化粧品と言えば女性をイメージする方が多いと思いますが、転職についてもやはり女性が希望することの多い業界です。とはいっても女性従業員が極端に多いわけではなく、男女比で4対6くらいの企業が多いようですね。
化粧品業界の特徴は、業績が安定していて女性が働きやすい職場が多いこと。さらに異業種からの参入も多く、今後も市場規模の拡大が見込まれる業界でもあります。
そんな魅力的な化粧品業界ですが、未経験者が転職できるかと言うと、正直かなり厳しいと言わざるを得ません。
この記事では、化粧品業界の動向と転職について書いています。化粧品業界に転職したい!と、思ったときに、参考にしていただければ幸いです。
化粧品業界の動向
インバウンド消費に後押しされる形で業績を拡大していた化粧品業界。2017年に入り新製品の販売は伸び悩んでいるものの、既存品の売り上げは好調に推移しているようです。
これは、2016年の秋以降「インバウンド消費は一落ち着いた」と言われたあとも、化粧品は売り上げを伸ばしていて、外国人の既存品購入がいまだに続いているからだと考えられています。
また、中国向けの越境EC市場が好調で2016年には613億元(1兆158億円)を達成。その3割を生活雑貨とビューティーが占めています。越境EC市場は今後も拡大を続けると考えられていて、2019年の予測は1,270億元(2兆1,044億円)に達すると考えられています。
というわけで、国内での店頭販売は頭打ちにありつつあると言われていますが、海外に目を向ければ今後も拡大が見込まれるので、転職先としては申し分のない業界だと言えます。
ちなみに、化粧品業界の市場規模は、日本が2兆円。海外が26兆円だと言われています。
※越境EC(えっきょうイーシー):インターネット通販サイトを通じた国際的な電子商取引のこと。
参考:Fuji-Keizai「中国ECと中国向け越境ECの市場を調査」
週刊粧業オンライン
店頭販売員は減る方向?
先ほども書いた越境ECのように、化粧品業界ではインターネット経由での販売に力を入れています。
実際にインターネットでコスメサイトや口コミサイト、amazonのような通販サイトを利用して化粧品を購入している方も多いのではないでしょうか。
一昔前は、化粧品を購入しようと思えば百貨店の化粧品コーナーに行き、ビューティーアドバイザーと呼ばれる店頭販売員の説明を受けて購入することがほとんどでした。
ところが、最近では百貨店のビューティーアドバイザーや、ドラッグストアやバラエティーショップへ営業をおこなう営業員の求人が減っていると言います。
その理由は、先ほども書いたインターネット経由での通販事業に力を入れているからです。
未経験で化粧品業界へ転職するには、ビューティーアドバイザーが比較的採用されやすく、ねらい目でした。でも求人自体が減っているので、未経験で転職すること自体が難しくなっています。
化粧品業界へ未経験で転職できるのか
化粧品業界の中途採用は、経験を重視して採用する傾向が強いようです。化粧品業界では、業界内の違う企業へ転職する方も大勢います。そのため、業界未経験者を募集する求人は自然と数が少なくなります。
ビューティーアドバイザーは減少傾向
今までは店頭販売を行うビューティーアドバイザーを目指すことで、化粧品業界に転職することができました。ですが今はビューティーアドバイザーの求人自体減ってきています。
(余談ですが、ビューティーアドバイザーの求人が多いのは離職率が高いからだそうです。)
なので未経験者が化粧品業界へ転職するには、他の職種を目指した方が採用される可能性が高くなります。
狙うなら営業が良い
化粧品業界の職種には、次のものがあります。
営業・宣伝・販売促進・生産・購買・管理・商品企画・マーケティング・デザイナー・研究・商品開発・経理・総務・人事
この中で未経験でも採用されやすいのは「営業」です。
化粧品業界の営業は、百貨店やドラッグストアなどを回り、商品を店頭に置いてもらうことを目指します。すでに置かれている場合は、新商品の提案やレイアウトの変更と陳列、商品の納品や補充なども行います。
時には商社へ営業を行うことや、本社のバイヤーへ営業を行うこともあります。
その内容を簡単に言えば、ルート営業・提案営業・新規開拓にプラスして、店舗の売り場管理、というイメージです。
ビューティーアドバイザーを目指すなら
百貨店などの化粧品売り場に立ち、来店されたお客様にメイクを施して商品を販売する。
綺麗なお化粧にカッコイイスーツ姿で接客する姿に、憧れた方も多いのではないでしょうか。
先ほども書いたように、ビューティーアドバイザーの仕事自体が減っていますが、まったく仕事がないわけでもありません。
探してみれば未経験可の求人も出ています。
百貨店だけじゃなくドラッグストアでも募集していますので、根気よく探すことが大切です。
また「JMAメイクアップ技術検定」や「ネイリスト技能検定」などの資格を取得しておけば、採用されやすくなります。
化粧品業界へ転職するには
未経験だけどどうしても化粧品業界へ転職したいのなら、長期戦になることを覚悟して挑む必要があります。
そして、転職活動は在職中に行い、転職サイト・転職エージェントを使って常に情報を集め、希望する求人が出たらすぐに申し込める体制を整えておくことが大切です。
ただし、化粧品業界はとても狭い業界だと言われていて、競合他社に動きを知られることを嫌がって、求人が転職サイトに出ないケースもあります。
そのため、良い求人は転職エージェントが握っていることが多いので、転職活動も転職エージェントを中心に進めると良い結果が出やすいようです。
何より大切なのは、今の仕事をいきなり辞めないこと。そして、諦めないことです。