なぜ無能が有能に見えるのか。問題の調査はきちんとやろうって話

さて今回は、無能が有能の見える理由についてです。

先日の会議で言われたんです。
工程で困ったら、あの人に聞くといいよって。

でね。
あの人(Aさんとします)は、社内での評価がめちゃくちゃ高いんです。

もうね。
スーパーマン? もしくはヒーロー?

ってくらい崇拝されています。

それはもう、Aさんの信者みたいな人が社内にゴロゴロいるんですよ。

ただ、私の評価は最低レベル。
周りの人が言うようなスーパーマンにはとても見えません。

で、不思議に思ったんです。

私から見ると最低レベルなのに、なぜほかの人は最高の評価をつけるんだろうって。

これ、先に答えを言うと、評価しているポイントが違うからなんです。
あと、問題が起こった原因をどこに見ているのか、でも変わってきます。

ん-、伝わりにくいな。

なので、まず評価の基準になっている出来事を紹介しますね。

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そのやり方、ありえないんですけど

評価の基準になっているのは、繁忙期の工程管理。
評価が高いAさんは、工程管理を行っていたんです。

そして、ある年の繁忙期に、めちゃくちゃな納期で回答を入れて、工場を大混乱に陥れたんですよ。

その結果。

外注に出していた仕事を社内に戻したり。
社内でやる予定の仕事を突然外注に出したり。

約束していた納期から1か月遅れたり。
社内と外注をころころ変えて、無駄な輸送費がかかったりしたわけです。

つまりまぁ、やらかしたわけですよ。

ここまで読んでどう思います?
Aさんは優秀だと思いますか?

思いませんよね。

でも、評価が高いんですよ。

なぜだと思いますか?

原因を工場にもっていった

Aさんの評価が高いのには理由があります。
それは、工程が乱れた原因を自分ではなく工場に持っていったからです。

つまり、納期に間に合わないのは工場の生産が遅れたからだ、となったわけです。

これならAさんに責任はありません。

外注を社内に戻したり、社内を外注にしたり、輸送費をかけまくったりしたのも、納期に間に合わせるための行動として評価されるわけです。

納期から1か月遅れたのも工場が悪い。
Aさんはその尻拭いをしたんだと、思われているんですよね。

だから、Aさんはスーパーマンのような扱いを受けています。

そもそもの原因は?

で、私のAさんに対する評価が低いのは、工程を管理していたのがAさんだからです。

工場の工数を考えれば、どうやっても対応できない日程で納期回答をしたわけです。
当然その責任はAさんにあります。

そして帳尻を合わせるために、社内だ外注だと仕事を動かしまくって現場を混乱させた。
さらにミスの帳尻を合わせるために、必要のない経費を使いまくっています。

だから、私から見るとAさんは最低評価。
ありえない仕事の進め方をしたわけです。

なぜみんなAさんを信じたのか

普通に考えれば、Aさんに原因があるとわかる話。
それなのになぜ、みんなAさんの言い分を信じたのか。

それは、単純に信用度…というか、社内での立場と勤続年数、付き合った時間のせいです。

考えてもみてください。

知り合いが言ったことと、友人が言ったこと、どちらを信じますか?
おそらく友人が言ったことを信じますよね?

そういうことです。

今回の場合、なぜその問題が起こったのかという調査がされなかった。
つまり、Aさんの言い分だけがみんなの耳に入ったわけです。

工場の意見は伝わらなかったんですよ。

だから、Aさんは無理な日程をカバーするために動きまくった英雄、ヒーローになったわけです。

無能が有能に見える理由

さて、本題に戻ります。

なぜ、無能が有能に見えるのか。
それは、きちんと評価をしていないから。

一方からの話を鵜呑みにして、全体像を調べないからです。

要は勘違いですね。

だから、本来の能力とは違った評価がされてします。
結果として、無能が有能のように見えてしまうわけです。

勘違いがさらなる混乱を招く

ま、別に誰が無能でだれが有能でもいいんです。
そんなことは私には関係がない。

問題は、無能を有能だと勘違いしたことで、ほかにも混乱が広がることです。

冒頭でこう書きました。

先日の会議で言われたんですよ。
工程で困ったら、あの人に聞くといいよって。

あの人はAさんのことです。
適当な納期回答して工程をめちゃくちゃにした張本人です。

この人に工程のことを聞いて何になるのか。
学びになるようなことは何もないと断言できます。

が、スーパーマンだと思っている人は、Aさんに聞けばいいと思い込んでしまうわけです。

そしてめちゃくちゃになる

無能を有能だと勘違いすれば、どんどんおかしなことになっていきます。
そして、最後には取り返しのつかないことになるものです。

みんなが有能だと思い込んでいるのも困るところ。

反対意見を言っても通りませんから。
順序だてて説明しても耳を貸してくれませんから。

ヒーローはヒーローなんですよね。
あの人がいないと会社が困る、くらいに思っているわけです。

勘違いって、本当に怖いですよ。

最後に

あの人は有能だ!

そういわれるのは、人よりも大きな成果を上げているからです。

人より多くの売上を上げた。
大きな仕事を成し遂げた。
大問題を解決した。

とかですね。

でもこれね。
結果だけ見て評価するのは、やめたほうがいい。

ちゃんと過程を調べて、実際にどういったことが起こったのかを把握しましょう。

仕事は結果がすべてです。
ですが、過程を見ないと本当にその人が結果を出したのかわかりません。

大きな仕事を成し遂げられたのは、大勢の協力者がいるからかもしれない。
あるいは、決定的な1手を別の人が打っているかもしれないんです。

結果だけ見て判断しちゃだめです。
結果だけで判断すると、無能が有能に見えてしまうかもしれませんよ。

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