多すぎる残業を減らす20のアイディア

残業を減らしたい!

そう思っても、いきなり残業をゼロにすることはできません。

残業を減らすには、従業員の意識を変えることはもちろん、会社も残業削減の取組みをする必要があります。

ということで、この記事では多すぎる残業を減らすための19のアイディアを、個人と組織に分けて紹介。

最後まで読めば、残業を減らすためのヒントが見つかるかもしれません。

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残業が減らないのには理由がある

仕事の量が多く、定時に帰りたくても帰れない。
残業を減らしたいと思っても、次から次へと雨のように仕事が降ってくる。

こんな状態に悩んでいる方も多いはず。

ではなぜ、慢性的に残業があるのでしょうか?

残業前提のほうが「楽」ができる

残業が減らない1番の理由は、残業前提で仕事を考えているからです。

というもの、残業前提で仕事を考えたほうが、段取りが組みやすいんですよね。

それに仕事も残業前提のほうが受注しやすいのです。

できます・やりますで仕事が取れる

何しろ残業が前提になっていれば、仕事の納期を考える必要がなくなります。

マンパワーではどうにもならない部分だけ抑えれば、あとは「やります!」「できます!」でOK。

お客様にしても他社より短納期で商品が手に入るなら、「じゃぁお願いしようか」ってなりますよね。

これ、営業としてはめちゃくちゃ楽な受注のやりからです。

「やります。当社にお任せください。必ず間に合わせます!」と、口当たりのいいことを言えば受注できるわけですから。

適当な納期も残業でカバー

そのしわ寄せは作業者に「残業」という形ですべて降りかかります。

「納期は3日後。必ず間に合わせること」

この一言で、みんなが残業をして納期に間に合わせてくれるのですから。

頭を使う必要がない

しかも残業前提で考えれば、複雑な段取りをとる必要がありません。

定時で間に合わなければ残業を指示。
それでもだめなら徹夜を指示。
1人で無理なら2人に徹夜をさせればOK。

何も難しいことはありません。

必要な人手を、残業を前提にあてがっていけばいいだけ。

こんな楽な仕事はありませんよ。

だから残業はなくならない

つまり残業を前提に仕事を考えると、すごく楽ができるんです。

納期から逆算して日程を組むのではなく、納期に間に合うように無理やり働かせればいいわけですから。

そしてこういったやり方をする会社では、雨のように仕事が降ってきます。

残業前提のやり方は、指示する側がすごく楽をできる。

だから残業はなかなかなくなりません。

残業代が魅力的

残念なことですが、中には生活費を稼ぐために残業をする人もいます。

少ない仕事をゆっくり進めて無理やり残業をする。
そうしないと生活費が足りないからです。

これは給与が低いことも理由の一つですが、給与に見合わない生活を送っていることも原因になります。

生活残業をする方がいると、無駄な残業が増えやすくなります。

人の目が気になる

周りの人がみんな残業をしていると、何となく帰りづらい雰囲気が出来上がります。

周りが残業を強制しないとしても、一人だけ先に帰るのは気が引けるものです。

とくに日本人は周りの目や評価を気にしやすい特徴があるので、なおさら帰りにくいと感じるもの。

残業をする人が複数いると、気になって帰れない人が増え、無駄な残業が増えることにもなりかねないのです。

個人で出来る!残業削減11のアイディア

ではどうやって残業を減らせばいいのか。

ここでは個人で出来る、残業を削減するアイディアを10個紹介します。

具体的な仕事の進め方から精神論まで書いていますので、ぜひ参考にしてください。

整理整頓はすべての基本

まず大切なのは、徹底して整理整頓をすること。

なぜなら机の上も作業場も、乱れていると「ものを探す手間」がかかるからです。

整理整頓のコツは、置く場所を決めること。
そして使い終わったら必ず決めた場所に戻すことです。

最初は少し大変ですが、習慣化できれば歯を磨くくらいの感覚で、整理整頓ができるようになります。

仕事の優先順位はつけて当たり前

仕事を効率よく進めるには、優先順位をつけることが大切。

なぜなら優先順位をつけずに仕事を進めると、「迷う時間」が生まれるからです。

優先順位のつけ方は…

  1. 期日が近くて手間のかかる仕事
  2. 期日が近くてすぐ終わる仕事
  3. 期日が遠くて手間のかかる仕事
  4. 期日が遠くてすぐ終わる仕事

…が基本。
そして、重要度の高い仕事を優先的に進めていきます。

今日やるべき仕事をリストアップ

仕事に優先順位を付けたら、今日やるべきことをリストアップします。

リストアップすればやることが明確になり、効率よく進められるからです。

またリストアップすることで、仕事のモレも防げます。

箇条書きで書き出すだけでも、効率にかなりの差が出るはずです。

明日やるべき仕事を確認

1日の終わりには、今日やった仕事と明日やるべき仕事を確認してください。

