大学受験の調査書でやらかした!担任のミスであわや生徒が不合格に!?

大学受験の調査書でやらかした!担任のミスで生徒が不合格に!?

私は高校教師として都内の私立高校に勤務していました。

受験を迎える3年生の担任をする際には、大学進学希望の生徒たちに必要な調査書を書く仕事があります。

調査書には出席日数や成績のほかに本人の行動の記録を記述する欄があり、性格や活動記録をまとめて記載することになっていました。

私の勤めていた私立高校は、ほぼ100パーセントの在校生が大学進学を目指す進学校でした。

高校3年生の担任は、秋ごろから調査書の記入に忙殺されることになります。

調査書は合否に影響する重要な書面なので、どの担任も記載には細心の注意を払っていました。

また、担任が記載した調査書は、学年主任と進路主任により誤記のないよう2重チェックがされることになっていたのです。

10年前の秋ごろ、私も3年生の担任として少ない空き時間を利用して調査書の記入に没頭していました。

当時はパソコン入力ではなく紙媒体に担任が手書きで記入していたため、字体や字のサイズにも気を遣っており大変時間がかかっていたのです。

ある生徒は指定校推薦希望だったので、調査書の提出時期が早く、一般受験者より調査書を早めに完成する必要がありました。

調査書の内容について上司の2重のチェックを受けた後は、コピーして封筒に入れることになっています。

何校も受験する生徒が多かったので、調査書の原本を高校が保持して提出先の大学にはコピーを送るのが常でした。

私は記入済みの調査書原本を主任2人にチェックしてもらい、「問題なし」と判断されると早速コピーして封筒に入れ封緘を行いました。

調査書のコピーを申し込み期限までに提出して、受験票の配布を受けると本人は滞りなく推薦試験の面接に行きました。

面接試験の終わった後、試験から帰ってきた生徒に様子を尋ねました。

指定校推薦は、学校が推薦すればよほどのことが無い限りほぼ確実に合格できるので、合否についてはさほど心配はしていませんでしたが、一応面接で緊張しなかったか、またどんなことを聞かれたのか知りたかったのです。

今後後輩の生徒たちが受験する際にも参考になるからで、面接を終えた生徒には、その面接の内容について質問するようにしていました。

その生徒が聞かれた内容は、志望動機や志望学科に対する関心度などオーソドックスなものだったとのことでした。

ところが、その後生徒が首をひねって不思議そうに話し始めたのです。

「試験官が私の調査書を見ながら、担任の先生に記載内容の確認をしてもらった方が良いかもしれませんね、と言われました。もう少し詳しく生徒のことを知りたいから、担任の先生に伝えておいてください、とも言われました」と話したのでした。

私はその試験官の言葉に不吉なものを感じて、記憶の糸をたぐろうとしました。

学年主任と進路主任の2重チェックを受けたのだから調査書に誤記は無いはずだが、記載内容に不足があると言う指摘は一体何を指しているのだろうか、と必死に考えてみました。

その生徒との会話を終えた後、調査書原本の一覧表をもう一度見直してみました。

そこで私はその生徒の調査書原本を見つけて思わず「あっ!」と小さな声で叫んでしまいました。

その調査書の活動記録欄に目が釘付けになったまま動きません。

何と活動記録欄の文章が途中で切れて後半部分が真っ白になっていたのです。

こんなことが起きるものでしょうか? その場に倒れこみたい気持ちをおさえて、コピーした時の行動を思い出してみました。

そして、原本に記載していた際に1枚書き損じが生じて、2枚目に書き直したことをようやく思い出したのです。

あきれたことに1枚目の書き損じを直ちに破棄することなく、2枚目の下敷きとして使用していたのです。

そのため、主任には完成した2枚目を提出したのに、重ねていた1枚目の書き損じをコピーして大学に提出してしまっていたのでした。

大学側も未完成の調査書をつき返さずに受理してしまったことが不思議に思えますが、試験官が気を利かせてさりげなく担任の私に文章の未完成を教えてくれたのでしょう。

私は大慌てで他の生徒たちの調査書原本を調べましたが、幸い同じミスはありませんでした。

先述の生徒は、私が作成した調査書の不備にもかかわらず無事に指定校推薦試験に合格し事なきを得ました。

調査書は生徒の人生を左右することもあり、決してミスが許されないものです。

書き損じがあったら、失敗作は直ちに破棄しないと提出書面に紛れ込んでしまうおそれがあると言えるでしょう。

調査書原本のチェックを何重に行って誤記の無いことを確認しても、実際に大学に提出するコピーを最終チェックしなければ意味が無いと感じました。

他人に頼るとかえって安心感が失敗を生むと思った次第です。




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