
昔ホームセンターで店長をやっていたころの話。
まだインターネットがなくて、ポケベル全盛期のちょっと手前の話。
店長ってことで、本をたくさん読んだんですよね。
ほら、迷惑かけても嫌だし。
仕事とか、ちゃんとやりたいじゃないですか。
そこで学んだのが、管理職は敵になったほうがいいってこと。
敵がいると、従業員の仲が良くなる…らしいんですよ。
これ、なんで仲が良くなるのか不思議に思っていたんです。
でもね。
従業員の話を聞いて納得しました。
従業員の結束を高め。
仲良く仕事をさせるには、やっぱり管理職が敵になるべきなんです。
みんな仲良く!
そして楽しく!
なんて、考えちゃダメなんですよ。
コミュニケーションが密になる
本当にくだらない。
お前らあほだろ!
と言いたいけど、まぁ事実だから仕方がない。
あのね。
職場に共通の敵がいると、会話が増えるんです。
だから仲良くなれるんですが、これ、わかりますか?
今日どうだった? という会話
これは、と、あるお店の話です。
なぜか一人だけ嫌われている従業員がいます。
理由は、服装規定を守らないから。
ポロシャツにジーンズと、指定のエプロンをつけること。
という簡単な規定を守れず、ひらひらした服装で働く人がいるんです。
で!
大切なのはここから。
その人がいることで、従業員の会話が増えるんですよ。
A「今日はどうだった?」
B「今日もですよ。ひらひらしていました」
A「またー! 分かった! 社員に言っとく!」
とまぁ、そんな感じで。
これ、わかりますか?
特定の人が予想外の行動をすることで、それ以外の人の会話が増えるんです。
だから仲が良くなる。
共通の話題ができるから、話しやすくなるんですよね。
他人の不幸は蜜の味だよね
それでまぁ、思い出すのはこれ。
他人の不幸は蜜の味、ってやつです。
誰かが攻撃されるのは、聞いていても、かかわっていても面白いんです。
この心理、わかりますか?
ダメだって思っていても、誰も止めませんよね?
それどころか、援護射撃をする人がいるほどです。
そのくらい、他人の不幸は面白い。
たとえるならはちみつの味。
おいしくておいしくて、他の人には譲りたくない味です。
それがわかっているから、誰かが攻撃されても何も言わないんです。
楽しいしね。
見ていいて痛快だし、家に帰ってからの話題になるから。
そんな感じです。
だから仲良くなる
これはまぁ、苦手な人は苦手かも。
でも、これで仲良くなることも多いんだよね。
っていうのは、だれか特定の「敵」に対して、情報交換をすること。
つまり。
A:今日あいつどうだった?
B:いつもどおりでした。
B:あれやれこれやれうるさくて、うざかったですよ。
A:了解。
A:やっぱり変わらないか~。
B:一応、Aさんに報告しておくね。
A:はい! お願いします。
こんな感じです。
つまり、会話の回数が増えるんですよ。
管理職は意図して嫌われるのもあり
これはまぁ、個人的に思うことです。
管理職は、意図して嫌われるのもあり! ってこと。
誰かが嫌われることで、自然と従業員の会話が増えます。
そして、結果として仲が良くなるんです。
なぜなら、みんなで悪口を言い合うから(笑)
冗談じゃなくて効果がある
これね。
冗談じゃなくて効果が高いんですよ。
共通の敵がいることで会話が増える。
結果として、従業員の仲が良くなる。
すると、いろいろな情報が伝わりやすくなるんです。
おまけに、協力をお願いしやすくなる。
つまり、働きやすくなるんですよね。
ちなみに管理者はつらい
従業員は仲良くなります。
が!
管理者にはつらいんです。
例えばお店なら、店長ですね
社員やパート、アルバイトの仲はいい。
でも、店長は嫌われている。
なんて状況になります。
これ、みんなと仲良くしたい店長にはつらい状況ですよね。
お店のことを思うなら…。
でも、ちょっと辛いかも。
そんな感じです。
全員から無視されたことがある
これは私の経験です。
ホームセンターの店長をやっていた時に、従業員? というかパートさん全員に無視されたことがあります。
でまぁ、従業員同士は仲が良くなったみたいです?
というかですね。
当時は仕事に夢中で、無視されていることに気が付かなかったんです。
挨拶に対して返答をしなければ、普通に注意します。
お店ですから、挨拶しない従業員は論外ですよね。
なので、挨拶には挨拶が返ってきます。
で、ほかの仕事も、指示すれば普通にやってくれます。
やらなければ…わかりますよね?
なので、無視されているとは思わなかったんです。
管理者には図太さが必須
よくわかりませんか、パートさんは全員で私を無視していたようですよ。
でも、私は気が付きませんでした。
仕事に必死でしたし。
で、最終的に言われたのはこんな言葉。
「あなたを無視していたのに、全然動じないから面白くない」
でした(笑)
その代わりかどうかわかりませんが、従業員同士の中はよくなりましたよ。
無視が終わってから、みんなで呑みに行けるくらいに。
つまりあれです。
管理者には、何があっても動じないような、図太さが必要なんです。
まとめ
ということでまとめます。
敵がいると人は仲良くなりやすい。
これは、まぎれもない事実です。
なぜならコミュニケーションが増えるから。
会話が増えればお互いを知る機会も増えます。
しかも、敵がいるから良い面ばかりを知ることになるんです。
で、結果として仲良くなりやすい。
これ、当たり前ですよね。
共通の敵を何とかしたいのに、嫌いになる人はそうそういません。
嫌いになりたくないから、悪い面に目をつぶりやすいんです。
だから。
職場の雰囲気をよくしたいなら、管理者が敵になるのもありです。
管理者が怖い敵になれば、部下の結束力は一気に高まります。
ただあれだ。
管理職が孤独に耐えられるなら、ですけどね。