「亭主元気で留守がいい」
タンスにゴンのCMで流れた有名な言葉。このCMを見て、「亭主元気で留守がいい」だと!?こちとら毎日必死に働いてんだ。家にいるだけの女が何を言う!
と、怒りを感じた男性も多いのでは?
さてさて、亭主元気で留守がいいとはよく言ったものです。
この言葉は1986年に流行語部門で銅賞を取っています。
それだけ世の中の奥様方の気持ちを代弁した言葉だった、と言うことでしょう。
亭主元気で留守がいいから?熟年離婚が増えている
熟年離婚が多いみたいですね。ぼくもあと20数年で定年を迎えるでしょうから、熟年離婚は気になる話題です。
なにしろ熟年離婚は、まさに亭主元気で留守がいいから。
現役で仕事をしている時は家に居なかった亭主が、定年退職した後ずっと家にいるようになり、家でやることが増えた妻から切り出されることが多いからです。
「価値観の違い」「浮気」「亭主元気で留守がいい」「長年バカにされてきたから」などなど、「なるほどな」と思える理由が検索すれば次から次へと出てくること出てくること。
でもこの理由は、定年になって亭主が家にいるから出てきた不満じゃなくて、長年連れ添っていくうちに溜っていった不満のような気がします。
つまり男性陣の知らないところで妻は離婚を決意しているかもしれない。ってことです。
毎日家に帰ると「お帰り」と言って迎えてくれる妻が、ひそかに「いつか別れてやる」と考えているかもしれない。
そう考えると怖くなってきませんか?
亭主元気で留守が良いの理由
ぼくが考える「亭主元気で留守がいい」の理由があります。
それは日本に昔からある風習。男は外に出て働いて女は家を守ると言うもの。
この役割分担が「亭主元気で留守がいい」の根本的な理由のような気がします。
と言うのも男性は、女性は家で家事とするのが当たり前だと思っていませんか?
洗濯機や掃除機など、家電が便利になることで家事は楽になっていると考えていませんか?
家事なんて大したことないし、どうせ昼間はごろごろしているんだろ。と。
実際にやってみれば分かりますが、家事は本当に大変です。
そこに育児も加われば休んでいる暇がないほど忙しくなります。
この家事に対する亭主と妻の考え方のギャップが「亭主元気で留守がいい」の理由です。
そもそも女性が家庭で行っている家事がどんなものか、知らない男性も多いでしょう?
まずはどんな家事を毎日こなしているのか、ちょと書きだしてみましょう。
主婦の生活(僕の想像)
5時:洗濯開始。最近の洗濯機は音が静かで助かる。
6時:朝食の支度を始める。
6時半:子供たちを起こしご飯を食べさせ、夫のお弁当をつくる。
食事が終わったら子供を着替えさせ、髪を縛り、忘れ物が無いか確認して学校に送り出す。
8時:後洗濯物を干し食器を片づけて洗う。
9時:部屋の掃除を始める。散らかしっぱなしの子供部屋を見ながら、「もぅ、使ったら片付けてよね!」と独り言を言い、すべての部屋を掃除する。
10時:食料品の買い出しへ。セール品などを見ながらなるべく節約して買い物。
12時:お昼。疲れた体を休めるため、ちょっとお昼寝。時間があれば友達をランチを楽しみストレス発散。
15時:洗濯物を取り込む。洗濯物を畳んだり、お風呂を洗っていると子供が帰ってくる。
「おやつ!」と言われるのでお菓子を出し、今日の出来事を確認しながら連絡帳に目を通して明日の持ち物やこれからの行事を確認。
適当に脱ぎ散らかされている靴をかたずけながら、「早く宿題やっちゃいなさい」と子供を促す。
16時:遊びに行った子供の帰りを待ちながら夕飯の用意をする。毎日献立を考えるのは大変。
17時:お風呂を沸かし家族の着替えを用意。夕飯の用意をしていると子供が帰ってくる。まだ終わっていない宿題を見かねて、家庭教師のように教えながら一緒に勉強する。
18時:お風呂の用意が出来た頃、旦那さんが帰宅。「ふろ」「めし」「ねる」なんて昔のように言う人はいないと思うけど、取りあえず一番風呂に入ってもらう。
旦那がお風呂から出たら、湯上りのビールとつまみを出し、子供と一緒にお風呂へ。たまには1人で入りたいと言うのがきっと奥さん本音だとろう。
19時:夕食。テレビを見て談笑するが、「おかわり」だ「お茶だ」「醤油だ」なんだかんだで結局落ち着けない。
20時:夕食の後片付けをしながら、子供の明日の準備を手伝う。
21時:やっと子供を寝かしつけ、一段落。
22時:就寝。しようと思ったら旦那がちょっかいを出してきて結局寝られない。
23時:ようやく就寝。お疲れさまでした。
家事は休みがない
男性は仕事があるとはいえ基本的に8時間労働。
残業があっても土日は休みです。
ところが家事は、時間の区切りも無ければ休みもない。
と言うことは家事を労働時間として考えれば、奥さんの働いている時間が男性よりも圧倒的に長い。
で、一番最初の話題「亭主元気で留守がいい」と言うのは、旦那が定年になると一日中家にいるから日中も家事をしないといけなくなる。
それなら仕事に行ってもらった方がいい。と言うことでしょう。
昼の11時頃から15時頃までが主婦の休み時間なんでしょうね。
この時間は仲の良い奥様方とランチに出かけたりして唯一ゆっくりできる時間。
ところが、定年を迎えた亭主がずっと家にいると、お昼を用意したりしないといけない。
ましてやごろごろしているだけで手伝ってももらえない。
それならいない方がいい。
そう言う事じゃないでしょうか。
定年後、亭主が家にいるとずっと「ふろ」だ「めし」だ「お茶」だと結局家事に追われる。
それならいっそ離婚しようかと。
何となくですがそう思いたくなる気持ちは分かります。
余談ですが、昼間ファミリーレストランで談笑している奥様方を見かけても「主婦は気楽でいいな。旦那が働いている時に友達と飯なんか食べて」なんて言わない方がいいですね。
その時間しか休めないんですから。
お互いを思いやる気持ちが大切
もちろん男性陣が完全に悪いとは言いません。
離婚になるには双方に言い分があり、お互いに我慢できないところがあるからです。
ただ奥さんが家事に追われている時間が長すぎる気がします。
まだ専業主婦なら、夫婦の分担ができている気もしますが、これが共働きの世帯でも、奥さんが家事を担う量はあまり変わりません。
それは古くからの風習だから?男と女の役割が違うから?
あまり関係ない気がします。
まだまだ日本は仕事では男性の活躍の場が多く、女性が活躍するのは難しい面もあります。
そして共働きで働く場合、家事も仕事だと考えれば、働く時間は女性の方が圧倒的に多くなります。
それを踏まえた上でどうするか。
結局、夫婦生活が上手くいくかどうかは、お互いの思いやりになるんでしょうね。
仕事で疲れているだろうからゆっくり休んでね。
毎日家事で大変だろうからゴミ捨ては僕がやるよ。
相手を尊敬し助け合うことが、一番大切です。