工場購買の仕事!現役購買がリアルを大暴露!

購買ってどういう仕事なの?
やりがいはあるの?

こんな疑問に、現役で購買をやっている私が答えます。

まず予備知識から。

購買って、実は経理からの派生部門なんです。

購入する部材が多く、経理だけでは処理できないと、購買課が作られます。

例えば材料の購入頻度が高い工場とか。
商品を購入して販売する商社とかですね。

逆言えば、仕入れの少ない会社には購買がありません。
経理だけで賄えるからです。

なので、購買として働きたいなら、仕入れの多い業種や会社を探すといいですよ。

では、購買の仕事について話していきます。

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工場購買の仕事

購買の仕事を一言でいうと、買い物をすること。

といっても、何でも買えばいいというわけじゃありません。
商品やサービスを提供するために必要なモノを買う。

これがメインとなる購買の仕事です。

で、この買い物に付随したいろいろな仕事があります。

材料や部品の手配

これは先も言いましたね。
商品やサービスを提供するために必要なモノを買うこと。

もう少し詳しく話しましょう。

例えば工場。

製品を作るための材料や部材。
出荷するための梱包資材。
配達するためのトラックの手配。
工事が必要なら工事業者の手配。

このように、製造の流れに沿って必要なモノを、必要な時に仕入れるのが購買の仕事です。

これは商社になっても同じですね。
納期通りに商品を届けるために、必要なモノやサービスを購入します。

つまり購買の仕事は、商品やサービスを提供するために、必要なモノを買うことです。

納期調整

必要なモノを必要な時に。
これを満たすには、仕入れ先との納期交渉が欠かせません。

なぜなら必要な時にモノがないと、日程が崩れてしまうからです。
日程が崩れると当然、納品日も変わってしまいます。

すると、その商品を心待ちにしているお客さんに、迷惑が掛かってしまうわけです。

なので、仕入れ先と納期を交渉します。

必要なものを必要な時に。
って、いうのは簡単だけど、実際にやるのは結構難しいんですよね。

値引き交渉

値引き交渉も購買の大切な仕事です。
というよりも、購買の評価はいくら値引けたかで決まることがあります。

購買はお金を使う部門。
なので必死に働けば働くほど、会社からお金が出ていくんですよ。

そんな購買が会社の利益に貢献するには、仕入れ値を1円でも多く下げるしかない!

まぁ、一番わかりやすい評価基準ということです。

つまり!
値引き交渉は購買の重要な仕事なんです。

ちなみに値引きは「率」じゃなくて「円」で考えるのがコツ。

100円の商品から1円値引いてもらうよりも、100万円の商品から1万円値引いてもらうほうが簡単。
そして、結果につながりやすいんですよね。

材料の運搬や引取り

手配した商品を作るために、材料を持っていくことがあります。
また出来上がった商品の引き取りに行くことも。

会社によっては購買が、そこそこ大きなトラックを運転したり。
フォークリフトやクレーンを使ったりすることもあります。

すべての購買がやるわけじゃありませんけどね。

工場の購買だと、結構な頻度で材料の運搬をしたりします。

検品と検収

発注した部材の検品や検収を、購買が担当することもあります。

決められた納品日に、決められた品質の部材が、決められた数だけ入っているか。
この確認ですね。

もし入っていなければ、仕入れ先に連絡を入れます。
場合によっては「今すぐもってこい!」と、活を入れることも…。

会社によって別部門が、検品と検収を担当することもありますよ。

仕入先の開拓

仕入先の開拓も購買の大切な仕事です。
なぜなら新しい仕入先を開拓できれば、仕入れ値を大幅に下げることができるから!

