会社員が仕事で主体性が持てないのはある意味当たり前

さて今回は、会社員が仕事で主体性を持てないのは当たり前だよ、って話。

よく聞きますよね。
もっと主体性を持って仕事をしろ! みたいなこと。

主体性がない人は指示待ちになりがちだ! とか。
主体性をもって働かないから面白くないんだ、とかね。

ちなみに主体性は、自分で考え責任をもって行動する態度のこと。
似た言葉に自主性がありますが、自主性は自分で考えて行動する態度のこと、です。

この2つの違いは、責任を取る意思があるかどうか。

例えばそうだな。

教わった仕事を指示がなくてもきちんと処理する。
これは自主性。

教わった仕事を指示がなくてもきちん処理する。
そして、さらに効率をよくするために自ら考えて行動することができ、その結果に責任を持てる。
というのが主体性です。

つまり、自主性は従業員全員に求められる能力。
主体性はマネジメントを行う人に求められる能力とも言えますね。

でね。
上司が部下に「主体性を持て」とかいうじゃないですか。

これって、そもそもおかしな話なんですよ。

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仕事に主体性が持てないのはある意味当たり前

そもそも、仕事に主体性が持てないのは、ある意味当たり前の話なんです。

なぜなら、何をするにも上司の許可を取らないといけないから。
そして、上司の理解を超えた仕事は、やらせてもらえないからです。

考えてもみてください。
仕事をするときは、必ず上司から指示が出ますよね。

そして、その指示の範囲内で仕事をすることになります。
間違っても、その範囲を超えることはありません。
上司の指示を無視することもありません。

つまり、主体性を持って取り組むことが難しいんです。

決められた範囲内で主体性を発揮しろ! が会社の本音

ぶっちゃけると、会社の言う主体性は「決められた範囲内で」という言葉が付きます。
つまり、勝手なことをされたら困るんですよ。

だから、(決められた範囲内で)主体性を持って仕事をしろ、になるんです。

こんな期間限定のような、限定商品のような縛りがあって、主体性を発揮できる人はまずいません。
窮屈すぎますから。

言い方を変えると、会社は主体性なんて求めていないんです。
求めているのは自主性。

覚えた仕事を指示する前にやってくれればいいんですよ。

がんじがらめのルールで主体性は育たない

そんな、がんじがらめの状態では、主体性を持つことなんてできません。

とにかく言われたことをしっかりとやる。
余計なことは一切しない。
たまに提案するとしても、当然決められた範囲内にとどめておく。

そんな感じになります。

ちなみに私は、上司に「NFTをやりましょう」と提案したことがあります。
この時は、にこやかに「役員全員の許可が取れたらやっていい」と言われました。

そもそも別の県にいるというのに、どうやって役員全員の許可を取ればいいのか…。

これって、遠回しに「ダメだ」と言っているんですよね。

こんな感じで、ガチで主体性を持って行動しようとすると、あっさり潰される。

決められた範囲で行動してほしいわけですから。
枠からはみ出る人がいると、困るんですよ。

なので、従業員に主体性が育つことはまずありません。

ぶっちゃけ自主性があれば十分

そんなわけで、会社で働く分には自主性があれば十分です。

つまり、教わった仕事を特に指示されなくてもできるようになればいい。
それ以上を求められることはありません。

出世すると違いますよ。
係長には係長なりの自主性が。
課長には課長なりの自主性が求められます。

主体性が重要になるのは、たぶん部長からじゃないかな。

ということは、ほとんどの人に主体性は必要ない。
会社員として働く限り、自主性を発揮していれば十分なんですよ。

主体性を発揮する人はそもそも会社員にならない

さて、ここからは完全に余談です。

思うに…。
主体性を発揮する人って、そもそも会社員に向いていないんじゃないかと。

そもそも主体性は、自分の意志や判断に基づいて、自分の責任において行動する態度。
あるいは、行動できる人のことです。

そんな社員いますか?