この作業を行うことで、さらに仕事の精度が上がります。

明日の段取りをつけるだけではなく、仕事のモレを防ぐ効果もあるので、さらに精度がアップします。

効率もよくなりますから、残業の削減にも効果的です。

人の目を気にしない

残業を減らすには、人の目を気にせずに帰ることも大切。

なぜなら人の目を気にしていると、残業している人がいる限り早く帰れないからです。

といっても、先に帰るとなんだか周りから批判されそうな気がして、怖いかもしれません。

ですがそれは、あなたが勝手に作り出した妄想です。
与えられた仕事をきちんとこなしていれば、定時で帰っても何の問題もありません。

人の目を気にせずにさっさと帰りましょう。

納期に間に合う仕事は途中でも帰る

仕事を終わらせないと帰ってはいけない、そう思い込んでいる人もいます。

ですが、仕事は納期までの期間で考えるもの。
たとえ途中でも、納期に間に合うのであれば、帰っていいのです。

少しでも早く終わらせるために残業をする、という人もいるでしょう。

この場合は、なぜ早く終わらせる必要があるのかを考えて下さい。

もしほかの仕事があるから早く終わらせたいのであれば、仕事の引き受け方を変えるべきです。

仕事は納期までの期間で考えるもの。
なので、納期に間に合うのであれば、仕事が途中でも帰っていいのです。

キャパを超える仕事は断る

「言うは易く行うは難し」の代表が、仕事を断ること。

キャパを超える仕事を断れば、残業をする必要はなくなります。
自分のペースで仕事を進められますし、体力的にも精神的にも余裕が出てきます。

ですが実際に仕事を断るのは、本当に難しいんですよね。

なので「やりたくない仕事を断るちょっとしたコツ」を参考に、上手に断る方法を覚えてください。

仕事はチームで進める

一人で仕事を抱え込んでしまい、結果として残業が増えている方は、チームで仕事を進めることを覚えてください。

自慢じゃありませんがぼくは、自分に与えられた仕事しかやりません。
自分の担当から外れる仕事は、それぞれに専門家がいるからです。

例えば工場なら、図面を書く人、製品を作る人、検査をする人、梱包する人と、それぞれ部署で分かれています。

もし問題が起きて再検査を依頼されたら、検査をする人に依頼すればいいのです。

一人で仕事を抱え込むと時間がいくらあっても足りません。

仕事はチームで進めるものだと割り切り、できる人に手伝ってもらいましょう。

使えるモノは上司でも使う

「立ってる者は親でも使え」といいますよね。

仕事では、使えるモノは上司でも使いましょう。
なぜなら上司は、私たちにはないスキルや経験、知識を持っているからです。

取引先との関係で悩んでいる。
新しい仕事の進め方がよくわからない。

そんな時は遠慮せず、上司に相談してください。

ほとんどの上司は部下から頼られることを喜びます。

そして参考になる体験や知識を、あなたに教えてくれるはずです。

うまくすると、仕事を進めやすくするために、手を貸してくれることもありますよ。

定時後の電話はすべて無視

勇気がいるかもしれませんが、定時後の電話はすべて無視します。

なぜなら定時後に電話がかかってくるのは、「その時間も働いている」と認識されているから。

しかも定時後の電話に対応していると、いつまでたっても帰れなくなります。

電話に出なければ、自然とかかってこなくなりますから、定時後の電話は無視でOK。

取り次ごうとする方がいたら、「もう定時過ぎていますよ」と教えてあげてください。

定時後の依頼は「明日でお願いします」でスルー

残業の多い会社だと、定時後に仕事を頼んでくる人がいますよね。

この定時後の仕事も対応してしまうと、「この人は定時後でも仕事を引き受けてくれる」と思われ、無駄に仕事が増えます。

なので、定時後の依頼は話も聞かないこと。

「定時を回っていますので、明日でお願いします」と言って、帰りましょう。

最初は悪態をつかれるかもしれません。

ですが定時後の依頼を断り続ければ「残業をしない人」というイメージが定着し、より帰りやすくなります。

過剰なサービスをやめる

残業の理由として意外と多いのが、価格以上の過剰なサービス。

例えば、お客様には納品日だけ伝えれば十分なのに、すべての工程を表にして提出する。

「急ぎだ」と言われたからと、無料で自ら配達に行く。

「概算で見積もりを出して」と言われたのに、完璧な見積書を作る…などです。

ぼくは4回転職していますが、どの会社に行っても過剰なサービスをする人がいます。

そして例外なく、毎日遅くまで残業しているのです。

過剰なサービスをやめれば、残業時間はかなり削減できるはずです。

組織として取り組む9つの残業対策

では次に、組織として取り組む残業対策を紹介します。

ここで紹介するのは、ぼくが今まで働いてきた職場で実際に効果を上げた残業対策です。

残業はしないという雰囲気作り

残業を削減するために最も大切なことは、「残業をしない・させない」という雰囲気を作ることです。

