
さて今回は、失敗について、です。
ちょうどこんな本を読んでいるんですよね。
失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織
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ものすごく面白い本なので、失敗に興味のある方はぜひ、読んでください。
さて、本題。
失敗は責めるより、仕組みで対処するのが正解! という話です。
私は仕事がら、営業と工場、下請けと工場の間に入って、調整することがたくさんあります。
工程管理と購買を兼務していますから、まぁ当たり前といえば当たり前。
精神的なストレスがすごくて、上司から「辞めないでね」と心配されるほどです(笑)
とにかくまぁ、いろいろな人の間に入って、うまく仕事が進むようにバランスをとっているわけですが。
中には人の失敗やミスを「ほれみたことか!」と責める人がいるんです。
例えば、下請けからの納品が遅れた場合。
「こういった理由で4日ほど入荷が遅れます」
という連絡を工場にして、対応を相談するんですが…。
人によってはものすごい切り返しをしてきます。
ミスを責めると委縮する。結果として生産性が悪くなる
私「こういった理由で4日ほど入荷が遅れます」
Aさん「なんで? なんで遅れるの?」
私「え? こういった理由です」
Aさん「なんでそうなるの? そうなると困るんだよ」
Aさん「こっちはぎりぎりでやっているってのに、なんで遅れるの?」
Aさん「事前に対処できなかったの? まったく、こんなに忙しいのに問題起こしやがって」
Aさん「で?どうするの? こっちで尻ぬぐいしろっていうの?」
Aさん「忙しいって言ったよね? わかっててやっているの?」
Aさん「あーむりむり、忙しいんだから」
Aさん「ねぇ、ちゃんと仕事してるの? 適当にやったからこうなったんじゃないの?」
Aさん「大体なんで遅れるの?」
とまぁ、こんな感じ。
聞いてみてどう思いますか?
この会話をする意味…というか、この会話、必要だと思いますか?
責められると委縮する
ミスの報告や対応の相談をして、さんざん責められれば委縮しますよね。
この人に問題を連絡すると嫌味を永遠といわれる。
人格まで否定される。
こんな人と話すのは嫌だ!
ってなるのが普通だと思います。
一言でいうと、ミスを責められると人は委縮するんです。
たとえそれが人のミスだとしても、責められれば委縮します。
そして、報告をしなくなります。
ミスを責める人はここをわかっていないんです。
もし、報告がなかったらどうなるのか。
報告を受けたよりも、もっと最悪な事態になるんですよ。
生産性が下がる
ミスの報告がなくなると、途端に生産性が下がります。
言い方を変えれば、段取りが取れなくなるんです。
さっきの例のように、部品の納品が4日遅れる場合。
報告があれば、他の仕事を前倒しするとか、何かしら対応ができますよね。
でももし、何の報告もなかったら。
当日になって、あれがない、これがないと、騒ぐことになります。
そして原因を追究する。
なんてことをやっていれば、あっという間に1日が終わってしまうんです。
で、慌てて仕事を前倒しして…。
とまぁ、段取りなんてなかったような、嵐のような状態になります。
つまり、生産性がめちゃくちゃ悪くなる。
報告がないって、メチャクチャ困ることなんですよ。
ミスを責めるのはアホ
個人的に、ミスを責めるのはアホだと思っています。
というか、ガチであほです。
はっきり言いますが、ミスはだれかを責めたところでなくなりません。
人間ですから。
人間が手を出すということは、必ずどこかでミスをする、ということなんです。
ここをわかっていない。
そして人は、責められることを嫌います。
自尊心が傷つきますからね、ものすごい拒否反応を示すんです。
結果としてミスを隠そうとする。
というか、全力で隠すでしょうね。
そして、仕事がうまく回らなくなります。
だから、ミスを責めるのはアホなんです。
ミスは責めずに仕組みで対処する
ミスは、責めずに仕組みで対処しましょう。
なぜなら、ミスは絶対になくならないからです。
なので、誰かがミスをしても責めてはいけません。
むしろ、ミスを報告してくれたら、ほめてあげましょう。
お礼を言いましょう。
「ミスを報告してくれてありがとう」と。
これが、正しいミスへの対応です。
それから、ミスを詳しく調査して、二度と起こらないように仕組みで対処します。
ミスは絶対になくならない
もう一度言いますね。
ミスは絶対になくなりません。
人がかかわる以上、必ずミスは起こります。
なぜなら、人はミスをする生き物だから。
そうだな。
最近だとこんなことがありました。
発注書を取引先にFAXで流すんですが、FAXって色々な理由でミスが起こりやすいんですよ。
送ったつもりが遅れていなかった。
A社に送ったつもりがB社に送っていた。
受け取った側が紛失した。
とまぁ、とにかくミスを起こしやすいんです。
でも。
今日、発注書の送付モレが見つかりました。
本人は、FAXを流したと言い張ります。
でも相手の会社は受け取っていないというわけです。
こうなるともう、原因がわかりませんよね。
誰がどこでミスをしたのかわからない。
どうしてミスが起こったのかすらわかりません。
でも、確実にわかることは、人は絶対にミスをする、ということ。
そして、そのミスを認めようとしない、ということ。
これが、ミスを防ぐうえでメチャクチャ大切なんです。
ミスは仕組みで防ぐ
人は絶対にミスをします。
ヒューマンエラーは、なくそうと思ってもなくならないものなんです。
なので、ミスを防ごうと思うなら、仕組みで対応するしかありません。
ちなみに、先ほどの発注書の件では、次の対応を取りました。
・FAXで送ったら確認の電話を入れる
・対応した人の名前と日時を発注書に書いておく
・できる限りメールで送付する
・メールは開封確認が取れるようにしておく
こんな感じです。
仕組みを作ることで、送付モレ、受領モレが防げるはずです。
まぁ、もしまた問題が起こったら、違う仕組みを考えるだけですけどね。
大切なのは、人はミスをするという前提に立つこと。
そして、責めたり怒ったりしても、ミスは防げないと理解することです。
そのうえで、ミスが起こらない仕組みを考える。
これが、メチャクチャ大切なんです。
まとめ
さて、まとめます。
・ミスを責めると仕事に悪影響が出る
・ミスの報告は責めるより褒める
・ミスは仕組みで対処する
こんな感じです。
ちなみにミスをぎゃんぎゃん責める人って、自分は建設的な意見を言っているつもりなんですよね。
だから…余計にたちが悪いんですけど(笑)
ミスは責めるより、仕組みで対処する。
そうすることで、仕事の効率はどんどん高くなっていきますよ。