転職で迷うのは当たり前のこと。
家族に反対されることもありますし、なにより転職が上手くいくかどうか不安も感じますよね。
内定が出たとしても、本当にその会社でいいのか、今の会社に残ったほうがいいのか…。
未来が見えないからこそ、どっちの決断が正しいのか悩むものです。
ぼくは迷うのであれば転職するべきではない、と考えています。
なぜなら迷いに迷った結果転職に失敗したら、その会社をすぐに辞めたくなってしまうからです。
下手をすると転職癖がついてしまい、キャリアを大きく踏み外すことにもなりかねません。
もし転職に迷ったら、時間をかけてよく良く考えてください。
転職で問題が解決するか考える
転職で悩んだときは、今感じている不満や問題が、転職で解決できるのかを考えましょう。
本当に収入は増えるのか
収入に不満がある場合は、転職で収入が本当に増えるのかどうかを確認してください。
ポイントは目先の給与だけで比べないこと。
例えば転勤(全国・世界各地)を受け入れないと、昇進・昇給がない会社もあります。
中小零細企業だと、そもそも定期昇給さえない会社もあるのです。
つまり、転職した直後は収入が増えたとしても、長く務めるうちに前の会社のほうが収入が多かった…と、いうこともあり得るわけです。
転職すれば本当に自分の収入は増えるのか。
増えるのは目先だけでなく、長く勤めても増えていくのか。
後々後悔しないためにも、きちんと調べることが大切です。
仕事は面白くなるのか
「今の仕事が面白くない」と感じている方は、転職したら本当に仕事が面白くなるのかどうかを、できるだけ冷静に考えてください。
なぜなら「希望の職に転職すれば仕事が面白くなる!」と、妄信的に思い込んでいる方が意外と多いからです。
残念ですが、転職すれば仕事が面白くなると言うのは、幻でしかありません。
まだ働いたことのない会社なのに、仕事が面白いかどうかなんてわかりませんよね。
「今の仕事がつまらないから転職する」という方は、次の職場にいっても「仕事がつまらない」と言いだします。
理由は簡単で、自分に合った仕事、夢中になれる仕事が分かっていないからです。
まずは「自分に合った仕事の見つけ方 」を読んで、自分が夢中になれることを再確認してください。
転職を考えるのは、それからでも遅くはありません。
転職すれば評価されるのか
「会社や上司に正しく評価をしてもらえない」と、評価に不満を感じている方は、転職するべきではありません。
厳しい言い方をしますが、評価とは他人の目線でみたものです。
自分で「評価されていない」と感じるのは、自分を甘やかしているからじゃありませんか?
自分では「評価されていない」と感じていても、周りから見れば適正な評価だった、と言う話を沢山聞きます。
それに今の会社で評価されないのに、転職先で評価されるわけがありません。
厳しく採点された他己評価を、甘く採点した自己評価と比べて「正しく評価されない!」と不満を言うのは、周りと基準がずれています。
このまま転職しても間違いなく評価されません。
転職を決める前に今の職場で評価されるまで努力することが、大切ではないでしょうか。
人間関係は良好になるのか
セクハラやパワハラと言った、どうにも耐えられない嫌がらせを受けているのなら、迷うことはありません。
今すぐ転職しましょう。
人間関係は転職することで、良くも悪くも完全にリセットされます。
つまり、良好に出来る可能性がある、ということです。
1つ覚えておいてほしいのは、どの職場にも似たような人はいると言うこと。
ちょっと反りが合わない。
意見が衝突した。
こんな何でもない人間関係の問題を理由に、転職するのは辞めるべきでしょう。
どの職場に行っても似たような人がいます。
当然、ちょっと反りが合わない同僚や上司もいますし、意見が衝突することもあります。
居心地が良くて皆いい人で天国みたい! だと思える職場はまずありません。
少なからず人間関係のいざこざはあります。
少しの努力で改善出来ることなら、仕事を辞める前に努力してみませんか?
