
さて今回は、ミス(ヒューマンエラー)の話。
新人に仕事を教えていて気が付いたんですが、ミスってまじで奥が深いんです。
どんなに対策をとっても、次から次へとミスが湧いて出てくる。
その様子はまるで湧き水のよう?
いやいや、対策を吸い込みまくるブラックホール?
とにかくまぁ、ミスとの戦いは果てしないなぁと。
次から次へとわいてくるミスの嵐
参考になるかどうかは別として、新人が引き起こしたミスをいくつか紹介します。
ちなみに、新人の仕事は購買業務。
図面や依頼に沿って、必要な部材を仕入れる大切な仕事です。
発注を忘れる
まずは私もよくやる基本のミス。
そもそも発注することを忘れるパターン。
私「これ発注しといて」
新人「わかりました!」
口頭でかわす指示。
当然メモは取らない。
んで、入荷予定日。
私「あれ?部材が来ないんだけど?」
新人「あーーー! 忘れてました!」
ま、よくある風景です。
入社した当時は、3日1回この風景を見ていましたね。
対策
紙かメールで指示を出す。
ダブルチェックをする。
発注書の送信を忘れる
これもよくあるミス。
発注書は作ったけど、発注書を送ることを忘れるパターン。
発注書の枚数が多いと、やりがちなミスなんですよね。
このミスで困るのが、納期がめちゃくちゃ長い部材。
なかには半年とか、1年とかかかる部材もあるんですよ。
この発注をミスると、とんでもないことになるわけです。
対策
納期の長い部材は、必ず電話で発注されているか確認する。
もちろん、定期的に進捗状況の確認もする。
図面だけ送って発注書を送らない
これもやりがちなミス。
図面はFAXで送ったけど、発注書の送信を忘れるパターン。
ま、このミスはすぐに連絡が来るから問題になりにくいのが特徴。
取引先「なんか図面だけ送られてきたけど、これなに?」
という電話が必ず来ます。
だから対策は不要。
とはいえ、何度も繰り返すようなら「いい加減にしろ!」くらいは言ったほうがいいかも。
対策
きつめに叱る。
送信先を間違える
これもやりがちなミス。
発注書の送信先を間違えるパターン。
親切な取引先なら、間違って送られてきたことを教えてくれます。
ですが、ほとんどの取引先は教えてくれません。
つまり、送信先を間違えるとどうにもならないんです。
このミスも結構やるんですよね。
そういえば今日も、取引先から送信先を間違えた発注書が届いていました(笑)
対策
発注書を送ったら電話で確認する
メールを作って送信しない
これは度肝を抜かれたミス。
履歴を残すためにメールで発注書を送るように指示。
だけど、納品日になっても部材が届かない。
慌てて確認すると…。
メールを作っただけで、送信していなかったんだって。
私「発注書が届いていないって言っていたよ」
新人「まさか、今そのメールを転送して催促したんですよ」
私「送信履歴、残ってる?」
新人「ありません。転送したので消えました」
私「転送しても履歴は消えないから…」
こんな感じ。
疎い人は本当疎いと思ったほうがいい。
対策
必ず私をCcに入れる。
送信されたか確認する。
なぜミスが起こるのか
新人がミスをしたからと言って、能力が劣っているわけじゃありません。
ミスをするのには、必ず理由があるんです。
その代表ともいえるのが次の5つ。
・経験不足
・時間不足
・情報不足
・情報過多
・リスクへの認識不足
で、今回は新人を例に出しましたから、すべてが該当しているわけです。
つまり、ミスって当たり前だということ。
経験不足
まず新人は、経験が不足しています。
中途採用なら、今までの経験が生きる! と、思うかもしれません。
ですが、新しい職場での業務経験は不足しているんです。
だからミスをしやすい。
中途採用でも経験が不足することがある。
これ、意外と見落としがちなこと、ですよね。
時間不足
時間が不足すると気持ちが焦ってしまい、ミスをしやすくなります。
というのは、想像に難しくないはず。
特に試用期間中は残業を禁止されることがほとんど。
なので、社員と比べても時間が不足しがちなんです。
時間不足。
どの会社でも、どの立場でもありがちなミスの原因です。
情報不足
情報不足は、新人に当てはめるなら「教育不足」でしょうか。
やるべき作業への説明が足りていない、とかですね。
仮に作業手順がきちんと説明されていなければ、それはミスをして当たり前。
やり方がわかっていないんですから、正しい結果が出るはずもないんです。
情報不足。
言い方を変えれば説明不足。
これさ、あるある過ぎると思いませんか?
情報過多
ちなみに、情報は多すぎてもミスをします。
よくあるのは、横から口をはさんでくる上司ですね。
こっちが必要なことを教えているのに、言わなくていいことをペラペラとしゃべりだす。
その結果。
新人が混乱してミスをするんです。
あるいは、指示した仕事のやり方に口を出すとかですね。
情報は少なすぎても困るけど、多すぎても困るもの。
あれもこれもと詰め込みまくれば、そりゃキャパオーバーでミスするってもんですよ。
リスクへの認識不足
それをやらなかった結果どうなるのか。
つまりリスクを理解していないからミスをする、というのはよくあります。
例えば、発注書が取引先に送られていなかったらどうなるのか。
まず、必要な部材がそろいません。
すると生産が滞りますよね。
その結果、納期に間に合わなくなるわけです。
納期に間に合わないと、損害賠償を求められることもあります。
その額が数百万円になることも珍しくないんです。
このリスクを知っていれば、FAXを流して終わりにはしないでしょうね。
リスクを知らないことがミスの原因になる。
なんか納得がいかないけど、そういうこともあるんです。
ミスとの戦いは終わらない
ということでまとめます。
ミスとの戦いは終わりません。
人が働く限り、終わらないんじゃないか。
そう思うくらい、終わりません。
というのはですね、FAXを使っているとミスが起きやすいことが分かったから、メールにしたんです。
メールなら履歴が残るし。
送信忘れも起きないだろうと思ったから。
そしたら、メールを作って送らない、というミスをするんですよ。
Ccに入れろと言っても忘れるし、開封確認を設定しても相手が承認しないし…。
とにかくどうにもならないわけです。
で、最終手段はというと。
ミスが発覚したら全力でフォローするという、しょうもないものに落ち着きました。
この経験からはっきりと言えることがあります。
何をどうやってもミスはなくならない。
これは、間違いのない事実です。
ミス(ヒューマンエラー)との戦いは、永遠と続いていくわけです(笑)