前職の経験が活かせると思い転職をしたけれど、思っていた仕事内容と違っていた。
入社してみたら人間関係が劣悪でとても耐えられない。
サービス残業が当たり前だったなど、転職してすぐに辞めたいと思うのは、どうしても我慢できない理由があるものです。
それでもなかなか行動に移せないのは「短期間で退職するのは無責任」「次の仕事が見つかりにくくなる」と考えるからでしょう。
また転職してすぐに辞めたいと思うとき、「試用期間中の退職が職歴になるのか」「履歴書に書かないといけないのか」そして「退職理由はどう伝えるべきか」ということも気になりますよね。
この記事では試用期間に関わる退職や職歴について紹介しています。
「試用期間中だけど辞めたい」と思ったとき、参考にしてください。
Contents
試用期間とはなにか
試用期間をざっくり説明すれば、企業が人材を採用する際に、社員としての適性があるかどうかを判断するために設けられています。
期間は3ヶ月程度が一般的で、短ければ1カ月、長ければ1年も受ける会社もあります。
また試用期間でも、長期雇用を前提とした雇用契約を交わす必要があります。
試用期間中は簡単に解雇されるのか
試用期間中でも長期雇用を前提とした労働契約を締結しているため、簡単には解雇できません。
解雇する場合は正当な理由(経歴詐称、勤務態度の悪さ、出勤不良など)が必要です。
もし「期待と違った」などの理由で解雇する場合は、解雇日の30日前までに予告するか、その代わりに30日分以上の平均賃金を支払わなければいけません。
なお例外として入社後14日以内なら、解雇予告なしで解雇することができます。
試用期間中はすぐに退職できるのか
退職する場合は労働基準法により、退職日の14日前までに申し出ることが定められています。
また通常であれば社内規定に掲載されている、退職規定に沿って退職することが一般的です。
試用期間中だからすぐに辞められるわけではないので、注意してください。
最短で退職する方法を知りたい方にオススメ
試用期間中にすぐ辞めたいと思ったら
試用期間中に辞めたいと思った場合は、なるべく早く退職の意志を伝えるようにしましょう。
ずるずると長引かせると、会社も無駄な研修を行うことになりますし、あなた自身も無駄な時間を過ごすことになります。
お互いに無駄を省くことができますから、退職の意志はできるだけ早く伝えましょう。
短期間で辞めるのは無責任?
仕事を辞めるかどうかは本人が決めることなので、短期間で辞めたとしても無責任ではありません。
そもそも辞めることで責任を問われたら、転職ができなくなってしまいます。
次の仕事が見つかりにくくなるのか
転職で候補者を絞り込む基準は、昔も今も変わらず次の3つが重要です。
- 転職回数
- 在職期間
- 退職理由
在職期間が短く、転職回数が多ければその分仕事は見つかりにくくなります。
- 転職回数3回を超えたら書類段階で不採用。
- 在職期間が短い転職を2回以上繰り返している人は採用しない。
といった基準を持っている企業も多くあります。
関連記事:転職を繰り返すと再就職が厳しくなる理由
試用期間中に退職すると職歴になるのか
職歴とは「職業・職務の面から見た経歴」になりますので、原則すべての入社・退社の履歴を言います。
また入社日は試用期間の初日を指すことが一般的ですから、たとえ試用期間中の退職であっても職歴になります。
パート・アルバイトも職歴に該当しますが、履歴書や職務経歴書に記載することはほとんどありません。
多くの場合職歴とは「雇用保険に加入していた会社の経歴」を指していますから、パート・アルバイトや副業の職歴を履歴書に記入しないのです。
パート・アルバイトを経歴として記入するのは「空白期間を減らしたい」「専門的な経験をしたことをアピールしたい(税理士事務所のパート等)」と言った場合が多いです。
試用期間中の退職を履歴書に書くべきか
試用期間中で退職した職歴でも履歴書に書く必要があります。
先ほども言ったように職歴は原則全ての入社・退社の履歴です。
たとえ短期間でも入社し退社したのであれば、変な疑いをかけられないためにも書くべきでしょう。
ですが実際には、「試用期間中の職歴を書く必要はありません」と指導されることがほとんど。
これは一般的に考えて問題になりにくいから書く必要はないという意味合いなので、絶対に問題とならないわけではありません。
考えられる問題点
恐らく気になるのは試用期間で退職したことを職歴に書かずに提出して「経歴訴訟」に該当しないかと言うことでしょう。
そして、書かなかったことが理由で解雇にならないのかと心配しているはずです。
採用されないケースはある
採用前に経歴を書いていないことが会社側に分かれば、採用されないケースはあると考えられます。
ですが、ほかの経歴はきちんと書いてあるのに、試用期間で退職した経歴だけ書いてなかったからと言って、採用後に解雇されることはまずありません。
経歴訴訟に該当する可能性
経歴訴訟に該当するのは「重要な点を偽った場合」。
持ってもいない資格を持っていると書く、入社していない会社に入社していたと書く、など採用に関わる重要な点を偽ると経歴訴訟で解雇、もしくは私文書偽造罪になります。
また、試用期間中での退職を何回も繰り返しているのに書いていない場合も問題です。
これは求人企業が、試用期間中で退職を繰り返したことを事前に知っていれば採用しなかっただろうと、考えられるからです。
経歴はきちんと書いたほうがいい
つまり、1・2回であれば試用期間で退職した経歴を履歴書に書かなくても、問題になることはほとんどないと考えられます。
ですが、後々経歴をごまかしたことが分かってしまったときにもめると面倒なので、よほどの理由がない限りきちんと書くべきなのです。
職歴が会社にばれてしまうことはないのか
