
急ぎで何かを作ってもらう。
あるいは用意してもらうとき、「最短で」って言っていませんか?
はっきりいます。
最短って、めちゃくちゃ無責任な言葉なんですよ。
なぜか。
最短で! と依頼する人は、最短納期という意味合いで使っているはずです。
でもね、最短納期の感覚は人によって違うから。
そして、「最短で」と依頼することは、相手に決定権を与えているからです。
そもそも最短っていつ?
まずは、そもそも最短っていつだよ? という話。
例えば工場の場合。
今仕事が少なくて、手が空いているなら10日で作れる。
これが最短。
でも忙しくて3か月かかるなら…?
これも最短なんです。
これ、わかりますか?
最短納期は、その時の状況によって変わるんです。
最短で希望に合うのか
で、問題なのはその時の最短で、あなたやお客様の希望に合うのか、って話。
暇な時期の最短なら、希望に合うかもしれませんね。
でも、繁忙期の最短は?
希望に合っていますか?
相手に日程をゆだねた結果、全然合わない日程が返ってきた。
そういう経験をしたことがあるはずです。
つまり、最短で! と依頼しても、希望に合わないことが多いんですよ。
交渉できない
もう一つ問題があります。
それは、交渉が難しくなること。
何度も言いますが、希望に近い日程ならいいんですよ。
もう少し早められないかな?
という交渉ができますから。
でもね。
全然違う。
全く合わない日程だと、交渉の余地もなくなるんです。
1週間でほしかったのに、回答が3か月なら、交渉する必要もありませんよね。
お客さんに「3か月かかります」と報告して、怒られるのが関の山です。
最短で!
これ、便利な言葉のように聞こえますが、デメリットのほうが多いんですよね。
最短でほしいなら日程を示せ
で、まぁ当たり前の話。
最短納期でほしいなら、欲しい日を伝えましょう。
希望する日を伝えれば、その日に間に合うかどうか検討してもらえます。
これ、マジで当たり前の話。
社会人…というか、そこそこ仕事ができる人なら、だれでもやっていることです。
交渉前提なら決定権を手放すな
最短で! そう相手にボールを投げた時点で、交渉はあなたの負け。
何しろ、相手がその時に考えられる最短日程を教えてほしい、そう言っているわけですから。
その結果、全然合わない日程が出てきても、交渉すらできないんです。
これが今の最短です。
そういわれて終わります。
つまり、本当に最短日程でほしいなら、交渉前提で考えないとダメ。
そして、交渉するには決定権をこっちで持っていないとダメなんです。
相手に丸投げした時点で、負けているんですよね。
手を抜くな
もうひとつ。
最短で! と、相手に投げるのは、はっきり言って手抜きです。
仕事をしていないのと同じです。
これは、ここまでに何度も言った通り。
考えもせず、相手に丸投げしているだけですから。
手抜き以外の何物でもありません。
んで、納期が合わないと「最短でお願いしたんですけどね」なんて、あたかも交渉したかのように話す。
こんなんじゃダメです。
本当にダメ社員になってしまいます。
楽だからと手を抜いちゃダメ、ですよね。
最短という依頼は無責任
ということでまとめます。
最短でお願いします!
これ、めちゃくちゃ無責任な言葉です。
理由は、相手に丸投げして考えることをやめているから。
そして、最短は人や状況によって大きく変わるからです。
本当に最短でほしいなら、欲しい日を伝えましょう。
欲しい日が分かれば、そこに間に合うかどうかを検討してもらえます。
それから交渉するのが仕事ってものです。
日程を示せば間に合わない原因もわかりますよね。
原因がわかれば、1つずつ取り除くこともできます。
そうやって可能性を探っていって、希望にできるだけ近づける。
最短で!
そんな手抜きをしていたら、使えないやつだと思われてしまいますよ。