理テクニックを5つ紹介しました。
- カチッサー効果
- ドア・イン・ザ・フェイス
- フット・イン・ザ・ドアテクニック
- YESの法則
- ダブル・バインド
慣れるまでは難しいかもしれませんが、実際に効果のある方法ばかりです。
営業や交渉の場面でも使われるテクニックなので、ぜひ使ってみてください。
ただしお願いしやすいからと言って、悪用はしないでくださいね。