ただそう簡単には見つかりません。

品質とか生産体制とか、もろもろのチェックも必要です。

仕入先を開拓するために、展示会に足を運ぶこともあります。
ネットで探したり、商工会に紹介してもらったりもしますね。

まるで営業の新規開拓みたいなイメージかな。

自分の足で仕入先を探すのも、楽しいものですよ。

月次処理

購買にも経理とよく似た月次処理があります。

請求書と納品書を突き合わせる。
仕入先ごとに内容をまとめて経理に提出する。

とかですね。

在庫管理

在庫管理も購買の大切な仕事です。
何しろ在庫がわからないと、本当に買っていのかも分かりませんから。

通常は各部門で在庫を管理してくれます。
が、全体の管理は購買が行うことも多いんです。

在庫管理って、意外と手間がかかるんですよね。
在庫が狂うと「何とかしろ!」って怒られますし。

手間がかかるだけで実入りの少ない仕事、という感じでしょうか。

ただ、在庫管理はとても大切な仕事。
完璧にこなせば、評価も右肩上がりになるものです。

棚卸しの計画と実行

在庫管理に関連した仕事で、さらに面倒なのが棚卸し。
この棚卸の計画と実行も、購買がやります。

何しろ商品を仕入れているのは購買ですから。
その管理が間違っていないかどうか、棚卸で判定するわけです。

棚卸は人員や部材の手配から計画の作成など、仕事がかなり広範囲に及びます。
集計にも時間がかかる、ある意味厄介なイベントですね。

工場購買に必要な能力

さて次は、購買に必要な能力を紹介します。

材料や部品に関する知識

絶対に必要なのが、材料や部品に関する知識です。

例えば鋼材の種類や重量。
材質ごとの特徴。
加工方法や手順などですね。

専門知識が求められるのは、仕入れ先と交渉することがあるから。

知識がないと言い負かされてしまうんです。

なので、材料や部品に関する深い知識が求められます。

図面を読む力

図面を読む力も必要です。
というのも、図面で部品を手配することがあるから。

図面が読めなければ、何を手配していいのかすらわかりません。
検品も図面をもとに行われます。

といっても、求められるのは製造にかかわる購買だけかな。
完成品を仕入れる購買なら、図面の知識はなくても大丈夫。

工場購買なら、図面が読めないと話になりませんけどね。

板挟みに耐える精神力

営業と仕入れ先。
工場と仕入れ先。

何をやっても板挟みになるのが購買の宿命。
なので、板挟みに耐える精神力も必要になります。

これはもう、どうしようもない。

営業は何とかしろというし、仕入れ先は何ともならないというし。

そういうものだと割り切るしかない。
ただ人によっては、にっちもさっちもいかない状況に病んでしまうんですよ。

「無理なものは無理!」

そうはっきり言える人なら、問題ないはずです。

コミュニケーション能力

板挟みをうまくコントロールするには、コミュニケーション能力は必須。

世渡り上手ともいうかも。

ようは当たり障りなく上手に人をコントロールする力。
適当に話を聞き流す力。

そして、なんとなくまとめる力のことです。

これは長くやっていると勝手に身につくもの。
コミュニケーション能力というか、適当にいなす力かもしれません。

交渉能力

納期や値引き交渉をしますから、交渉能力も必要です。
ただこれも、やっていれば自然と身に付きます。

最初はうまくいきませんよ。

値引きは断られるし、納期はごまかされるし、さんざんな目に合うものです。
それでも、経験を積むうちになんとなく交渉方法がわかってくるもの。

交渉能力があると、仕事がスムーズに進むんですよね。

簿記3級程度の知識

さて最後が簿記3級程度の知識です。

棚卸もやらないといけないし、月締め処理もやらないといけませんから。
つまり、経理の仕事が少し混ざっているんです。

場合によっては納品書に、勘定科目を書いてくれと言われることもあります。

そのために簿記の知識はあったほうがいい。

本当は2級が望ましいですね。
工業簿記も勉強しますし。

最低ラインとして、簿記3級程度の知識は欲しいところです。

最後に

購買の仕事を一言でいうと、商品やサービスを提供するために必要な部材を買うこと、です。

で、この部材を買うに関係した仕事が結構あります。

それが値引きや納期工場。
検品や棚卸、仕入れ先の開拓とかですね。

ほとんどの仕事が、仕入れた商品に関係しています。

つまり、必要なものを必要な時に仕入れる。
これを理想の形で実現するために、必要なことをやっているわけです。

こう考えると、なんか楽しそうじゃないですか?

購買は会社の要ともいえる仕事。
仕入れなければ、そもそも売れませんから。

やりがいのある仕事を探しているのなら、購買はいいかもしれませんよ。

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