
こんには、ぶのしです。
さて今日は、工程の限界についてです。
これ、工場で働いていない人には、ちょっとつまらないかも。
内容を先に言うと、工程(工場)の限界と営業の要求って、交わることがないよね。
でも、うまく交わると会社が成長する起爆剤になるよね、っていう話です。
興味がある人だけどうぞ。
よくある要求
営業からよく言われる言葉があります。
それが「この仕事を要求通りにやれば、必ず受注できる」というもの。
あるいは「この仕事を要求通りにやれば、次はもっと大きな仕事が取れる」ってやつですね。
頑張って要求にこたえるけど…?
仕事が取れる!
あるいは、この仕事を頑張れば次はもっと大きな仕事になる!
そんな営業の言葉を信じて、お客さんの要求にこたえることはよくあります。
とはいえ、その要求はものすごくタイトになることがほとんど。
今受けている仕事の日程を調整する。
残業を増やすだけじゃなく、休日も出勤して対応する。
そんな対応になることが多いんです。
そして、四苦八苦してなんとか納期に間に合わせる。
で、その日程を調整した人はこう思うわけです。
「何とかやり切った。みんな協力してくれたありがとう。これで来期の仕事も増えるはずだ」と。
無理をすれば数字は悪化する
これ、結果として売り上げが増えると、「俺は頑張った。評価もされるだろう」って思うんですよね。
でも、現実は逆です。
むしろ評価が下がるんですよ。
理由は簡単。
無駄なコストがめちゃくちゃ多いから。
そうだな。
例えば、すでに組んである生産計画に、急ぎの仕事を割り込ませるとどうなると思いますか?
もともとA商品を50個連続で作ろうと思っていたのに、急ぎの仕事が入ったことで10個で止めないといけないとしたら?
その段取りが2回必要になるんです。
材料の用意も同じですよね
一度で50個分用意すれば済んだ話なのに、2回に分かれたことで用意もの10個と40個で分ける必要があります。
その分、必要なコストが増えるんですよ。
管理者は理解しないといけない
工程を管理する人は、無理をすればコストが増えることを理解しないといけません。
なぜなら営業は、お客さんの要請が第一優先だからです。
つまり、工場がどんな状況は関係ない。
お客さんの要求を100%聞き入れて、「できる?」って工場に聞くのが仕事だと思っているんです。
だから、その要求にこたえられるかどうかを判断するために、管理者は工場の状況を把握していないといけない。
・これ以上の連続稼働は設備が壊れる可能性がある
・これ以上働かせると従業員の身体的負担が大きくなりすぎる
・これ以上無理するとコストが増えすぎる
そういったことを把握しないといけないんです。
これができないと、工場が永遠と苦労するだけになってしまいます。
工場と営業で繰り広げられる無慈悲な戦い
ぶっちゃけ、工場と営業でキャパや納期についてもめることはよくあります。
よくあります…というか、ほぼ毎日やっています。
営業の言い分
営業の言い分はこうです。
・この仕事を断ったら次がない
・繁忙期じゃなければこの日程で行けるはず
・頑張って営業したんだからやってほしい
こんな言葉がたくさん飛んできます。
ほかにも色々あるなぁ。
・何とかこの仕事だけ
・無理なのはわかっているけど協力してほしい
・仕事が取れなくなったらどうするんだ!
こんなことも言われたことがありますね。
ま、営業って身勝手なんですよ。
俺らが頑張って仕事をとってきたんだから、工場は作ればいいんだよ!
くらいの態度で言ってくることもあります。
工場の言い分
じゃ、次に工場の言い分です。
・設備に限りがある
・人員にも限りがある
・やれて言われてもできないものはできない
うん。
もっともな意見です。
営業の言う感情論とは違い、数字で表せる内意用です。
つまりまぁ、無理なものは無理を、合理的に説明できるってことです。
そして無慈悲な戦いが始まる
こんな感じで双方の言い分が食い違い、無慈悲な戦いが始まります。
営業は、工場が対応しなかったから売り上げが下がったと言うでしょう。
で、工場は、営業の要求にこたえたのに売り上げが伸びなかったというわけです。
あるいは、営業がせっかく仕事を取ったのに何でやらないんだと怒ります。
それに対して工場は、人が足りないのに対応できわけないだろと怒るわけです。
どこまで行っても平行線。
いつまでも続く無慈悲な戦い。
これが、営業と工場の関係なのか。
子供のけんかよりレベルが低くないか?