関連記事:「人間関係が嫌で仕事辞めたい」と退職するのは逃げなのか
異業種に転職出来るのか
dodaのアンケート結果では、53%の人が異業種へ転職しています。
実に確率2分の1です。
ただし異業種への転職を希望し、成功している人のほとんどが、小売業やサービス業に就いていた人です。
つまりブラックと言われる業界から、別業種へ転職した方が多いのです。
今勤めている業界が専門性の高い分野なら、異業種を目指すよりも同じ業界で探した方が、良い結果を得やすいでしょう。
専門性が高いと言うことは、変わりを見つけるのが大変だと言う事。
つまり高待遇で採用される可能性が高いわけです。
周りに誇れるキャリアを捨ててまで、異業種に転職する必要はないはずです。
異職種に転職できるのか
異業種への転職より難しいのが、異職種への転職です。
職種を変えると1から仕事を覚えないといけないため、応用の効くスキルがない限り、企業側が嫌がります。
実際に異職種への転職を成功させた方は、前職が不動産関係・金融関係、コンサルタントなど、応用の利く専門職で働いています。
それ以外では販売やサービスなど、特別なスキルを求められない職種へ転職しています。
異職種への転職は、未経験の転職と同じこと。
今の年齢やスキルで本当に希望する職種へ転職できるのか、冷静に考えてみてください。
キャリアアップ出来るのか
「キャリアアップ=転職」と言う考え方が広まっているようですが、転職することがキャリアアップじゃありません。
「キャリアアップ≠転職」です。
キャリアアップとは総合的なスキルアップの事をさします。
言い方を変えれば、キャリアアップとは「稼ぐ力」のことです。
つまり、どういう目標があって、どんな知識や技術を身につけて、どう成長したいのかが大切。
そして成長した結果、今よりも稼げるようになる必要があります。
自分自身をどのように成長させるのか。
何を目標にして働くのか。
転職することでさらに成長出来たのなら、キャリアアップ出来たと言えるでしょう。
自分自身が成長するための環境が転職先に本当にあるのか。
今の会社ではダメなのか。
良く考える必要があります。
関連記事:転職でキャリアアップするには
迷うなら転職はしない
迷うなら転職はやめるべきです。
なぜなら迷っているときは、大抵上手くいかないから。
まずは自分自身を振り返り、何故転職しようと思ったのか、転職することで何が得られるのかを良く考え、整理しましょう。
じっくりと時間をかけて整理した結果、それでも転職するべきだと思えたなら、勇気を出して一歩前へ踏みだしてください。
プロの意見を聞く
どうしても転職するかどうか悩むのなら、プロの意見を聞いてみてください。
意外と知られていないことですが、転職エージェントは相談だけの登録も受け付けています。
「本当に転職するべきかどうか」
「今後のキャリアプランをどうすればいいのか」
こういった漠然とした思いを、キャリアコンサルタントに相談するだけでも利用が可能です。
もちろん相談した結果「今の会社に残ります」でも問題はありません。
無料でキャリアコンサルタントに相談できますから、迷っているときこそ相談してみてください。
[参考]転職するかどうかの判断基準
参考までに、転職するかどうかを判断する基準を紹介します。
やり方は簡単。
今の職場で感じている不満やストレスを、5分以内にすべてかき出すだけ。
例えば次のようなイメージです。
- とても達成できないノルマがある
- やりたくない仕事を任される
- 上司に逆らえない雰囲気がある
- パワハラをされている人がいる
- 他人の噂話が多い
- 影口、悪口が当たり前のようにされている
ポイントは深く考えず、5分ほどで書き出すこと。
常日頃から不満やストレスを感じていることなら、考えなくても書けますよね。
もし10個以上出てくるなら、職場に対するストレスが大きすぎるため、転職するべきだと考えられます。
最後に
今回は以上です。
迷う人に転職を勧めないのは、迷った結果失敗すると、大きな失望感に襲われるからです。
しかも転職の場合、元に戻ってやり直すことができません。
つまり迷った結果転職で失敗すると、大きく道を踏み外すことにもなりかねないのです。
なので、迷う人は転職をやめるべきです。
転職は失敗してもやり直しがきくような、甘いものじゃありませんから。