職歴が会社に伝わることは、まずありません。
「まず」と書いたのは、絶対にないとは言えないからです。
雇用保険被保険者証からばれてしまうという話を聞きますが、それは「雇用保険被保険者 資格取得等 確認通知書」が付いたまま転職先の会社に提出するからです。
「雇用保険被保険者 資格取得等 確認通知書」は提出する前に切り離し、「雇用保険被保険者証」のみを提出すれば、前職が分かることはありません。
人づてに伝わることもある
「絶対にバレないとは言えない」と書いたのは、例えば同業界の場合ふとしたことから前職が伝わってしまうことがあるからです。
以前、たまたま同じ業界の営業と話をしていたときに、最近採用した人の話をしたところ、先月まで勤めていた人と同姓だと言われ、前職が分かったことがあります。
そんな些細なことで前職が分かってしまうこともありますから、「絶対はない」と考えた方が良いでしょう。
ばれたら困ることはやらない方が身のためです。
短期間での退職が不利になるのは仕方がない
短期間で退職した場合は書類選考で落とされる可能性が高くなり、面接にたどり着くこと自体が困難になります。
理由は「すぐ辞める人かもしれない」「忍耐のない人かもしれない」と思わるからです。
書類を見ただけではなぜ短期間で退職したのかまでは分かりませんから、悪い印象を持たれるのはある意味仕方がありません。
不利な状況を少しで良くするには
不利な状況を少しでも良くしたいのなら、転職エージェントの利用をおすすめします。
なぜなら転職エージェントは求人企業に出入りしていますので、あなたの人柄や性格を書類選考の前に、人事担当に伝えてくれるケースもあるのです。
転職エージェントは相談だけでも利用できる
多くの転職エージェントでは、相談だけの登録も受け付けています。
つまり転職エージェントを利用すれば、転職の悩みを相談できるだけじゃなく、あなたの経歴に合った求人まで紹介してもらえるのです。
もし気に入らなければ、求人の紹介を断ればいいだけ。
無料でここまでのサービスを受けられるなら、利用しない手はありません。
もちろん応募書類や面接で、退職理由をどう伝えるかも、相談することができます。
おすすめはリクルートエージェント
参考までにぼくがおすすめする転職エージェントは、リクルートエージェントです。
なぜならリクルートエージェントは業界最大手の転職エージェント。
企業からの信頼も厚く、取り扱い求人数もダントツで多いからです。
ぼくは転職が成功するかどうかは、申し込める求人の数でほとんど決まると考えています。
もちろんサポート内容も大切ですが、それ以上に選択できる求人がなければ話になりません。
そんな理由から、業界で一番保有求人数が多いリクルートエージェントがおすすめです。
退職理由はどう伝えるべきか
試用期間で退職した原因が会社側にある場合は、悪口にならない程度に事実を伝えてください。
- 求人票と実際の仕事内容が大きく異なっていた。
- 定時にタイムカードを押してから仕事をするよう指導された。
- 人間関係に問題があり、鬱で退職する人が何人もいた
相手が「それなら辞めても仕方がない」と思う理由であれば、隠す必要はありません。
有利にも不利にも働くことはないはずです。
短期間で転職を繰り返す人の特徴
サービス残業が当たり前、職場の環境が劣悪、求人票と仕事内容が違っていたと言った理由で、転職してすぐに仕事を辞めたくなる人がいる一方、実は自分の甘い考えが原因になることも多いのです。
ネガティブな感情を引きずっている
転職に失敗しやすい人の特徴として、「仕事がきつい」「面白くない」「職場の人間関係が合わない」から転職したいと考え、その感情を引きずっているというものがあります。
転職する理由は8割の人がネガティブな感情からですが、次の仕事を探すときにはポジティブな感情に切替えないと失敗する可能性が高くなります。
転職で失敗しないためには、ネガティブな退職理由を引きずらない事が大切です。
失敗した原因を外に求める
仕事で失敗したときに、「景気が悪い」「客が悪い」「上司が悪い」と失敗した原因を自分ではなく外に求める人は、転職で失敗しやすくなります。
失敗した原因を外に求めれば、自分は悪くないと思うことが出来るので気持ちが楽になりますが、本当の原因にたどり着くことが出来ず成長を止めてしまうことになります。
仮に転職で失敗したとしても「景気が悪い」と考えていれば、次も同じ失敗をすることは容易に想像できるはずです。
甘い情報に踊らされている
「時給〇〇円。月〇〇万円以上稼いでいる人もいます」「キャリアアップして人生を変えませんか」「あなたのやる気を評価します」と言った求人を見たことがありませんか。
求人票に書かれている謳い文句を信じ、企業研究をせずに就職先を決めるとかなり高い確率で失敗します。
人が集まりにくい仕事ほど、甘い言葉を使って集めようとしているからです。
外部の情報に踊らされることなく、自分で調べ情報を集めることが大切です。
その他の転職を繰り返す人の特徴は、「転職を繰り返す人の特徴と繰り返さないための方法」で紹介しています。
まとめ
転職してすぐに辞めたくなる原因が会社にある場合は、辞めたいと思っても無責任ではありません。
ただし試用期間中の退職も職歴になりますから、職務経歴書には記載する必要があります。
もちろん自分の意志で応募書類に記載しないこともできます。
できますが、記載していないことがばれれば、後々問題になることもあるでしょう。
もし転職で試用期間中に退職した経歴が問題になるのであれば、転職エージェントを利用してください。
担当者が直接企業に働きかけてくれるので、スムーズに転職活動が進められるはずです。
◆リクルートエージェント|業界最大手なので案件が豊富。必ず登録するべき転職エージェント。