もう社会人になって20年。
労働時間は8時間、それ以上働けば残業代がもらえる、それが当たり前だと思っていた。
でも今日、帰りの車の中でふと疑問に思った。
「なぜ労働時間8時間なのか?」
別に6時間でもよさそうな気がする。
8時間労働の理由が知りたい
もし周りの人に「なぜ労働時間は8時間なんですか?」と聞けば、「労働基準法で決められているから」と、大体の人はそう答えるだろう。
そんなことは僕も知っている。
労働時間は週40時間までと決められているが、三六協定を結べば、実質労働時間に制限が無くなることも。
そう言うことではなくて、なぜ8時間になったのか?それが気になった。
8時間にしたのは理由があるはず。
日が昇ってから沈むまでの時間だろうか?
それとも体調を崩さないための配慮?
24時間を3で割った?
何でも調べてみると面白いことが分かる。
「8時間は労働、8時間は休息、そして残り8時間は自分たちに自由な時間のために」
1886年のアメリカで労働総同盟が8時間労働制を要求するストライキを行い、そこで謳われた言葉だ。
なるほど24時間を8時間で3つに分けたのか。
だから8時間になったんだな。
確かに理屈は通る気がする。
ただ忘れてほしくないのは8時間の労働をするために、準備と移動時間がかかっていること。
出社する準備をしたり、退社する準備をしたり、車に乗って移動したり、なんてことをやっていると出社や退社にかかる時間は2時間にもなる。
と言うことは。
「10時間は労働、8時間は休息、そして残り6時間は自由な時間」じゃないだろうか?
やっぱり労働時間は6時間で良かったんじゃないか。
そうすれば8時間が3つでバランスが良くなると思う。
なんで8時間なのか。
ますます気になってくる。
長時間労働が当たり前だった時代
人を雇う側としてみれば、従業員を働かせるなら、安い賃金で長時間働かせた方が割がいいはず。
逆に雇われる側としてみれば、高い賃金で短時間労働がありがたい。
なのに6時間でも7時間でもなく、10時間でも12時間でもないと言う。
なぜ8時間なのか?
その答えを探していくと、約500年前にイギリスでだされた「王令」まで遡った。
当時の労働は13時間働いて2時間休むといった長時間労働。
その後も労働時間は増加するばかり、多い時には14時間労働が普通で、16時間、18時間労働と言う事もあった。
18時間労働なんて、寝る時間以外はすべて働いていることになる。
こんな無茶な働き方をすれば、体がおかしくなるのは考えなくても解りそうなもの。
なぜこんなに働かせたのか。
詳しく書いてあるサイトがあったのでこちらを参考にしてほしい。
※特集 人はなぜ、8時間働くのだろう | Trace [トレース]
8時間労働は実験の結果だった
結局は「より多く働いた方が生産性が良くなる」と、考えられていたからだ。
でもぼくは「従業員を働かせるなら、安い賃金で長時間働かせた方が割がいい」という考え方があったんじゃないかと思う。
ただやっぱり労働者の体が持たなかったようで、労働時間短縮の活動が起こるようになる。
そして8時間労働が推奨されるようになっていくが…。
8時間労働が推奨されるようになったのは、生産性の高い労働時間を調べた結果、らしい。
19世紀のヨーロッパでは10時間、9時間、8時間労働のどれが最も生産性が高いのかという実験が行われていたと言います。
例えば、鉄工所で8時間労働日を導入したところ、多職種に効果的だったこと。
また、工場では8時間制を採用したことで労働者が活性化し、生産性の向上が見られるなどの結果が得られました。
つまり、長時間労働を1日8時間にすることで、生産性が上昇するという実験結果が出たのです
「特集 人はなぜ、8時間働くのか」より引用
なるほど、今8時間労働が普通になっているのは実験の結果だったのか。
生産性が一番高くなると言われれば、そりゃ8時間にしたくなるな。
と、思わず納得。
実験した時代と今は全然違う
19世紀は8時間労働の生産性が一番高かったようだけど、現在はどうなんだろう。
コンピューターや機械の進歩により、人の変わりに機械が作業をすることがかなり増えた。
今後はもっと人の手が必要無くなっていく可能性もある。
そう考えると、8時間で生産性が一番高くなると言う考え方はすでに崩壊している気もする。
それなら8時間で縛らずに、もっと自由な労働時間があってもいいんじゃないかと思う。
今の体制はもちろん職種にもよるが、「8時間働く必要はないけど、8時間職場にいないといけない」と言う形になってきている気がする。
工場でさえ、ロボットが進歩したおかげで半分自動になっている。
経理なんてパソコンとソフトさえあれば、誰がやっても同じ結果になる。
仕事を進めるのに必ずしも人手が必要だとは限らなくなってきた。
求められる成果が決まっていてそれを達成できるのなら、労働時間で縛る必要はないと思うが、どうだろう。
実働7時間の理由
最近は実働7時間の会社も存在する。
実働8時間の会社が多い中、何故7時間なのか?
実働7時間にする理由は、休日を減らしたいからだ。
労働基準法では1週間の労働時間を40時間までと定めている。
週40時間の場合、1日8時間労働だと5日出勤して2日休む「完全週休2日制」になる。
では1日7時間だとどうだろう。
5日間7時間で働いた場合、週の労働時間は35時間で、労働基準法の40時間に対して5時間余ることになる。
この5時間を上手く使えば、「隔週2日制」の休みにすることができ、土日も働いてもらえるのだ!
つまり実働7時間労働は、1日の勤務時間を短くする代わりに、土日も働いてほしいと言うこと。
さて実働7時間労働が8時間労働と比べて得かどうかは…働く人が判断するしかない。
労働時間8時間は長すぎる?
はっきり言って労働時間8時間は長すぎる!
働き方が多様化しているのだから、6時間労働があっても良いのではないか。
だが労働時間を短縮するには、1つ大きな壁が立ちふさがる。
そう、労働基準法の「週40時間」だ。
ぼくが経営者なら、労働時間を短くした分出勤日数を増やす。
なぜなら従業員の給与は月給制。
週40時間以内であれば、支払う額が変わらないからだ。
で、あれば、限界まで働いてもらったほうが、経営者から見ればお得になる。
つまり、8時間が長いからと労働時間を短くすれば、休みが極端に少なくなってしまう。
それなら8時間働いて週2日休んだほうが、働く側としてはお得に思える。
結論:法律が変わらない限り8時間労働
身もふたもない結論だが、法律が変わらない限り8時間労働は変わらない。
長いと文句を言ってもどうにもならない。
労働時間を短くすれば、その分休みが減ってしまう。
結局は雇われの身。
「嫌だ」といってもどうにもならないのが現実、というものだろう。