自分の意志や判断に基づいて、自ら行動する人はたくさんいます。
でもこれは自主性です。

ついでに言えば、会社で定められた範囲の中で、が頭につきます。

会社で定められた範囲の中で、自らの意志や判断に基づいて、自ら行動する。
こういう方は本当に大勢いるんです。

会社が定める限り責任は会社にある

ちなみに、会社が定めた範囲の中で発揮する主体性は、「責任」があやふやになります。
何しろ、どこまでやっていいかを会社が決めていますから、その責任は当然会社になるんです。

つまり、会社が定める範囲で発揮する主体性は、責任が会社にある以上自主性になります。

ということは…。

社員が主体性を発揮するなんて、そもそも不可能なんです。

なんか、なぞなぞみたいな内容になってきた気もしますが…。

主体性で最も大切で、最も重要なことは「自らの責任において」の部分。
その行動の責任を、自らとる覚悟、とも言えます。

これを実際にやるには、会社の後ろ盾があっちゃダメなんです。

ミスの責任を取るのは常に会社

考えてもみてください。
社員が何か大きなミスをしても、その責任を取るのは常に会社です。

損害賠償が発生しても、会社が支払ってくれますよね。
納期遅れや発注ミスなどがあっても、会社が責任を持ってくれます。

ということは、個人が責任を取ることなんて、まずないんです。

法に触れたら話は別ですが。

え?
屁理屈だって?

いやいやいや。
屁理屈じゃなくて事実です。

何しろほとんどの人がこう思っていますから。

仕事で失敗しても職を失うことはない。
明日も同じように会社に行って働けるはずだ、と。

失敗の責任を取らされることはまずありません。
見積もりの桁を間違えても、差額を全額払えとは言われませんよね?

つまり、そういうことです。

主体性がある人は会社員に向いていない

でね、思うわけです。
本当に主体性がある人は、会社員に向いていないんじゃないかと。

変な言い方をしますが…。

責任を誰かに取ってもらうのって、面白くないんですよ。
自分で考えて「やろう!」って決めたのに、「よし、俺が責任を取ってやるから好きにやれ!」とか言われても、全然燃えません。

それ、余計なお世話だよって思うわけです。

自分に責任があるから、いろいろ考えるのが楽しいし、行動するのが楽しいんです。
自分に責任があるから、失敗を減らすために工夫するんですよ。

で、そう考える人って、会社が決めた範囲で行動するのは窮屈で仕方がない。

何をやるにも上司の許可が必要。
そして、上司の理解を超えることをやると、「ダメだ!」と怒られる。

そんなの、めちゃくちゃつまらないじゃないですか。

だから、会社員に向いていないと思うんですよね。

最後に

ということで、会社員が仕事で主体性が持てないのはある意味当たり前だよ、という話でした。

たぶんね。
みんな主体性と自主性を勘違いしているんですよ。

ひどい勘違いだと、自主性がある人は指示待ちになるとか言い出す人もいる。
主体性がないと、自ら動くことはできない、みたいなイメージですね。

でもね。
自主性も主体性も、自分で考えて行動するのは同じなんです。

違いは、責任の扱いがどうなるか、だけ。

そして会社員は、ほとんどの責任を会社が持ってくれる。
なので、主体性を発揮しているように見えても、実は自主性になっている、ってことがあるんですよ。

もっと深堀すると、会社で起こる失敗を個人で償うことなんてできない、とも言えますね。

仮に仕事のミスで300万円の損失が出たとして、社員がおぎなれると思いますか?
無理ですよね。

だから、どうしても会社員は自主性がメインになってしまう。

つまり、会社員が仕事で主体性を持てないのは、ある意味当たり前なんです。

会社も、会社が決めた範囲での行動を望んでいますし、仕方がないですよね。

本気で主体性を持って行動したいなら、独立するしかありません。
そうすれば、その行動の責任はすべて自分で取ることができますから。

あ、誤解のないように言っておきますが、会社から出れば話は別ですよ。
プライベートでの行動の結果は、すべてあなたの責任です。

なので、会社員として働くという決断は、主体性があるといえます。
でも、会社の仕事は自主性がメインになる、という話です。

なんか、言葉遊びみたいな話でしたが、ま、そんな感じです。

ではでは~。

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