そう思うくらい、どの会社でも繰り広げられる無慈悲な戦いなんですよ。
協力すれば売り上げはいくらでも伸ばせる
さてここで、生産管理兼営業として約5年仕事をしてきた、私の意見を言わせていただきます。
工場と営業は喧嘩をするべきじゃない。
むしろどうすれば協力できるのかを、考えるべきです。
というのも、私は生産管理と営業を兼務して約5年仕事をしました。
その結果、売り上げは右肩上がり。
1人で約4億(3億5千万円以上)の売り上げを作ったことがあるんです。
ちなみに、利益率は40%だったかな?
もちろん、成績は社内1位です。
つまり、めちゃくちゃ好成績を残したわけです。
その経験から思うのは、工場と営業はいがみ合うよりも、協力したほうがいいよってことです。
工場の状況を知らずに仕事をとるリスク
これ、心の底から思うんですが…。
工場の状況を知らないのに、なんで「この日程で納品します!」といえるのか。
不思議で仕方がないんです。
んで、工場から「その日程は無理」といわれると、慌てて理由を並べ始める。
この仕事はものすごく重要とか。
日程に間に合わないと次の仕事が取れないとか、ですね。
本当に最悪な。
他力本願で仕事のできないウンコみたいな営業が使う手段が、上司に言うです。
勝ちでひどいパターンだと、社長に言うっていうのもあります。
つまり、トップダウンで「この仕事をここまでにやれ」と降りてくるわけです。
さて、この時点で大きなリスクが発生していることがわかりますか?
まず、うそをついていること。
重要だとか、次の仕事が取れなくなるとかですね。
次が、経営者を動かしていること。
この仕事が大したことのない案件だったら…考えただけでもゾッとします。
最後に、工場を敵に回していること。
多分これが最大のリスクです。
同じ会社で働いているのに、うそをついたり上役を動かしたり。
そんなことをすれば反感を買うにきまっているでしょう?
この辺を理解していない営業が、ちょっと多すぎやしませんか。
協力すればうまくいく
やるべきことはすごく簡単なんですよ。
それは、事前に相談するだけ。
今こういうことをやっているんだけど、工場の負荷はどんなかんじ?
てな具合に聞けばいいんです。
そして受注できそうなら、受注日はここで納期はここなんだけど間に合うかな? と聞けばいい。
たったこれだけで、仕事がめちゃくちゃうまく回り始めます。
要は、勝手な思い込みで仕事を受注して、「受注したんだから作れよ」みたいな依頼をやめればいいんです。
そんなに難しい話じゃないですよね?
電話一本で済む話だと思いませんか?
つまり、工場と営業でほうれん草を徹底する。
それだけで、仕事はうまく回るし売り上げも伸びるんですよ。
情報を流せば拡張もできる
ちなみに、営業情報を工場にしっかりと流せば、拡張も簡単にできます。
というか、私はこれをやりました。
来期の販売予測を事前に工場に流したんです。
もちろん、取引先の生産計画などを情報としてプラスしましたよ。
こういった、確実性の高い情報を流せば、工場も即座に対応します。
人を増やすとか、取引先を開拓するとか、いろいろやってくれるんです。
で、結果として利益アップにつながっていく。
ついでに言えば、工場も私も評価が上がるわけです。
ただ情報を流すだけでいいんです。
難しいことなんてひとつもありません。
工場と営業でいがみ合っていたら、到底できないこと。
お互いに協力するからこそ、売り上げがどんどん伸びで行くんです。
最後に
納期と工場のキャパ。
この2つで営業と工場がもめるのは、よくある話です。
いろいろな会社で見たり聞いたりしましたが、まるで水と油かというくらいにもめるんですよね。
でもこれって、本当にもったいないと思うんですよ。
なぜならお互いに協力すれば、売り上げを一気に伸ばす力になるからです。
いつまで無駄に争うつもりですか?
いつまで子供みたいな意地の張り合いを続けるつもりですか?
工場と営業は一蓮托生。
お互いに切っても切れない関係です。
終わりの見えない仁義なき戦いを続けるよりも、協力したほうがいいと思いますよ。