仕入れの値引き交渉は毎日のように行われています。
そのためルーチンワークのように、値引き要請のメールを送付してくる人の多いこと多いこと。
しかも機械的に値引きを要請するので、メールの内容にも人間味が感じられません。
はっきり言いますが、値引きを要請される側としては、機械的に書かれたメールだけで値引きをしたくない!!
ということで、この記事では値引き交渉の言い方を紹介します。
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仕入れ先を理解する
まず大切なのは、仕入れ先がどんな会社なのかを理解すること。
部品を作るとしても、ライン生産なのか手作業なのかで、値引き交渉の方法が変わってきます。
手作りにスケールメリットはない
仕入れ先のことを知らないと、ピントのずれた値引き要請をすることになります。
ありがちなのが、「手作りの商品」に対して、スケールメリットを理由に値引き要請をしてしまうこと。
なぜならスケールメリットを生かすには、機械生産をしていることが必要になるからです。
手作りでは、数が増えても1個作る時間は変わりません。
材料費なども、相当数が増えないと下げられないでしょう。
つまり、数が増えても値下げをする理由にはならないのです。
仕入れ先のことを知らないと、ピントのずれた値引き要請をしてしまい、最悪の場合仕入れ先との関係が悪化します。
値引き要請の根拠を示す
値引き要請では値引きの根拠を示すことも大切です。
例えば注文する数が増えたのなら、値引き要請の根拠として提示することができます。
通常は数が増えれば原価が下がりますから、相手としても値引きに応じやすいでしょう。
また、同業他社や同等品と価格を比較することも、値引きの根拠として使いやすい。
大切なのは相手が納得する根拠を示すこと。
適当に理由をつけて、何でもかんでも値引きしろでは、関係を悪化させるだけです。
メールで終わらせない
値下げ要請をメールや書面だけで済ませるのは、はっきり言って失礼です。
なぜなら値引きは取引先の利益を減らす行為だから。
自分の利益を確保するために、相手の利益を減らしている。
それなのに、機械的に書いたメールだけで終わらせるのは失礼ですよね。
なのでメールだけではなく、最低でも電話はすること。
できれば直接会って依頼することが大切です。
脅さない
一番質の悪い値引き要請は、立場が強いことを利用して「脅す」ことです。
一部上場の大企業に多いのですが、「次から仕事を出さない」と脅しながら、値引きを要請してくることがあります。
また「毎年数%値下げしろ」などという、無茶な要求を当たり前のようにしてくる会社もありますよね。
こういった立場を利用した値下げ要請は最悪です。
どの会社も仕事がなくなると困りますから、泣く泣く従うしかありません。
覚えておいてほしいのは、強引な値引き要請は恨みを買う、ということ。
値引きに従ったのに仕事が出なかった、となれば最低すぎて…言葉が出ません。
人から恨まれないように、値下げは誠意をもってお願いするべきです。
強制しない
値引きで腹が立つのは、仕組みとして強制されることです。
企業によっては価格表を作成し、「この価格内で作るように」と指示してくるところもあります。
しかも見積り金額が自社内の標準を超えていると、「超えた分は支払わない」とまで言い出すところもあるほどです。
事前に営業や設計などと話をしていても、「購買」と話をしたとたん大幅な強制値引きをされることもあります。
こういった強制的な値引きをされると、二度とその会社の仕事を受けたいとは思いません。
また店頭で商品を見かけても、絶対に購入しません。
仕組みとして金額が決まっているのなら、取引を行う前に説明するべきですよね。
お互いに利益のある話をする
値引きを要請するということは、相手の利益を減らすということ。
なので、自分の会社だけが儲けるために値下げを依頼するのは、明らかに間違っています。
例えば1%値下げをすることで、受注量が倍になる。
バリエーション違いで5部品受注することができるなど、お互いに利益のある話をしてください。
「この品物は値引きしてほしいけど、こっちの品物は発注量増やすから」
など、お互いにメリットのある話をすれば、相手も悪い気はしないものです。
さいごに
値引き交渉の言い方をまとめると、
- 仕入れ先を理解する
- 値引きの根拠を示す
- メールだけで済ませない
- 脅さない、強制しない
- お互いにメリットのある話をする
といったことが大切です。
そして相手の利益を減らす行為ですから、できる限り会って謙虚にお願いするべきです。
「仕事を出してやってんだから、値段を下げろ!」
そんな態度で値引きを強制する方は、恨みをかわないように注意したほうがいいですよ。