そのためには多少強引な方法でも、残業を削減しなければいけません。

朝礼や夕礼、会議などで頻繁に残業について話し合い、「残業をしない・させない」という雰囲気を作ってください。

定時で電話に出られなくする

多くの会社で行われている、定時後は留守電にする対策。

これは残業をしない会社というイメージをつけるために、とても効果的な方法です。

また定時後の問い合わせや、仕事の依頼がなくなるため、従業員も帰りやすくなります。

残業をしない雰囲気つくりのためにも有効な方法です。

残業を事前申請にする

残業対策といえば事前申請というくらい、ポピュラーな対策です。

ポイントは、必ず「事前」に申請させること。
そして、承認が下りなければ残業をさせないこと。

なぜなら事後申請などを認めると、事前申請が形骸化してしまうからです。

ルールをきちんと守らせ、時間になったら帰宅させることで、残業の事前申請は大きな力を持ちます。

従業員の時間に対する意識も変わるので、ぜひ試してみてください。

日報で従業員の仕事を把握

事前申請だけではなく、日報を書かせるのも残業対策として有効です。

日報には時間ごとの作業を書いてもらいます。

すると、どの仕事にどのくらい時間がかかっているのか。
ほかの人と比べて仕事が早いのか、遅いのかが一目瞭然。

当然、本当に残業をする必要があるかどうかも、判断しやすくなります。

書く側としても、無駄な作業はかけませんよね。

なので日報を書かせると、結果として残業削減につながります。

ノー残業デーを設ける

ノー残業デーも残業を削減するために有効な手段。

ポイントは、ノー残業と言ったらノー残業を徹底すること。
口だけでノー残業デーです! といっても、何の効果もありません。

多くの会社で口だけノー残業デーが流行っているようですが、やるだけ無駄です。

ノー残業デーをやるなら徹底してやること。

徹底することで、残業をしないという雰囲気を作ることができます。

強制電源OFFは効果絶大

時間になったら社内の電気を消すことも、残業を減らすのに効果的。

あるいはパソコンを使えないようにすれば、いやでも帰るしかなくなります。

弊害も出やすい方法ですが、残業をなくしたいのならやってみる価値はある。

ただし、事前に通知をきちんとすること。
仕事の持ち帰りが起きないようにすることが大切。

自宅でサービス残業をしているようでは、残業削減の意味がありませんから。

管理者に残業の責任を持たせる

意外と効果が高いのが、部下の残業の責任を上司に取らせること。

そもそも残業が慢性化する原因は、それを認めている上司にありますよね。

なので、毎月残業時間が多い部下の名前を上司に報告。
どうやって残業を削減するのか、対策書を提出させる。
残業が減らないようであれば、何かしらのペナルティ(評価を下げるなど)を設ける。

といった対応をすれば、残業削減に本気で取り組むようになります。

組織の問題で残業が減らないケースもありますから、責任の所在を明確にすることはすごく大切なことです。

定時内で計画を組ませる

生産管理時代に感じたことですが、意外と時間に無頓着な計画を立てる人が多い。

そもそもの計画がキャパをオーバーしていれば、残業が必須になるのは当たり前ですよね。

なので、計画を立てるときは定時退社を基準として組ませるようにします。

どうしても工数が足りない場合は、他部署から人を借りる、短期アルバイトを雇うなど、残業を最終手段で考えさせてください。

これも徹底することで、計画やスケジュールの精度が変わってきます。

冗談ではなくて突き詰めていけば、残業時間も正確に見積もれるようになるのです。

なので「定時内」という制限をつけて計画を立てさせることは、残業削減だけではなく、従業員のスキルアップにも有効な手段です。

当たり前になるまで5Sを指導

個人で出来る対策でも書きましたが、整理整頓はすべての基本。

そして整理整頓を浸透させるのは、5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)を徹底することが大切です。

5Sが徹底されると、無駄な時間(探し物など)が大幅に削減できます。

無駄な時間が減れば、その分生産効率もよくなります。

当然利益も増えますし、残業時間も減ります。

なので、5Sは当たり前になるまで指導するべきです。

最後に

今回は以上です。

残業削減は個人で出来ることと、組織じゃないとできないことがあります。

とくに上司が残業を推奨している場合は、組織として残業対策を行わないと、絶対に残業削減はできません。

ちなみに会社が残業を推奨している場合はどうにもなりません。

個人で何とかしようとしても、雨のように仕事が降ってきて、ひたすら残業を強制されるでしょう。

もし残業が嫌であれば、ほかの会社に転職するしかないでしょうね。

この記事が残業を減らしたいとおもっている方の、参考になれば幸いです。

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